天使の笑顔で

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がんばれカトルくん
業務日報編【第10話】

ホットケーキ

業務日報:12月11日(月) おもいっきり晴れ
担当:PAO(浪速のロッベン)

■AM9:00-PM17:00
 めっちゃ頑張ったでぇ♪

スミス「清々しい程にシンプルですね」

 パオ「ウチ、『何をやったか』より『誰がやったか』の方が大事やと思うねん」

スミス「それ、名前を書くだけですね・・・。でも、パオさんが臨時のアルバイトを引き受けて下さって助かりました。コーヒーを入れますね♪」

 パオ「ありがとぉ♪バイトの子、カトルくんやっけ?ウデマエ上げるの頑張ってるんやんなぁ?」

スミス「えぇ、色々と事情がありまして。来月の大会までに出場条件のA+以上にならなくちゃいけないんですよ」

 パオ「そうなんやぁ、いまどの辺なん?」

スミス「まだ始めたばかりだし、昨日までフェスだったので、Bに上がった所だったと思いますよ」

 パオ「そうなんやぁ、今日も頑張ってるんやなぁ」

スミス「はい、頑張ってると思いますよ♪」

 パオ「あ、そうそう、アレなんなん?」

スミス「アレ?」

 パオ「あの『ホット』って言う人なんなん?」

スミス「ホットコーヒーを注文されるお客様の事ですか?」

 パオ「それそれ。ちゃうやん、ホットはカフェオレもココアもあるやん」

スミス「・・・まぁ、そうですね」

 パオ「アイツらなんで『ホット』って言うん?そんで、なんで全国的にブレンドコーヒーが出てくるん?」

スミス「『アイツら』って言うのやめましょう。・・・まぁ、昔からそれで通ってますからね、接客中に何かあったんですか?」

 パオ「ホットケーキ出したった」

スミス「えっ」

 パオ「ホットケーキ出したったわ。そんで『お飲み物はいかがですか?喉に詰まらせて死ぬんですか?』ゆーたった。天使の笑顔で」

スミス「そうだったんですね。なんか今日はホットケーキばかり焼いてるなーって思ってたんですよ。なんでクレームにならなかったんだろう」

 パオ「だいたいな?コーヒーにしたってな、この店って『ブレンド』と『アメリカン』があるやん?」

スミス「えぇ、まぁ」

 パオ「なんで『ホット』やねん」

スミス「・・・」

 パオ「そんでな、特別サービスでな『ブレンドとアメリカンがございますけど、どちらになさいますか?』って、聞いたってん。天使の笑顔で」

スミス「ごく普通の接客ですけどね」

 パオ「そしたらな、アイツら様な、絶対に『え?』って顔してメニュー見るねん」

スミス「『様』をつけてもダメです。『アイツら』って言うのをやめましょう」

 パオ「そんでな、絶対な、『ブレンドで』ってゆーねんで」

スミス「まあ、だいたいそうなりますね。カフェあるあるですよ」

 パオ「安いから?って聞いたった」

スミス「えっ」

 パオ「『ブレンドの方がお安いからですか?』って聞いたった。天使の笑顔で」

スミス「なんでクレームにならなかったんだろ」

 チリンチリン♪(お店のドアベルの音)

カトル「店長ただいま帰りました!」

ヤマダ「馬鹿者、客人にも挨拶をせぬか。客人、セキュリティに少し問題がある店だがくつろいで頂きたい」

 パオ「ありがとぉ♪」

スミス「2人ともお疲れ様でした。何か飲み物を用意しましょうか」

カトル「んーーーじゃぁホットで!」

 パオ「・・・」

スミス「・・・コーヒーですね♪」

ヤマダ「カトル、お主、何度言ったらわかるのだ。この店には『ブレンド』と『アメリカン』があるのだぞ?それに、暖かいメニューは他にもあるのだ、ホットケーキが出てきて、喉を詰まらせて死んでも文句は言えんのだぞ?」

 パオ「・・・カトルくんやんなぁ?」

カトル「はい。あ、いらっしゃいませ」

 パオ「耳の穴かっぽじってよう聞きや?」

カトル「えっ」

ヤマダ「・・・」

スミス「・・・」

 パオ「悪い事は言わへん、その娘と結婚し!」

カトル「なっ」

ヤマダ「なっ」

スミス「♪」

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