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2021年5月20日から「避難勧告」が廃止されて『避難指示』で【必ず避難】になりました。

 避難情報の見直しがあり「避難勧告」が廃止になって、2021年5月20日から『避難指示』で全員【必ず避難】になりました

 今年も「大雨による災害」は予想されています。アナタの大切な家族や友人の命を守るため、この機会に、もう一度「避難情報に関するガイドライン」を見直してみましょう。

「自らの命は自らが守る」にシフト

 1961年(昭和36年)に「災対法(災害対策基本法)」が制定されてから60年たちました。「河川氾濫」「土砂災害」「高潮」「津波」「火山噴火」「原子力災害」など、国民の命に関わる災害が起きたときの、「避難勧告」や「避難指示」は、気象庁や国ではなく「市町村」の判断で出すことになっていました。

  • 2004年「台風15号・21号」
  • 2014年「8月豪雨」
    (広島の土砂災害)
  • 2015年「関東・東北豪雨災害」
  • 2016年「台風10号」
    (高齢者施設の被災)

 地球温暖化により、「台風や豪雨による風水害・土砂災害発の被害」が増加し、毎年のように「避難の判断基準」や「避難指示の伝達」についての問題が見つかり、その度に改定をくりかえしました。

 ところが、2018年7月豪雨では死者・行方不明者が200名を超える大惨事となり、この未曽有の豪雨災害から「住民が自らの判断で避難行動を取らなければ間に合わない」という大きな教訓を得た国は、

『自らの命は自らが守る』

「行政はそれを支援する」

 という考え方にシフトしたのです。

分かりにくかった「2019年版」

 国は、2019年から「大雨の際に発表される防災情報」を5段階のレベルに分けました。でも、よく見ると「警戒レベル4」の避難の情報は「避難指示(緊急)」と「避難勧告(早めの避難)」の両方が位置付けられていて分かりにくかったのです。

 実際、2019年の「台風19号」でも「避難をしなかった」「避難が遅れた」ことによる被災も多く、『自らの命は自らが守る』という考え方へのシフトが伝わっていないこと、またはその意識が十分でないことが顕在化したのです。

 政府は「避難勧告」を廃止。2021年5月20日から『避難指示』に統一し、警戒レベル4で全員【必ず避難】になりました。

警戒レベル4
『避難指示』
全員【必ず避難】

 自身や家族、大切な人の命にかかわることなので絶対に忘れないでください。

『屋内安全確保』と「3つの条件」

 どういうわけか政府が作る画像はいつも分かりにくいので、今回もイカスミカフェ版を作りました。必要な方は自由にお使いください。リンクも報告も必要ありません。

 この一覧表の「Level4」のなかに『「3つの条件」確認で『屋内安全確保』可能』って書いてあるのですが、これも今回の改正で明確になったことのひとつです。

『屋内安全確保』

 災害のときにアナタや家族の命を守る最も良い方法は、避難場所に移動する「立退き避難(たちのきひなん)」ですが、状況によっては「避難する方が危険」な場合もあります。

 たとえば「災害リスクのある区域」のマンションに住んでいたとしても、上の階へ移動したりして、高層階に留まることで、身の安全を確保できる場合もあり、こういうのを『屋内安全確保』っていいます。

「3つの条件」

 とはいえ「災害リスクのある区域の建物」は浸水するおそれがあるのでとても危険です。『屋内安全確保』をする場合は、必ず次の「3つの条件」が満たされているかどうかをハザードマップなどで確認してからにしましょう。

  1. 建物が「家屋倒壊等氾濫想定区域※1」に入ってないか?
  2. 建物に「浸水しない居室※2」があるか?
  3. 浸水で「生じる可能性がある支障※3」に耐えられるか?

※1 家屋の倒壊・流失をもたらすような堤防決壊に伴う激しい氾濫流や河岸侵食が発生することが想定される区域のこと。なお、この区域に指定されていなくても、一般に河川や堤防に面した場所に自宅・施設などが存していると災害リスクは高い。
※2 想定最大浸水深(しんすいしん)より居室が高い
※3 支障の例:水・食糧・薬などの確保が困難になる。電気・ガス・水道・トイレが使用ができなくなる。

 ハザードマップの使い方は以下の記事を参考にしてください。

まとめ

 政府が発表した「令和元年(2019年)台風第15号・第19号をはじめとした一連の災害に係る検証チーム」の報告によると、

  • 洪水による死者のうち7割弱が「浸水想定区域の範囲内」で犠牲
  • 住民ウェブアンケートでは、約半数が「ハザードマップ等を見たことがない」又は「見たことがあるが避難の参考にしていない」と回答

 また、住民ウェブアンケートでは、「避難勧告」及び「避難指示(緊急)」の意味を正しく理解していたのは「17.7%」しかいなかったそうです。

  • 避難勧告
    被害があるかもしれない地域の住民に対して、避難を促すために発令されるもの。
  • 避難指示
    いつ被害が起こるか分からない、もしくはすでに発災している状況下で発令されるもの。遅れれば命に関わるため、この段階で避難行動を取っていない場合は、全員【必ず避難】。

 地球温暖化の影響で、日本は50年に1度の大雨が毎年降る国になりました。

 今まで何も起きなかった場所にも災害が発生する可能性があります。アナタがどんな場所に住んでいたとしても、どうか「自らの命は自らが守る」という意識を持って、大雨・台風に備えてください。

参考文献
避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月10日)|内閣府
避難情報に関するガイドライン(PDF)|内閣府
令和元年台風第19号等を踏まえた水害・土砂災害からの避難のあり方について【概要】(PDF)|内閣府

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