アトリエ・モリヒコ【北海道】

アトリエ・モリヒコの外観

 父親が『仙人に俺はなる!そして霞(かすみ)を食って生きてやる!』と家を飛び出して山に籠もっていたせいで幼稚園からずっとカギっ子だった店長ですこんばんは。

 COVID-19(新型コロナウィルス)の影響で「自宅待機」や「在宅勤務」が推奨されて久しい今日この頃、全国のカギっ子達は通常営業で元気に遊び、昔カギっ子だった同志達もこの状況に適応していることでしょう。

 カギっ子は何時間でもひとりで遊べる「ひとり遊びのスペシャリスト」なのです。

 家庭の事情で止むを得ず「こどもにカギを持たせ、頑張って働いているお母さん」大丈夫です、カギっ子はカギっ子にしか得られない経験と思考を養い、早くから親離れを促されるキタキツネのように「自立するのがとっても早い」のです、コンコンコーン。

 ただ、デメリットとして、自分が少し寂しい思いをした分、傷ついている人を見ると黙っていられない「お節介な人」になるかもしれません。


森彦(もりひこ)

 キタキツネと言えば北海道、北海道のコーヒーと言えば「森彦のコーヒー」と言われる程、市川草介氏が代表取締役を務める「MORIHICO.」はカフェ好きにはあまりにも有名なコーヒー店です。

 元々デザイナーとして父親のデザイン事務所に勤務していた市川氏、10代の頃から憧れていた「路地裏のカフェ」を25才でオープンしました。

 市川氏は東京で生活していた頃によく「路地裏を探索」していたそうで、不思議と良い店に出会ったそうです。当時はスマホも食べログも無く、お店の存在を知らせる大きな看板も無いので、わざわざ探さなければ見つけられなかった「路地裏のカフェ」。

『でも、そういう店ほど長く続いていて、時を重ねた豊かさがある。店主の徳によって、お客さんが愛情を注ぎ育てているみたいな。メインストリートでは決して築かれることのない、店とお客の親密な関係。僕はそれを『路地裏の真実』とひそかに呼んでいたんだ』

引用:About MORIHICO. Vol.03「路地裏への愛着」より

 コーヒー界の異端児と呼ばれる市川氏は「森彦」の存在を一言で表すと「空間価値の提供」であると語ります。

 一般的なカフェのオーナーが「コーヒーを提供する場所」としてカフェをオープンするのに対して、市川氏がプロデュースする森彦は「訪れた人に良い影響を与える空間を提供する場所」であり、コーヒーはその場所に入る為のチケットなのだそうです。なにそれカッコいい。

 現在14店舗を展開する「森彦」は、いわゆるチェーン店ではありません。すべてのお店でコンセプトが違い、すべてのお店で「提供される空間価値」が違うからです。

 と、言うわけで、今回は本店のオープンから10年後に開店したという森彦の2号店、「アトリエ・モリヒコ」を紹介します。

 お客様が「絵」になるようにというコンセプトでプロデュースされた「アトリエ・モリヒコ」、いったいどんな空間を提供してくれるのでしょうか。


Point.1
『リラックス』できる空間

アトリエ・モリヒコの窓際の席

 北海道のカフェ全般の特徴でもあるのですが、席と席の間が広くとってあるので、パーソナルスペースがやたら広い人でもリラックスできます。

 また、「お客様が絵になる」というコンセプトなので、店内には絵が一枚も飾られていません。

 とは言え、ドレスコードなんかありませんし、普段着で気軽に入れるお店ですし、「この店を私色に染め上げて、完璧に仕上げてみせるわ!」なんてやる気を出す必要もありません。

 窓際の席からは市電(路面電車)が行き交う様子を眺めることが出来ます。


Point.2
『季節の植栽』のある空間

アトリエ・モリヒコの季節の植栽

 アトリエ・モリヒコの中央にある大きなテーブルは無垢の一枚板、北海道大学理化学研究室からの払い下げだそうです。

 その重厚なテーブルに「季節の植栽」がディスプレイされるので、シーズン毎に違った『絵』を描く空間に。

 この日はフクジュソウの鮮やかなイエローが、窓の外の雪景色との対比を・・・あ、チューリップですか、そうですか。


Point.3
『モーニング』がチケットの空間

アトリエ・モリヒコのモーニング

 アトリエ・モリヒコのモーニングメニューは「冬仕様」があります。この日は【菜の花ときのこのサンド】をオーダー。

菜の花ときのこのサンド

 写真の角度からはツナしか見えませんが、菜の花とマッチするタマゴが入っていて、食べ応えもバッチリなのです。


Point.4
『ミシン』が醸す洋の空間

アトリエ・モリヒコ のミシン

 森彦本店でも「ミシン」はお馴染みのアイテムですが、2号店であるアトリエ・モリヒコにもミシンがディスプレイされています。

 ちなみに、森彦本店は『和の空間』、アトリエ・モリヒコは『洋の空間』、名前も漢字とカタカナで表現されています。

SINGER

【SINGER 188u Blue Champion】がこのミシンの名前、ブルー・チャンピオンは職業用ミシンとして1970年中期から1980年代に活躍した直線縫ミシンで、SINGER は世界最古のミシンメーカー。

 でも、ミシンは『洋服』を作る『洋』のアイテムなのに、『和の空間』である森彦本店にもミシンがあるのはなぜでしょう?

 実は、森彦本店にあるのは【RHYTHM】という名前のミシン、富士産業株式会社が作った「国産ミシン」なので『和』はブレていないのです、市川氏おそるべし。


Point.5
『森彦物語』に迷い込む空間

森彦物語

 ミシンの上に無造作に置いてある「森彦物語」は、カフェ界はもとより民俗学界をもザワつかせる平成の問題作です。

 地方の民話調で語られる「物語」が突然ダッシュして読者を振り切ろうとする展開は、アナタの脳を何度も再起動させる事でしょう。

 たぶん「森彦物語」のストーリーを完全に理解できている人は日本に4人くらいしかいません。

 かく言う店長も半分も理解できていないので、これからも「森彦」へのチケットをゲットし続けて行こうと思うのです。


アトリエ・モリヒコで読みたい本
「カフェがなくなったら・・・」
市川草介

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現代書林
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アトリエ・モリヒコ

北海道札幌市中央区南1条西12丁目4-182 ASビル1F

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