CHAPTER 4-2

ガチホコの基本戦術

 4人がそれぞれ好きな時にガチ行動を取れる「ガチエリア」と「ガチアサリ」は『全員でガチ行動をした方がカウントを削りやすい』という特徴があるのに対して、ガチ行動を1人(しか)担当できない「ガチホコ」と、1人(でも)担当できる「ガチヤグラ」は『役割を分担した方がカウントを削りやすい』という特徴があります。

 この特徴から、ガチホコやガチヤグラの方がより『チームワーク』を必要とするルールであると言えるのではないでしょうか。

 ウンコみたいな上司のせいで「自分はドジでノロマなイカなんです」と思っているイカさんは、ホコを持つ事に対しても少し苦手意識があるかもしれませんし、「味方に迷惑をかけるのは絶対に嫌だ」思っているタコさんは、金属アレルギーを言い訳にしてホコを持たないかもしれません。

 でも、ゲームだから失敗しても大丈夫なんです。まずは基本戦術から考えていきましょう。

❶【基本戦術】:最短で終わらせる

 孫子の兵法【第二章・作戦篇】の一節を、孫子はこう締めくくっています。

「故兵貴勝、不貴久」

(故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず) 

 現代語に訳すと「戦いは勝てばいいナリ、さっさと終わらせるナリ」って程の意味になり、孫子はこの章で「多くの事を求めて長期戦になっても良かった事はない」とも言っています。

 スプラトゥーンに置き換えると、「無駄に戦いが長引くと味方の集中力が切れて、後半は押し負けるかもしれない」とか、「お母さんがガチマに篭ると家が回らなくなるので、そろそろお米を洗って炊飯器のスイッチを入れた方がいい」という感じでしょうか。

 ガチルールの中で「最も早くバトルを終わらせる事が出来る」のはガチホコです。お気に入りのホコルートやキルレに拘らず、「最短で勝つこと」に拘ってみましょう。

 また、味方の集中力が高いうちに「最短でノックアウトを狙う事」はガチホコの勝率を上げるコツなので、少しくらい納得のいく形ではなかったとしても「早く終わる方法」をチョイスする事をガチホコの基本戦術とします。

❷ガチホコの優先順位

 では、イカスミ流の真骨頂「優先順位」を使って分析してみましょう。ガチホコの優先順位はこうです。

得たい結果→【ホコをゴールに置く】

優先順位①【モツ】

■ホコを持ってゴールに運ぶ

優先順位②【ヌル】

■味方がホコを持っていたらゴールまでのルートを塗る

優先順位③【キル】

■敵が邪魔でホコが進めないなら倒す


 知識や経験は豊かな方が良いですが、考え方はシンプルな方があれこれ迷わなくなって良いのです。

「自分は言われた事しかできない」と思い込んでいるイカさんは、どんなルールであったとしても「得たい結果」から逆算した『優先順位』を意識してみてください。

 最初は難しく感じかもしれませんが、根気よく続けているうちに「今は何をする時かな?」を考える事に慣れてくるので、「自分で仕事を見つける事」が得意になります。

 また、いつも20キル取ってるのにウデマエが上がらないイカさんは、優先順位がキルに偏っているからかもしれません。

得たい結果→【目先の勝利】

優先順位①【とにかくキル】

■とりあえず敵がいれば倒す

優先順位②【とにかく前線を上げる】

■ホコを味方に押し付けてとにかく前線を上げる
※ホコ持ちが孤立しやすくホコを失いやすい

優先順位③【めっちゃカモンする】

■ホコが来ないとイライラしてカモンする
※ホコルートに敵がいる事に気が付いてない
※ホコ持ちがプレッシャーを感じる
※味方がホコを持ちたくなくなる

優先順位④【とりあえずヌル】

■ルートの塗り方が雑
※ホコルートの壁に塗り残しがあったり、敵に塗り返されている事に気が付いてない
※ホコ持ちがホコショで塗り直す必要があるのでホコの足がいちいち止まる

優先順位⑤意味のない【キル】

■敵を見つけるとキルするかデスするまで追いかけ回してしまう
※全体の状況を把握できていない
※今やるべき仕事を放棄してしまう

❸ホコは0キル0デスが理想

 シャチョホコが1度もホコショを撃たないで、0キル0デスのままゴールする事がガチホコの理想の勝ち方です。ブチョホコがルートを作り、カチョホコがホコを守り、シャチョホコはただ運ぶだけの形ですね。

 もっと言うと、自陣側や「ホコルート上に居ない敵」は倒さない方が良いのです。何故なら、倒した敵は必ず敵陣(ゴール側)から復活するので、ホコルートに居なかった敵をわざわざルート上に出現させる事になるからです。

 故に闇雲に敵を追いかけ回してキルしたり、とにかく前線を上げるだけの立ち回りは、ゴールを目指す味方の前に次々と敵を集めている可能性があり、悪手であると言えますし無駄な仕事をしている事にもなります。

 ちなみに、ガチホコでは敵が開幕裏取りに来たら大チャンスです。先にホコを割って敵のいないルートをブチョホコ&シャチョホコでぶっちぎり、後ろから追いかけてくる敵に対してカチョホコを2人作って【ディレイ】すれば双方0キル0デスでバトルを終える事も不可能ではありません。

ガチホコはキルじゃない」とよく言われる所以は、この究極の勝ち方からも窺い知る事ができます。

巻末コラム

第一回「水槽の泡」

 ikaPhone や ikaPad など、革新的な製品を生み出し続ける Hyopple computer(ヒョップル・コンピューター)の創始者「スティーブ・ヒョブズ」を知らないイカはいないだろう。海女美術大学卒業式のスピーチで、「未来を見て、点を結ぶことは出来ない、過去を振り返って、点を結ぶだけだ・・・こうして、こうして、こう・・・」と、手にしたバナナに見事なバナナートを描いた話は、今でも伝説として語り継がれている。

 シャチョホコの名手としても名高いヒョブズ氏の強さの秘密に迫る為、記念すべき第一回である今回は、ヒョブズ氏の逸話の中で最も有名な「水槽の泡」について話したいと思う。ちなみに、企画当初のコラムタイトルは【イカベーションの軌跡】だったのだが、どういう訳か、お嫁ちゃんに「ひょうかさん(ヒョブズ氏のモデル)下ネタ嫌いと思うよ?」と言われ、「えっ、ぜんぜん下ネタじゃねーし」と反論したが、そう言われるとそうとしか思えなくなったので止めた。

 ヒョップル社が ikaPod(小型音楽プレイヤー)の開発をしていた頃、開発チームはヒョブズ氏の小型化への強い拘りに答える為、考えられる限界まで小型化した試作機を完成させた。エンジニアが試作機をヒョブズ氏に見せた所、ヒョブズ氏は試作機をいろんな角度から眺めたり、手のひらで重さを確認したりした後、「却下だ。もっと小さくできる」と言い放った。

 エンジニアは「ここまで仕上げるのに何度も試作機を作りました、これ以上小さくするなんて不可能です。ずっと研究に研究をかさねて、昨日からガムしか食べてません」と弁明する。ヒョブズ氏はしばらく黙ったまま試作機を眺めていたが、突然立ち上がると、部屋にあった水槽に歩み寄り、試作機を水槽の中へドボンと入れてしまう。試作機は沈みながらブクブクと気泡を出した。ヒョブズ氏はその泡を見つめながら静かに呟いた。

「こいつ、生きてるぞ・・・」

 試作機にエサをあげようとするヒョブズ氏の背中に、イノベーションのなんたるかを垣間見たエンジニアは、「やります!もっと小さくします!」と ikaPod の超小型化に成功したという。

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