敵軍がエリアを制圧したら

 前項で「自軍がエリアを制圧するととてつもなく有利になること」をお話しましたが、敵軍にエリアを制圧されるとまったく逆のことが起こります。

 つまりこうです。

「もうやだお家に帰る」

 両軍の戦力が同じなら「エリアの勝ち方を知っている方」がエリア制圧に成功する頻度が高くなりますが、両軍が「エリアの勝ち方を知っている場合」は、残念ながら「強いイカがいる方」がエリアを制圧する頻度が高くなります。

 ちなみに敵軍にエリアを制圧されるとこうなります。

エリアを制圧されるデメリット
  • エリアを塗り返しながら戦う
  • エリア内を移動できなくなる
  • 敵に先手を取られやすくなる
  • 敵が死角から現れやすくなる
  • 数的不利になりやすくなる
  • 心理的劣位に立たされる

 そうなんです、良いことはひとつもありません。そのうえ戦力的に不利なマッチングのときに「敵軍にエリアを制圧された状態から戦うこと」になれば、勝つことはさらに難しくなるので絶対に避けなければいけません。

 でも大丈夫、取られたものは取り返せばいいのです。

❶エリア奪還時の優先順位

 相手にエリアを制圧されたときは、その後の相手の行動を見ながら臨機応変に優先順位を変えてみましょう。

【A】制圧前と制圧後で変化が無い

 この場合の敵軍は「エリアの勝ち方を知らない」可能性が高いので、こちらが戦力的に劣っている場合でも、エリアを制圧した状態で戦えば勝機を見出すことが可能です。

得たい結果【エリアの奪還】

優先順位①【ヌル】
  • エリアを塗り返す
  • 死角から接近する敵に注意
優先順位②【キル】
  • 敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【B】いっきに前線を押し上げてきた

 このパターンの相手も「エリアの勝ち方を知らない」可能性があります。自分が交戦中でなければ、素早く裏に抜け「まずカウントを止める意識」でエリア奪還にチャレンジしてみましょう。

 エリアを取るやいなや「いっきに前線を押し上げてきた場合」エリア周りにはインクのバリケードが張られていないので、敵の裏に抜けさえすれば奪還は容易です。

得たい結果【エリアの奪還】

優先順位①【ヌル】
  • エリアを塗り返す
  • 敵陣側から塗り返す
  • リスポンした敵に挟撃されないよう注意
優先順位②【キル】
  • 敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【C】塗り固めつつ前線を押し上げてきた

 なんと、相手に「エリアの勝ち方を知っている」イカさんがいます。バリケードを張りながら立ち回っているイカさんを見つけたら「キープレイカー」として『マーク』しましょう。そして、バリケードが完成する前に「カウントを止めること」にチャレンジしてみましょう。

得たい結果【カウントを止める】

優先順位①【スペシャル】
  • ヌル系スペシャル
    • なるべく味方の攻勢に合わせる
  • キル系スペシャル
    • なるべくキープレイカーを狙う
優先順位②【ヌル】
  • まずカウントを止める意識
  • エリアを塗り返す
優先順位③【キル】
  • 敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【D】敵軍バリケード完成、自陣を蹂躙

 大変です、最も打開が難しい最悪の状況「カテナチオ」を作られてしまいました。【C】の段階で打開に失敗するとだいたいこうなります。地的有利は完全に相手にありますし、「エリアの勝ち方」を知っているキープレイカーもいるので、単騎で突っ込んでも各個撃破される可能性が高いでしょう。

 おそらく「スペシャルに頼らずの打開」は難しいと思います。味方にストライカーがいればリスポンを待って連携して前線を崩したり、最も手薄なルートを見つけて裏に抜けたり、いずれにせよエリア周辺に辿りつけたら、「まずはバリケードを剥がす意識」で【ヌル】をしつつ「カウントを止めること」から立て直すしかありません。

 この局面こそ「生存していること」がとても重要なので、一か八かで単騎で突撃することは悪手の中の悪手だと思った方がよいでしょう。

得たい結果【カウントを止める】

優先順位①【スペシャル】
  • ヌリ系スペシャル
    • エリアに届かないならバリケードへ
    • バリケードにも届かないなら前線に向けて
  • キル系スペシャル
    • なるべくキープレイカーを狙う
優先順位②【ヌル】
  • まずカウントを止める意識
    • カウントを止める事で敵の優位を一時的にでもキャンセルしながら打開に向かう
  • チャンスがあれば制圧してしまう
優先順位③【キル】
  • 敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

❷キープレイカーをマークする

 チームスポーツで試合の流れを左右する中心選手を「キープレイヤー」とか「キーマン」と呼びます。史上最高のサッカー選手と言われるリオネル・メッシはバルセロナの中心選手であり、ファンタジスタであることは言うまでもありません。

 そして、そのメッシに「あなたの隣で楽しめたことは僕の特権だった」と言わしめた『アンドレス・イニエスタ』もまたバルセロナの「キープレイヤー」でした。

 イカスミ流では「ファンタジスタ」「ストライカー」「イカフェッショナル」を、三大キープレイカーと呼んでいます(関連記事※1:参照)。

 自軍にキープレイカーがいれば「彼らを活かす(自由にさせる)タチマワリ」を、敵軍にキープレイカーがいれば「彼らを押さえる(自由にさせない)タチマワリ」をすることが勝率を上げるコツであり、イカフェッショナルなタチマワリの真骨頂なのです。そのために必要不可欠なスキル『マーク』を会得しましょう。

1.キープレイカーを見極める

 どのルールでも目を引くのは「キル能力」が高いイカさんです。両軍で「自分より強いイカさん」のブキとナマエを覚えましょう。

 また、ガチエリアで「バリケードを張るイカさん」や、ガチヤグラでヤグラを確実に止める「チャージャー」など、各ルールで「自軍のガチ行動」を妨げる「厄介なイカさん」のブキとナマエも覚えましょう。

 もし、それらのイカさんが1人もいなければ、その試合のキープレイカーはアナタです。

2.キープレイカーのイカランプをマーク

 画面の上部に表示されている「イカランプ」で、①のイカさんのブキの位置をマークします。

3.バトル中は常にイカランプをチェック

 例えば、自軍がエリア制圧時に、敵キープレイカーのイカランプが消えていれば敵陣を蹂躙するチャンスです。バリケードがある程度張れているなら、前線を押し上げましょう。

 逆に、自軍のエリア制圧時だったとしても、味方のキープレイカーのランプが消えているなら、相手の猛攻に備えるべきかもしれません。

 戦力が拮抗しているマッチングなら、味方のキープレイカーが前線に復帰するまで被害を最小限に食い止める意識を。

 このように「キープレイカー」を『マーク』することで、攻勢に出るタイミングや守勢に入るタイミングを判断したり、スペシャルを発動するタイミングやガチ行動をするタイミングの目安にしたり、いろいろ応用できる情報なので、「キープレイカーのイカランプ」は覚える練習をしてみてください。

❸タチマワリをマニュアル化しない

 某外資系企業でインターネット関係のトレーナーをしていた店長は、マニュアルがとても便利なアイテムであることをよく知っています。

 特に、パソコンやスマホなど「決まった動作をするデバイスの操作」の説明をするときに、マニュアルは凄まじい威力を発揮します。

 しかし、想定外のことが起きたときには、マニュアルほどややこしいものもありません。

 先日、マクド○ルドのデリバリーを利用したのですが、注文した商品がひとつ入っていませんでした。

 そこで、お店に電話をしたのですが、「ご一緒にポテトはいかがですか♪」とまったく同じテンションで「届かなかったものは何ですか♪」と爽やかに聞かれました。

 バイキングの小峠さんなら『たまごダブルマックとお前の誠意だよっ!』って言ったかもしれません。たまごダブルマック美味しいですね。

「孫子の兵法【第六章・虚実篇】の七節」で孫氏は「戦術にマニュアルはありません」と語っています。

 お馴染みの原文と書き下し文、そして現代語で訳してみます。

出典|孫子の兵法(第六章・虚実篇)

夫兵形象水、水之形、避高而趨下、兵之形、避實而撃虚、水因地而制流、兵因敵而制勝、故兵無常勢、水無常形、能因敵變化而取勝者、謂之神、故五行無常勝、四時無常位、日有短長、月有死生

書き下し文

それ兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに趨く。兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝ちを制す。ゆえに兵に常勢なく、水に常形なし。よく敵に因りて変化して勝を取る者、これを神と謂う。ゆえに五行に常勝なく、四時に常位なく、日に短長あり、月に死生あり。

現代語訳

 孫子だよっ!なんて日だっ!戦術に形なんかねぇよ、ほら、水は高い所から低い所に流れるだろ?それと同じで、戦術は敵の守りの固い所は避けて、守りの薄い所を攻撃するんだよっ。…えっ?頭の薄い所じゃないよっ、どこ見てんだよっ。水は地形によって流れる方向を決めて、戦術は敵の形によって勝ち方を決めるんだよっ、オレ今、すげぇ上手いこと言ったよっ。だから戦術にマニュアルはねぇし、水に決まった形はないんだよっ、さっきから同じことしか言ってねぇよっ。敵の出方次第で柔軟に対応して勝つ、これはもうあれだね、神だね。木火土金水の属性で最強は無いし、春夏秋冬は常に移り変わるし、昼間の長さだって変わるし、月も満ち欠けがある。だから…え?グアムは夏しかない?さすがグアムっ!

 例えば、ガチホコに「最短のホコルート」はあっても「最強のホコルート」はありません。なぜなら「それを知っている相手には通用しない」からなのです。

 タチマワリはマニュアルでは無く「応用するため」にあるので、その状況での「最善の方法」を選択し、状況が変わればタチマワリも変わるものだと孫子はいっているのです。

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