裏取りという戦術

 裏取りには肯定派と否定派がいて、両派閥が同じチームにマッチングされる不幸が起こると、上手く連携が取れないことがあります。どっち派のイカさんが来ても対応できるようにしておくと、ほんの少しだけ勝率が上がるかもしれません。

❶そもそも裏取りってなーに?

 裏取りの「裏」ってどこなんでしょう?

 敵陣の奥深く?裏ルートを選択すること?えっ、ヤグラの裏???

 実は「前線の裏」を指している言葉なので、前線※1の位置が変われば「裏取りの位置」も「裏取りのルート」も変わるのです。

 もっと正確にいうと、前線の裏を取って敵の背後から奇襲をかけ「前線を崩壊させるまで」が「裏取り」なので、これを成し遂げられなかった場合は「裏取り失敗」ということになります。

❷裏取りのメリット

 前線で交戦中の敵に「背後から奇襲をかけること」のメリットはいうまでもありません。目の前の相手に集中している敵は簡単にキル出来ますし、裏取りが成功してオールダウンを取ることが出来れば、ノーリスクで【ガチ行動】に移れるのでカウントを大きく進められます。また、裏取りが完全に成功しなかったとしても、敵を一時的に混乱させることができます。

❸裏取りのデメリット

 上図では、ブルーチームのイカさんが裏取りをしようとしています。そして、裏取り中のイカさんがいるブルーチームは3vs4の「数的不利」で前線を支えている状態です。この「味方に負担をかける数的不利」こそが裏取りのデメリットです。

 同じ強さのイカさん同士が戦えば数の多い方が有利なので、多くの場合に前線は「数的不利」によって崩壊し、相手に【ガチ行動】のチャンスを与えてしまいます。

 この場合、裏取りにいったプレイヤーは「味方がデスした後の戦場」に到着するので、必ず数的不利の状態から戦闘がはじまり、序盤のイニシアチブをみすみす相手に譲る結果になるのです。

 また、裏取りを警戒している敵に待ち伏せされた場合には、そもそもの奇襲のメリットは消滅し無駄デスする可能性が高くなります。

❹開幕裏取りのリスク

 中国春秋時代の兵法書「孫子の兵法【第六章・虚実篇】」の一節で孫子はこう言っています。

出典|孫子の兵法(第六章・虚実篇)

孫子曰、凡先處戰地、而待敵者佚、後處戰地、而趨戰者勞

現代語訳

ちーっす!孫ちゃんだよ♪戦争するなら先に戦場にいる方が良くね?その方が楽っしょ?てか、敵より遅れて戦場くるとか無くね?なくなくね?慌てて戦うのもダルいっしょ?ダルビッシュと川端康成www 似すぎてビビるwww。

※実際の孫子はチャラくありません。

 この一節で孫子がいう「戦場」とは最初に前線になると予測している場所のことなので、『ガチエリア』ならエリア周辺、『ガチホコ』『ガチヤグラ』ならホコとヤグラ周辺のことです。

 つまり、敵よりも早く「前線になるであろう場所」に到着し、有利な場所に陣取って敵を向かえ撃つ方がいいと孫子はいっています。

 この考え方は、孫子に限らず多くの兵法家がいっているので、定石中の定石※2であるといえます。

※2 定石:囲碁で、最善とされる決まった打ち方。転じて、物事を処理する時の決まったやり方。

 対して「開幕裏取り」は前線への最短ルートではなく、裏ルートから迂回して回り込むことになるので、孫ちゃんのアドバイスとは真逆の行動になります。

 多くの場合、相手に【ガチ行動】のチャンスを与えるので悪手といえるのですが、「定石を逆手に取ること」こそが奇襲の本質なので、ある意味「最大の奇策」ともいえます。

 ただし、ハイリスクであることは間違いありません。

❺裏取りは有り?無し?

「孫子の兵法【第五章・勢篇】の二節」で孫子はこう言ってます。

出典|孫子の兵法(第五章・勢篇)

孫子曰、凡治衆如治寡(略)、凡戰者、以正合、以奇勝、故善出奇者、無窮如天地、不竭如江河、終而復始、日月是也、死而復生、四時是也、聲不過五、五聲之變、不可勝聽也、色不過五、五色之變、不可勝觀也、味不過五、五味之變、不可勝嘗也、戰勢、不過奇正、奇正之變、不可勝窮也、奇正相生、如循環之無端、孰能窮之

現代語訳

オッス、オラ孫子。今から「正攻法」と「奇策」の話をすっぞ。戦いはだいたい正攻法で始まるけど、最後に勝敗を決めるのは巧みに繰り出す奇策だぞ。奇策が得意な奴のアイデアは、太陽と月が巡るみてぇに止めらんねぇぞ。音楽とか色とか味みてぇに、組合せで無限のバリエーションが生まれっからな。それと同じで、戦いには「正攻法」と「奇策」しかねぇけど、これをうめぇこと組み合わせることで、無限のバリエーションが生まれて、キリがねぇからオラもう寝る。

※実際の孫子は悟空ではありません。

 裏取りは「奇策」のひとつです。

「ひたすら裏取りを繰り返す」のも、逆に「まったく裏取りをしない」のも、相手チームに簡単に対応されてしまいます。

 でも、「絶妙なタイミングでの裏取り」には相応の効果があるかもしれません。

❻味方が裏取りに行ったら?

 開幕や数的不利の状況で味方が裏取りに行ってしまったら、無理をして敵を倒すよりも時間をかけて前線を維持することを意識してみましょう。

 このとき、裏取りに行った味方が「敵に待ち伏せされている」なら、前線も 3vs3 の数的同数なので問題ありません。余裕があれば待ち伏せしてる敵の注意を引いてあげたり、ポイントセンサーを投げてあげましょう。

 しかし、何度も裏取りのサポートをしても効果が見込めない場合は、裏取りを繰り返す味方をデコイ(囮)として利用するしかありません。

 そして、コントロールできない味方の「裏取り」よりも、コントロールできるアナタの「メンタル」の方が100倍大切なので、裏取りに失敗する味方がいても腹を立てず、最後までクールにタチマワリましょう。

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