トランジション(攻守の切替)

CHAPTER 4-6

 ここまでずっと都合よく「自軍がホコを担いでいる状況」を前提にお話して来ましたが、実際のバトルでは「敵軍がホコを担いでいる状況」だってあります。

 というか、ウデマエメーターにヒビが入って、泣きながらイカスミカフェに駆け込んできたイカさんタコさんには、「えっ、ずっと敵がホコ持ってたしっ!明日から【ミカタがみんな3さい】に名前かえるし!」という方が多いかもしれません。

 ガチホコ篇の最後は、攻撃と守備と冷静と情熱のあいだ「トランジション(攻守の切替)」で締めくくりたいと思います。

  1. トランジションってなーに?
  2. ネガティブ・トランジション
  3. ポジティブ・トランジション
  4. ガチホコのまとめ
  5. 巻末コラム【最終回】
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❶トランジションってなーに?

※トランジション【Transition】:過渡期・移行・変化

 なんと、ガチホコには3つの局面しかありません。すなわち、自軍がホコを担いでいる【攻撃フェーズ】と、敵軍がホコを担いでいる【守備フェーズ】そして、それぞれが切り替わる瞬間である【トランジション】です。

 トランジションには「ホコを奪われた瞬間」から「味方の守備陣形が整う」までの【ネガティブ・トランジション(ネガトラ)】と、「ホコを奪った瞬間」から「味方の攻撃陣形が整う」までの【ポジティブ・トランジション(ポジトラ)】の2種類があります。

【トランジション】という言葉は、攻撃と守備が激しく切り替わるフットサルやバスケで昔から使われているスポーツ用語ですが、映画等でシーンが少しずつ切り替わる効果を指す言葉が由来なのです。

 最近は海外サッカーの中継でもよく耳にするようになりました。イタリアではトランジツィオーネって言いますが、ツバが飛んで画面が汚れるので声に出して言うのはやめ・・・ほらぁ・・・。

 ガチホコにおいての、「攻撃フェーズ」と「守備フェーズ」は野球のように順番に入れ替わるハッキリしたものではなく、「常に切り替わり続けながら」試合が進行していきます。

 そして、立ち回りが最も不安定になり、コントロールを失いやすいのが、この「攻守が切り替わる瞬間」です。

 つまり、ガチホコルールでは、トランジション中に生まれる「戦術的空白」を、攻撃側と守備側の「どちらが先に埋められるか」が大きなテーマなのです。

❷ネガティブ・トランジション

【攻撃→守備】

 ホコを奪われた瞬間にチームがやるべきことは「迅速に守備陣形を整えて、ホコを奪回する条件を整えること」です。

 アナタが敵軍シャチョホコのライン(位置)より自陣側にいるなら、敵軍シャチョホコにプレッシャーをかけたり、味方と連動してホコルートを切ったりして「敵軍にカウンターのチャンスを与えない」ように、敵軍の攻撃行動を遅らせます。

 逆に、敵軍シャチョホコのラインより敵陣側にいるなら速やかに帰陣して守備陣形に加わります。

 そして、ホコを失ったのがアナタ自身ならば、当然、リスポン地点から最短の方法(可能であればスパジャン)で守備陣系に加わります。

 このように【攻撃→守備】へと切り替わるネガトラには時間がかかります。なぜなら「ホコを奪われる=ホコ持ちがデスしている」ので多くの場合「数的不利」からトランジションが始まるからです。

 また、敵軍シャチョホコのラインより自陣側に「アナタしか居ない場合」は、積極的にホコを奪おうとすることは自殺行為に近いでしょう。なぜならそれが失敗した時に大量リードを奪われるリスクが非常に大きいからです。

 相手がよほど弱い場合でない限りは、守備陣形が整うまでディレイ(※)を使う等して、相手の攻撃を遅らせる事に注力し、味方の到着を待ちましょう。
※ディレイ=「数的不利の戦い方」参照

「孫子の兵法【第七章・軍争篇】の四節」で孫子もこう言ってます。

「無邀正正之旗、勿撃堂堂之陳、此治變者也」

(正々の旗を邀うることなく、堂々の陳を撃つことなし)

【現代語訳】「孫子なんよぉ。敵の旗がピシッと整ぅとる時は攻めんようにしとるんよぉ。敵の布陣が堂々としとるときも攻撃せんようにしとるんよぉ。そうそう、こういう時の敵軍はヤル気マンマンだから戦っても勝てんのよぉ。便利だから毎日つこうとるんよぉ。貴様は?」

 自軍の攻撃フェーズでアナタがブチョホコを担当していたとして、自軍シャチョホコが倒され、ネガトラ中に敵陣奥深くにいたとしても「速やかに帰陣」するべきです。状況を見て、リスポン地点にスパジャンで帰る方が速いならそうしましょう。

 現代サッカーでも「FWは守備をするのが当たり前」なのですが、グラディエイカーやバーサクイカにはこれが出来ないので、戦力差があるときに普通に負けてしまいます。

「走らなければ数的有利は作れない」と、稲本潤一(サッカー)も、中田英寿(旅人)も言っています。

 面倒臭がらずに、何度でも走って戻りましょう。もし、リスキルで勝てる戦力差だったとしても、みんなで走ればもっと早く勝てるかもしれません。

❸ポジティブ・トランジション

【守備→攻撃】

 自軍がホコを奪った瞬間にチームがやるべきことは「迅速に攻撃陣形を整え、シャチョホコが進む条件を整えること」です。

 アナタがホコを担いだなら素早くブチョホコを見極めて付いて行きましょう。味方がホコを担いでくれたけど、ブチョホコがいなければアナタがルートを開拓しましょう。まだホコ周りに敵が残っているのならカチョホコ担当です。

 このように、状況に合わせて自分の役割を速やかに切り替え、最短で攻撃陣形を整える事がカウンターを成功させるコツです。

 ポジトラに時間をかけてしまうと、相手の守備陣形が整ってしまうので、カウントを削る前にホコを失ってしまいます。

 ガチマで「自分がホコを担ぐ」という行動は、自動的に「味方にはその他の役割を促す」事になるので、攻撃陣形を整える時間を短縮する効果があります。

 自分と同じくらい素早くホコを担ぐ味方がいない限り、積極的にホコを担ぐことでカウンターのチャンスを失うミスが減ります。

 逆に、ポジトラを急ぎすぎて「攻撃陣形が整わないうちに攻める」のも良くありません。

 敵のシャチョホコを倒してブチョホコを担当するまでは良いですが、ホコバリアも割らずに単独でルートを塗り進めても、せっかく出来た数的有利が無駄になり、相手に守備陣形を整える時間を与えてしまうので、結局はホコを奪われて自陣に戻る結果に終わるでしょう。

 どうしてもブチョホコを担当したいのであれば、せめてシャチョホコの準備が整うのを見届けてからでも遅くはありません。

 MFがパスを出せないタイミングで裏に抜けようとするFWは、オフサイドを連発するチームの迷惑でしかないのです。フィリッポ・インザーギ(元ACミランの伝説的ストライカー)のように、絶妙なタイミングで走り出すブチョホコを目指しましょう。

❹ガチホコのまとめ

 さて、ガチホコ篇はこれで終わりです。何度も読み返して自分の「考え方」に取り入れる事ができれば必ずウデマエXは達成できますし、応用する事が出来れば、その先に進む事が出来ると思います。

 大会入賞を目指すチーム戦術では、一番強い人が積極的にブチョホコを担当する方が合理的です。しかし、役割を固定する事でホコが進まないのはナンセンスなので、状況によって、全員がすべての役割を担当できるチームの方が、対戦相手からみれば嫌なものです。

 ガチマ中心のソロプレイヤーは、マッチングされた敵味方の個性を早い段階で見極め、自分が担当するべき役割を判断する事が勝率を上げるコツです。

 また、自分より強いイカにホコを担がせるのは自軍の攻撃力を最大限に活かせませんし、逆に自分より強いイカがいなければ、味方がホコを担いでくれた時が最強の攻撃フェーズになるでしょう。(とは言え、ホコを放置してはいけません)

 敵のキープレイカーを見極めて自由に仕事をさせないようにする事もイカフェッショナルの仕事です。個人的には、状況に合わせてどの役割にも即座に移行できる「カチョホコを極める事」がマッチングに左右されずに勝率を安定させる近道だと思っています。

 そして、ウデマエメーターが割れる事を恐れてはいけません。筋トレと同じで「上がる下がるを繰り返して本当の力がつく」のですから。

 おや?ステ変の時間ですね、さぁ、ホコを担ぎに行きましょうか♪

巻末コラム

「イノベーションの軌跡」

最終回「ヒョブズの最後の言葉」

 記録に残っているヒョブズ氏のスピーチの中で最も新しいものは、ヒョップルコンピューターの共同創立者「イカすマセニアック氏」の結婚式でのスピーチだろう。イノベーションの軌跡、最終回の今回は友人代表として会場を感動の渦に巻き込んだヒョブズ氏のスピーチ【3つの袋】の全文を紹介しよう。

「えー。仕事以外のスピーチはちょっと慣れてないので緊張しています。・・・あ、マセニアック、今日は本当におめでとう。・・・じ、人生には大切にしなければならない【3つの袋】があります。一つ目の袋は【堪忍袋】です。堪忍袋の尾が切れるという諺がありますが、怒りや不満などの感情を堪忍袋に吐き出して溜め込むことで我慢をするという袋です。・・・で、でも、あんまり我慢しすぎると【胃袋】が悪くなって【おふくろ】にも心配をかけますし、最悪入院することになったりすれば【給料袋】がいくつあっても足りません。我慢は良くない・・・ふ、二つ目の袋は・・・えっ、あれ?・・・えっと・・・あっ!【子袋】です。コブクロは黒田俊介と小渕健太郎のフォークデュオでワーナーミュージック・ジャパンが所属レーベルです・・・ア・・・レ?・・・黒田俊介が大きい方です・・・絢香さんとコラボして、曲がりくねった道の先についに見かけなくなりました・・・一緒にやっていくと決めた2人なら、余計な事を考えずに最後まで添い遂げるべきだという教訓ですし、小さい方がソロアルバムを出した時点でなんか嫌な予感はしていました。・・・み、三つ目の袋は・・・【シマフクロウ】です・・・。北海道のごく限られた地域・・・南鳥島などに生息していて天然記念物にも指定されています。・・・こんな、こーんな大きいのに魚を食べるんですよ!捕食方法はワイルドで、こーやって足から川に飛び込んで、こーやって魚を鷲掴みにします!鷲掴みwwwwwフクロウなのにwwwww・・・・・乾杯っ!!」

 マセニアック夫妻は人生の壁にぶち当たる度に、このヒョブズ氏のスピーチのVTRを観て元気をもらい、いつまでも仲良く幸せに暮らしたそうです。

0123456789 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ もくじ
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CHAPTER 1
タチマワリ【始計篇】

  1. イカスミ流タチマワリ
  2. ウデマエは飾りです
  3. タチマワリってなーに?
  4. イカタイプ(全9種)
  5. イカフェッショナルのすすめ

CHAPTER 2
タチマワリ【基本篇】

  1. ガチルールの難易度
  2. 前線という概念
  3. 裏取りという戦術
  4. ブキの話
  5. リザルトの話

CHAPTER 3
タチマワリ【ガチエリア篇】

  1. ガチエリアの基本戦術
  2. 自軍がエリアを制圧したら
  3. 敵軍がエリアを制圧したら
  4. 必ず勝つ3つのパターン
  5. 数的有利
  6. 数的不利

CHAPTER 4
タチマワリ【ガチホコ篇】

  1. ガチホコの3つの役割
  2. ガチホコの基本戦術
  3. シャチョホコ(ホコ持ち)
  4. ブチョホコ(ルート開拓)
  5. カチョホコ(ホコの護衛)
  6. トランジション(攻守の切替)

CHAPTER 5
タチマワリ【ガチヤグラ篇】

  1. ガチヤグラの3つの役割
  2. ガチヤグラの基本戦術
  3. ソイヤ (ヤグラ乗り)
  4. ワッショイ(ルート確保)
  5. ラッセーラ(チョイ乗り)
  6. エッサ・ホイサ(スイッチ)

CHAPTER 6
タチマワリ【ガチアサリ篇】

  1. ガチアサリの4つの役割
  2. ガチアサリの基本戦術
  3. ガチアサリのオフェンス
  4. ガチアサリのディフェンス
  5. ガチアサリのプチ戦術
  6. ガチアサリのフォーメーション
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