【ALS】『世界ALSデー in Nagoya「みんなでゴロンしよう!」2019』でゴロンしてみた。

 6月21日は『世界ALSデー』です。

 今年はイカスミカフェ主催イベントがオンライン大会だけだったので、愛知県名古屋市で開催された「みんなでゴロンしよう!」に参加させていただきました。

なんで「みんなでゴロン!」するの?

 ALSは、意識や五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)、記憶や知性は正常のまま、体を動かす運動ニューロン(運動神経細胞)が侵され、身体が徐々に動かなくなっていき、最終的には瞼(まぶた)さえ開く事が出来なくなる難病です。

 初期段階では声を使った会話での意思疎通が可能ですが、呼吸するための筋肉を動かせなくなる段階になると、「人工呼吸器を装着」する必要があり、器官に穴を開けカニューレという管を入れる手術をします。

 合成音声などのテクノロジーを使用しない場合、この段階で声での意思疎通は出来なくなります。

 手や指が動かせる場合は、筆談やタブレット端末などを操作して意思疎通が可能です。

 しかし、手や指の筋肉を動かせなくなる段階になると、これらの手段での意思疎通ができなくなり、透明文字盤に書かれた50音表などを使って「視線で意思疎通」を行います。

 さらに症状が進行すると眼球を動かすことができなくなり、最終的には瞼(まぶた)を開くことさえ出来なくなり、ALS患者は意思疎通を行う手段を完全に失います。

 そして、この状態のことを、

【TLS】

Totally Locked-in State

(完全な閉じ込め状態)

 と呼びます。

「みんなでゴロンしよう!」は、この「TLS」の状態を「みんなで疑似体験してみましょう」というイベントです。

 もしかすると、「呼吸器を付けていない健康な人が、たった5分寝転んだだけでALS患者の苦しみや絶望、その家族が抱える悲しみや不安の何が分かるというのか?」と考える優しい方がいるかもしれません。

 でもALS患者の家族や恋人や友人はこうも考えます。

「どうか、このイベントをきっかけに、1人でも多くの方にALSを知って欲しい。そして1日でも早くALSの治療方法が見つかる未来に繋がって欲しい」

高校生有志による「木管アンサンブル」

 セットリストは、高校吹奏楽の定番「ルパン三世のテーマ'78」からカッコよくスタートしました。初球ストレートど真ん中、強気のピッチングです、そしてみんな可愛かったです。

 このまま勢いに乗って、2曲目は「宝島」か「Sing, Sing, SIng」かと思えば、ジブリのサウンド・トラック「海の見える街」へのチェンジアップ、そしてみんな可愛かったです。

「木管アンサンブル?えっ、サックスって金属じゃん?」って思ってしまいますが、トランペットみたいに「唇の振動によって音を出す」しくみの管楽器を【金管楽器】、穴に息を吹き込んだり、リードを口に咥えて「唇を振動させずに音を出す」しくみの管楽器を【木管楽器】っていいます。

 つまり、ワールドカップ南アフリカブォオオオオオオオオオオ…大会で話題になブォオオオオオオオオオオ…ったあの「ブブゼラ」は【金管楽器】なのでブォオオオオオオオオオオ…すブブゼラうるさいな。

 愛知県立明和高等学校音楽科の皆さん、最後はジャズのスタンダード・ナンバー「Take The "A" Train(A列車で行こう)」をとっても楽しそうに演奏して下さいました。

 高校生らしく「米津玄師」とか演るのかな?と思っていたのですが「大人の人が楽しめるように」というコンセプトだったようです、優しい、そしてみんな可愛かったです。

コミュニケーションロボット「OriHime」

 今回のイベントに参加して「本当に良かった」と思えたことのひとつは、このロボット「OriHime」を通して遠方のALS患者の方とコミュニケーションできたことです。

 OriHime は「行きたい所に行けない人のもう一つの身体」になってくれるコミュニケーションロボットで、具体的には「カメラ」「マイク」「スピーカー」を使って、インターネット経由で離れた場所にいる誰かとコミュニケーションを取ることができるすごい子なのです。

 映像や音声を使って離れた場所にいる誰かに連絡すること自体は、スマホやPCがあれば出来ることなのですが、OriHime はちょっと違います。

 体が自由に動かせない、指さえも動かせない状態でも「視線入力装置」を使って透明文字盤を使うように文字を入力して読み上げることができたり、「うなずく(YES )」「首を横に振る(NO)」といった動作や、「拍手」「ハグ」「キス」といった感動や愛情の表現(ジェスチャー)まで出来てしまうのです。

 まるで、その人がその場所にいるかのように。そして、体を動かせない本人にとっては、まるで「自分がその場所にいる」かのように。

 OriHime があれば、パオさんを世界中のどこにでも連れて行ってあげられますし、フレンドさんが出場するe-Sports大会の会場に行って応援だってできちゃいます。パチパチパチ。

「OriHime」を作ったのはこの方。株式会社オリィ研究所:代表取締役所長「吉藤健太朗」さんです。

『なにこのイケメン』

 吉藤さんは、世界的経済史「Forbes(フォーブス)」の「アジアを代表する青年30人(30 Under 30 2016 ASIA)」に選出され、Forbes JAPANの2019年8月号では「日本のインパクト・アントレプレナー35※1」にも選出されているのです。

※1「アントレプレナー」:起業家、新しく事業をはじめる人。

 賢くてイケメンで「黒い白衣」を着てトークも面白いパーフェクト超人な吉藤さん。その上、考え方もかなり面白い人なので、機会があれば是非ライブでお話しを聴いてみて下さい。

EYE VDJ「武藤将胤」さん「NO LIMIT、YOUR LIFE.」

 今回、名古屋への遠征を決めた1番の理由は「武藤さんのVDJステージを観たかったから」なのです。

 この人が汗をかいて走っているから、「まだ白旗は上げない」と考えている人は、大勢いるのではないでしょうか。

 昨年(2018.6.19)の「MOVE FES. 2018 Supported by Hard Rock Experienc」も最高でしたが、昼間の野外ステージという「VJプレイに向かない環境」と真っ向勝負するのではなく、「自然の映像をふんだんに取り入れた空間演出」を行うことで「共に在る」というメッセージを感じました。

 武藤さんはALS患者です。そして、手足を自由に動かすことが難しいので「視線の動きを感知するシステム」を使って、眼で音楽と映像を操る世界初の「EYE VDJ」なのです。

うんちく

【DJ】:ディスク・ジョッキー

クラブなどで「その場の雰囲気」や「集まった人の雰囲気」や「主催者のコンセプト」に合わせて、音楽(音源)を選曲したりミックスしたりする人。

【VJ】:ヴィジュアル・ジョッキー

DJがプレイする「音楽の雰囲気」や「音楽の歌詞」や「フロアの照明やレーザーの色」などに合わせてスクリーンに映す映像を操作し空間を演出する人。

【VDJ】:ヴィジュアル・ディスク・ジョッキー

DJとVJを同時にやる人。DJが次に何の曲をプレイするかを予測して準備する作業は無くなるが、単純に同時に行う作業が多いのでとっても難しい。

「テクノロジーの力で、すべての人に、表現の自由を」をコンセプトに活動を続ける武藤さん。現在は「脳波で言葉を選択するシステム」を使って、脳波でラップする「BRAIN RAP※2」というプロジェクトをスタートしました。

 この技術が確立されれば「TLS(完全な閉じ込め状態)」の段階になったALS患者も、脳波で意思の疎通が可能になるかもしれないのです。

 なんて夢と希望に溢れたプロジェクトなんでしょう。

「さあ はじめよう 想像ではうまくいってる」

南波六太|宇宙兄弟111話 

 どうか、アナタの力を少しだけお貸しください。

大事MANブラザーズバンドと「それが大事」を歌う

 イベントの最後は元大事MANブラザーズバンドの立川俊之先生が登場して、あの大ヒット曲「それが大事」をみんなで歌いました。

 ただでさえリピートが多い曲なのに、フルコーラスで2回歌いました。

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※3 しくじり先生の立川先生が出演した回はめちゃくちゃ面白いのでオススメです。

まとめ

『世界ALSデー in Nagoya「みんなでゴロンしよう!」』は、「学ばない学び舎」主催のイベントです。

 学ばない学び舎は「平野裕加里さん」という元中部日本放送のアナウンサーだった方がプロデュースしている企画なのです。

 アイス・バケツ・チャレンジが一過性のブームとして終わった今、こういったイベントを継続して開催してくださる人がいること、その志に賛同して心を動かし集まる人々がいることに感動します。

 この拙文が誰かの「私もゴロンしよう!」と思うきっかけになったり、ALSを知るきっかけになれば幸いです。

 あと、キッチンカーのステーキ丼がめちゃくちゃ美味しかったです。サンドウィッチマンの伊達さんにそっくりなお兄さんが作ってくれました。

 たぶん、「バナナオーレもらえるかな?バナナ抜きで」って注文したら、「牛乳だろぅもぉ」って返してくれると思います(試してません)。

 イカスミカフェも正式オープンから1年が経ち、大した努力もしていないのに、皆さんのクチコミだけでアクセス数が伸び続け、ようやく本来の目的である「ALSについて発信すること」が出来る段階になりました。

 いつも応援して下さる皆さんと、「名古屋行く」っていったらいっぱい交通費をくれたお母さんに感謝します。(ありがとうございます)

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