タチマワリ【ガチホコ篇❺】
CHAPTER 4-5
カチョホコ(ホコの護衛)
カチョホコ
【仕事】シャチョホコのサポート
【キル】
【視野】
【機転】

3つの役割の中で最も人気の無い担当がカチョホコです。しかし、学生時代アメフト部でプロテインを水みたいに飲んでいた人はカチョホコの重要性をよく知っています。
全ての状況を判断する視野と、全ての役職を代行できる知性を兼ね備えた、最もイカフェッショナルに担当して頂きたい役割がカチョホコであり、チームの勝利を影で支える「鯔背(※)なポジション」なのです。
シャチョホコ(ホコの運搬)に慣れてきたら「味方がホコを持った時」は、是非とも率先してカチョホコを担当して頂きたいと思います。
※鯔背(いなせ):江戸時代の美的観念のひとつ。粋(いき)で、勇み肌で、さっぱりしているさま。
❶カチョホコの仕事
シャチョホコはホコを担ぐ時「60カウント後に必ずデスする運命」も同時に担ぎます。そして「敵の標的になり続ける運命」も背負います。
悲しいシャチョホコ、
シャチョホコ悲しい。
つまり、シャチョホコは最もデスしやすい役割なのです。
そして、ブチョホコが完璧なホコルートを開拓しても、シャチョホコがデスすると絶対に勝つ事が出来ないのがホコルール。
だから、カチョホコは立ち上がります「オレ達は運命に抗い続ける」と。
シャチョホコがデスする理由
- 敵にキルされた
- ステージ外に落ちた
- 60カウント経過した
これら全てからシャチョホコを守ることがカチョホコの仕事です。つまり、
- ホコ持ちがキルされないように守る
- ホコ持ちが安全に移動できるように塗る
- ホコ持ちを60カウント以内にゴールさせる
こんなに頑張っているのに、あんまり気付いてくれる人がいない「渋い役割」がカチョホコなのです。
ちなみに店長は前作で上手なカチョホコを見つけたら必ずフレリクを送っていました。何故なら「カチョホコが上手な人はだいたい性格が良い」からなのです(店長調べ)。
❷まず状況を把握する
アナタが「カチョホコを担当している」という事は、誰かがホコを担ぎ、誰かが敵陣へ向かってルートを塗っているという事でしょう。
大至急、以下の状況を把握しましょう。
- ①ブチョホコが選んだホコルート
- ②シャチョホコが選んだホコルート
- ③敵軍の配置
【パターンA】:①と②が同じ
ブチョホコとシャチョホコが選んだルートが一致していれば、敵軍の配置を見て「最もホコを守りやすい位置」にポジショニングしましょう。
この時、最も優先するのは「ホコ後方の安全」です。今作のホコショは強いのでホコ前方の敵は短時間ならホコ持ちに任せても良いのですが、前作より背後が弱いので「シャチョホコの後方の敵」は基本的にカチョホコがマッチアップする意識でいると、ホコを奪われにくくなります。
前作ではホコの後ろに隠れている味方を「ホコのフン」と呼び、ホコの前に出る事こそを良しとしていましたが、今作では上手なカチョホコほどホコの後ろに立っています。
そうです「自陣側にホコショを撃たせる」のはカチョホコ最大の恥なのです。
しかし「シャチョホコの周りに敵がいない」のにずっとホコの後ろにいる場合は今作でも「ホコのフン」です。ホコ周りの安全が確保できているなら、シャチョホコがスムーズに進めるように前に出てクリアリングしましょう。
そして再び敵の接近を察知したなら、すぐにホコの護衛に戻ります。
【パターンB】:①と②が違う
シャチョホコが独自に違うルートを進もうとしている場合、または、ブチョホコが先行し過ぎて「ホコルートが薄い」場合は、大至急カチョホコの役割を放棄して、アナタが「ブチョホコ代理」を買って出ます。【ガチホコ篇❹】ブチョホコ(ルート開拓)を参考にシャチョホコを先導しましょう。
この「役割を替えるジャッジの早さ」はイカフェッショナルに必要な資質なのですが、「判断」が早くても役割を実行できなければ意味がないので、すべての役割を担当できるようにリグマやプラベで練習しておきましょう。
❸出来るカチョホコは無駄なキルをしない
カチョホコの最優先事項は「シャチョホコをデスさせない事」です。逆に言うと「シャチョホコがデスする危険がひとつも無い」状況にカチョホコの用事はありません。
- シャチョホコを攻撃できない射程にいる敵
- カウンターを狙って自陣を荒らしている敵
こういった「シャチョホコのデスに無関係な敵」はカチョホコの業務外なので、遥か彼方にいるチャーやハイドラを見つけては出張したり、自陣を荒らしている敵を見つけては追い回したりすると、敵のミスで発生している「数的有利」をみすみす無駄にしてしまいます。
そして「シャチョホコのデスに無関係の敵」を無闇にキルすると、その敵は必ずホコが向かっている「ゴール側」からリスポンするので、先行しているブチョホコの前に敵を量産している事になります。
「孫子の兵法【第八章・九変篇】の一節」で孫子も「やらない方が良い仕事があります」って言ってます。
「孫子曰、塗有所不由、軍有所不撃、城有所不攻、地有所不爭、君命有所不受」
(塗に由らざる所あり。軍に撃たざる所あり。城に攻めざる所あり。地に争わざる所あり。君命に受けざる所あり)
「孫子だドン♪道(塗=みち)の中には通ってはいけない道があるんだドン♪敵の中には攻撃してはいけない敵がいるんだドン♪敵の城でも攻めてはいけない城があるんだドン♪敵陣だからって塗ればいいってもんじゃないんだドン♪たとえ君主の命令でも受けてはいけない命令があるんだドン♪(会社だとややこしくなるからすぐに受けるドン♪)・・・それじゃ〜難しさを選んでね〜♪・・・難しぃぃぃ♪・・・・曲をえらんでね〜♪・・・にんじゃりばんば〜〜〜ん♪」
このように、牽制するだけでシャチョホコが守れる場合や、スルーしても問題ない敵の場合は「無理にキルを取りに行かない方が良い」ときもあります。
自軍がキルレで圧倒しているのにノックアウト出来なかった時、「もっと早く勝てたかもしれない」と思えたら、アナタはもう立派なイカフェッショナルです。
❹ガチホコのフォーメーション
スプラトゥーンは4人チームなのに、役割が3つしか無いなんて「数が合わないじゃあないか?」と、モヤモヤして夜しか眠れないアナタに、突然「サッカーのフォーメーション」についてお話しましょう。
サッカー中継とかで1度は耳にした事があるはずの【4-4-2】とか【3-5-2】とかのアレです。
この数字は左から「DF(守備メインの選手)の数」-「MF(攻守両方やる選手)の数」-「FW(攻撃メインの選手)の数」を表しています。「GK」は必ず1人なので省略されています。
世界で初めて「サッカー協会」が設立された1860年頃は【2-1-7】というフォーメーションが主流だったそうです。「攻撃する人数が多い方がいっぱい点入るんちゃうん?」というシンプルな考え方だったんですね。7人で攻めてくるのに、2人でどうやって守っていたのでしょうか。
時は流れ1958年、サッカーの神様「ペレ」がブラジル代表の時代、世界ではオフサイドのルールに対応した【3-2-5】が主流でした。しかし、ペレを擁する超攻撃的なブラジル代表は「ペレさんがおったら、FWを4人に減らしても勝てるんとちゃいます?余った1人を守備に回したら最強ちゃいます?」と、【4-2-4】という画期的なフォーメーションでW杯(スウェーデン開催)で初優勝しちゃったのです。
この【4-2-4】は「えぇやん、ブラジルめっちゃえぇやん」と、みるみる世界に広がりトレンド入りします。
さらに時は流れ、1962-63年のチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)では、ACミラン(イタリア)が、「おもろい事思いついたで!守備の時は相手のFWの数より1人多いDFで守ったら失点しにくいんとちゃうか?攻撃は・・・まぁ頑張ろな!」という超守備的戦術で初優勝。堅守イタリアサッカーの代名詞「カテナチオ」が誕生したのです。
サッカーのフォーメーションの歴史を振り返ると、「チームのメンバーの個性に合わせたフォーメーション」や「時代の主流に対抗したフォーメーション」等で常に変化している事が分かります。
実は、ガチホコにもフォーメーションがあるのです。【1-2】と【2-1】と【3-0】です。左から「カチョホコの数」-「ブチョホコの数」です。「シャチョホコ」は必ず1人なので省略されました。
攻守のバランスが良い基本フォーメーションは【1-2】です。しかし、戦力が拮抗していたり、相手の戦力(個の力)が上だった場合は、必然的に「自軍がホコを担ぐ回数が少なくなる」ので、守備的な【2-1】の方が有効かもしれません。
また、あえてブチョホコを置かない超守備的な【3-0】でホコを担ぐ時間を増やし、亀のように遅攻する方が勝機を見いだせる場合もあります。
時代遅れの【0-3】でゴリラのように攻めてくる相手が来てもヘッチャラです。なぜなら、こっちには「カチョホコ」のアナタがいて、元日本代表の長谷部選手のようにチームの攻守のバランスを絶妙に整えるのですから。
巻末コラム
※取材嫌いで有名なヒョブズ氏が、過去に一度だけOKした「月刊セパタクロー」の記事で、お笑いコンビ「サンドバックマン」の伊達ミキさんとの対談より。
伊達ミキ「セパタクローはよくご覧になるんですか?」
ヒョブズ「いや、一度もないね」
伊達ミキ「えっ、一度もないんですか?」
ヒョブズ「いや、むしろ、セパタクローなんてバンド聞いたこともないね」
伊達ミキ「えっ、やばいこの人。セパタクローはスポーツですよ?えっ、どうしてこの雑誌の取材を受けたんですか?」
ヒョブズ「タクローのギターが好きだからね」
伊達ミキ「あ、GLAYですか、懐かしいですね」
ヒョブズ「吉田の方だね」
伊達ミキ「えっ、そっちのタクローですか?吉田拓郎のギターが好きってあんま聞かないですけど」
ヒョブズ「そうなの?」
伊達ミキ「まぁ、正直、吉田拓郎あんまり知らないんですけどねwww」
ヒョブズ「お前の頭を水槽に沈めて泡ふかせて小型化してやろうか!」
伊達ミキ「えっ、怖っ。えっ、急にどうしたんですか?」
ヒョブズ「ヒョブズジョーク♪」
伊達ミキ「びっくりした。なんだ、ジョークか」
ヒョブズ「特に代表曲の『クリスマス・イブ』のギターソロが好きだね」
伊達ミキ「それ、タツローじゃないですか?」
ヒョブズ「そうなの?」
伊達ミキ「クリスマス・イブは山下達郎ですよ。それにあの曲ギターソロ無いですよ」
ヒョブズ「あるよぉ。パパ〜パ〜♪パパ〜パ〜♪ってやつ」
伊達ミキ「それ、コーラスですよ。パパ〜パ〜♪って口で言うやつですよ」
ヒョブズ「そうなの?」
伊達ミキ「パパ〜パ〜♪って自分で歌ってたら分かるでしょ?そのまんまなんですからwww」
ヒョブズ「お前の尻の穴にスマホを突っ込んで『ヘイSiri』って言わせてやろうか!」
伊達ミキ「えっ、怖っ。えっ、どうしたんですか?」
ヒョブズ「ヒョブズジョーク♪」
伊達ミキ「怖ぇなヒョブズジョーク、急に来るから怖ぇな」
ヒョブズ「最近・・・車を買い替えたんだよ」
伊達ミキ「へぇ、どんな車ですか?」
ヒョブズ「ドアがさ、縦にさ・・・あれ?・・・何て言うんだっけ?」
伊達ミキ「えっ、なんですか?」
ヒョブズ「ドアが縦に開くんだよ、あれ?・・・何て言うんだっけ?こーゆうの」
伊達ミキ「縦に?あ、昔のスポーツカーによくあったやつですね、えーと、あれだ」
ヒョブズ「ジュディウォング」
伊達ミキ「ガルウィングですね。ジュディウォングさんの衣装に似てますけど。そんで出てくる単語が全部古いな」
ヒョブズ「ガルウィング?」
伊達ミキ「ジュディウォングはこう、羽根が開く歌手でしょ。こう、ふわーってwww」
ヒョブズ「ちょっと何言ってるかわかんない」
伊達ミキ「なんで何言ってるかわかんないんですか。ヒョブズさんがジュディウォングって言ったんでしょうよ」
ヒョブズ「ジュディウォングの羽根を丸めて直径13.5cmのボールにしてバドミントンと同じ広さのコートに球速140kmを超えるローリングアタックでシュートしてやろーか!」
伊達ミキ「いや、セパタクロー好きなんじゃねーか。もういいぜ」