敵軍がエリアを制圧したら

CHAPTER 3-3

 前項で「自軍がエリアを制圧すると、とてつもなく有利になる」事をお話しましたが、敵軍にエリアを制圧されると、まったく逆の事が起こります。

 つまりこうです。

「もうやだ、お家に帰りたい」

 両軍の戦力が同じであれば、「エリアの勝ち方を知っている方」がエリア制圧に成功する頻度が高く、両軍共にエリアの勝ち方を知っている場合は、残念ながら「戦力で勝っている方」がエリアを制圧する頻度が高くなるでしょう。

 因みに敵軍にエリアを制圧されるとこうなります。

 ①エリアを塗り返しながら戦う
 ②エリア内を移動できなくなる
 ③敵に先手を取られやすくなる
 ④敵が死角から現れやすくなる
 ⑤数的不利になりやすくなる
 ⑥心理的劣位に立たされる

 そうです、良い事はひとつもありません。戦力的に不利なマッチングの上に「敵軍にエリアを制圧された状態から戦う」事になると、勝つことはさらに難しくなるので、なるべく避けなければいけません。

 でも大丈夫、取られてしまったものは取り返せばいいのです。

  1. エリア奪還時の優先順位
  2. キープレイカーをマークする
  3. タチマワリをマニュアル化しない
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❶エリア奪還時の優先順位

 敵軍にエリアを制圧された時は、まず、その後の敵軍の行動を冷静に分析し、状況に合わせて打開に至る優先順位を選びます。

【A】制圧前と制圧後で変化が無い

パターンA

 この場合、敵軍は「エリアの勝ち方を知らない」可能性があります。戦力的には劣っていても、エリアを奪還する事で戦力差を埋めれば比較的楽に勝てます。

得たい結果【エリアの奪還】

優先順位①【ヌル】
・エリアを塗り返す
・死角から接近する敵に注意

優先順位②【キル】
・敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【B】いっきに前線を押し上げてきた

パターンB

 このパターンの相手も「エリアの勝ち方」を知らない可能性があります。交戦中の敵がいなければ、素早く敵陣側に抜けてエリアを奪還しましょう。エリアを取るやいなや、いっきに前線を押し上げてきた場合、エリア周りにはバリケードが張られていないので、容易に奪還する事が可能です。

得たい結果【エリアの奪還】

優先順位①【ヌル】
・エリアを塗り返す
・敵陣側から塗り返す
・リスポンした敵に挟撃されないよう注意

優先順位②【キル】
・敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【C】塗り固めつつ前線を押し上げてきた

パターンC

 敵軍に「エリアの勝ち方」を知っているイカさんがいます。バリケードを張りながら立ち回っているイカさんを見つけて「キープレイカー」として『マーク』しましょう。バリケードが完成する前に、まず「カウントを止める」ことを意識しましょう。

得たい結果【カウントを止める】

優先順位①【スペシャル】
・ヌル系スペシャル:なるべく味方の攻勢に合わせる
・キル系スペシャル:なるべくキープレイカーを狙う

優先順位②【ヌル】
・まずカウントを止める意識
・エリアを塗り返す

優先順位③【キル】
・敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

【D】敵軍バリケード完成、自陣を蹂躙

パターンD

 最も打開が難しい最悪の状況「カテナチオ」です。【C】の段階で打開に失敗するとこうなります。地的有利は完全に敵軍にあり「エリアの勝ち方」を知っているキープレイカーもいるので、単騎で突っ込んでも各個撃破の餌食になるでしょう。

 多くの場合、スペシャルに頼らずの打開は難しいです。味方にストライカーがいればリスポンを待って連携して前線を崩すか、最も手薄なルートを見つけて裏に抜けるか、何れにせよエリア周辺に辿りつけたなら、まずは「バリケードを剥がす」意識で【ヌル】をしつつ、カウントを止める事から立て直すしかありません。

 この状況こそ「生きている」ことが重要になる局面なので、一か八かで無理に突っ込むのは悪手の中の悪手です。

得たい結果【カウントを止める】

優先順位①【スペシャル】
・ヌリ系スペシャル:エリアに届かないならバリケードへ、バリケードにも届かないなら前線に向けて
・キル系スペシャル:なるべくキープレイカーを狙う

優先順位②【ヌル】
・まずカウントを止める意識
・カウントを止める事で敵の優位を一時的にでもキャンセルしながら打開に向かう
・チャンスがあれば制圧してしまう

優先順位③【キル】
・敵が邪魔で塗り返せないなら倒す

❷キープレイカーをマークする

 チームスポーツで試合の流れを左右する中心選手を「キープレイヤー」とか「キーマン」と呼びます。史上最高のサッカー選手と言われるリオネル・メッシが、バルセロナの中心選手であり、ファンタジスタである事は言うまでもありませんが、そのメッシに「あなたの隣で楽しめた事は僕の特権」と言わしめたアンドレス・イニエスタもまたバルセロナの「キープレイヤー」でした(神戸サポいいなぁ・・・)。

 イカスミ流では「ファンタジスタ」「ストライカー」「イカフェッショナル」を、三大キープレイカーと呼んでいます。

 自軍にキープレイカーがいれば「彼らを活かすタチマワリ」を、敵軍にキープレイカーがいれば「彼らに仕事をさせないタチマワリ」をする事がイカフェッショナルの真骨頂です。その為に必要不可欠なスキル「マーク」を会得しましょう。

①キープレイカーを見極める

 どのルールでも目を引くのは「キル能力」が高いイカさんです。両軍で「自分より強い」イカさんのブキとナマエをチェックして覚えましょう。

 また、ガチエリアで「バリケードを張るイカさん」や、ガチヤグラでヤグラを確実に止める「チャージャー」等、各ルールでこちらの【ガチ行動】を妨げる「厄介なイカさん」のブキとナマエもチェックして覚えましょう。

 もし、それらのイカさんが1人もいなければ、その試合のキープレイカーはアナタです。

②キープレイカーのイカランプをマーク

 画面の上部に表示されている「イカランプ」で、①のイカさんのブキの位置をマークします。

マーク

③バトル中は常にイカランプをチェック

 例えば、自軍がエリア制圧時に、敵キープレイカーのイカランプが消えていれば敵陣を蹂躙するチャンスです。バリケードがある程度張れているなら、前線を押し上げるチャンスです。

 逆に、自軍エリア制圧時に、味方のキープレイカーのイカランプが消えてしまったなら、敵の猛攻に備える時間です。味方のキープレイカーが前線に復帰するまで被害を最小限に食い止めましょう。

 このように、一手先を読む情報として使ったり、キル系スペシャルを発動するタイミングの目安にしたり、ヤグラに乗るタイミングの目安にしたりと、「マーク」の活用法はアナタの応用力に比例して増えます。

❸タチマワリをマニュアル化しない

 某外資系企業でインターネット関係のトレーナーをしていた経験上、マニュアルがとても便利な存在である事を良く知っています。

 特にパソコンやスマホ等「決まった動作をするデバイス」の操作をトレーニングする際に、マニュアルは凄まじい威力を発揮します。しかし、想定外の事が起こった時にマニュアル程ややこしいものもありません。

 先日、マクド○ルドのデリバリーを利用した時、注文した商品がひとつ入っていなかったのでお店に電話をした所「ご一緒にポテトはいかがですか♪」とまったく同じテンションで「届かなかったものは何ですか♪」と爽やかに聞かれました。

 小峠さんなら「たまごダブルマックとお前の誠意だよっ!」って言ったと思います。たまごダブルマック、美味しいですね。

「孫子の兵法【第六章・虚実篇】の七節」で孫氏は「戦術にマニュアルはありません」と語っています。

 お馴染みの原文と書き下し文、そして現代語で訳します。

原文

「夫兵形象水、水之形、避高而趨下、兵之形、避實而撃虚、水因地而制流、兵因敵而制勝、故兵無常勢、水無常形、能因敵變化而取勝者、謂之神、故五行無常勝、四時無常位、日有短長、月有死生」

書き下し文

(それ兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに趨く。兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝ちを制す。ゆえに兵に常勢なく、水に常形なし。よく敵に因りて変化して勝を取る者、これを神と謂う。ゆえに五行に常勝なく、四時に常位なく、日に短長あり、月に死生あり)

現代語訳

「孫子だよっ!なんて日だっ!戦術に形なんかねぇよ、ほら、水は高い所から低い所に流れるだろ?それと同じで、戦術は敵の守りの固い所は避けて、守りの薄い所を攻撃するんだよっ。・・・え?頭の薄い所じゃねぇよっ、どこ見てんだよっ。水は地形によって流れる方向を決めて、戦術は敵の形によって勝ち方を決めるんだよっ、すげぇ上手いこと言ったよっ。だから戦術には決まったマニュアルはねぇし、水にも決まった形はないんだよっ、さっきから同じ事しか言ってねぇよっ。敵の出方次第で柔軟に対応して勝つ、これはもうあれだ、神だ。木火土金水の属性で最強は無いし、春夏秋冬は常に移り変わるし、昼間の長さだって変わるし、月も満ち欠けがある。だから・・・え?グアムは夏しかない?さすがグアムっ!」

 例えば、ガチホコに「最短のホコルート」はあっても「最強のホコルート」はありません。なぜなら「それを知っている相手には通用しないから」なのです。

 基本戦術はマニュアルでは無く「応用する為」にあり、その状況での「最善のチョイス」をする事が大事だと孫子は言っています。

「やり方」より「考え方」を研究しましょう。

0123456789 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ もくじ
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CHAPTER 1
タチマワリ【始計篇】

  1. イカスミ流タチマワリ
  2. ウデマエは飾りです
  3. タチマワリってなーに?
  4. イカタイプ(全9種)
  5. イカフェッショナルのすすめ

CHAPTER 2
タチマワリ【基本篇】

  1. ガチルールの難易度
  2. 前線という概念
  3. 裏取りという戦術
  4. ブキの話
  5. リザルトの話

CHAPTER 3
タチマワリ【ガチエリア篇】

  1. ガチエリアの基本戦術
  2. 自軍がエリアを制圧したら
  3. 敵軍がエリアを制圧したら
  4. 必ず勝つ3つのパターン
  5. 数的有利
  6. 数的不利

CHAPTER 4
タチマワリ【ガチホコ篇】

  1. ガチホコの3つの役割
  2. ガチホコの基本戦術
  3. シャチョホコ(ホコ持ち)
  4. ブチョホコ(ルート開拓)
  5. カチョホコ(ホコの護衛)
  6. トランジション(攻守の切替)

CHAPTER 5
タチマワリ【ガチヤグラ篇】

  1. ガチヤグラの3つの役割
  2. ガチヤグラの基本戦術
  3. ソイヤ (ヤグラ乗り)
  4. ワッショイ(ルート確保)
  5. ラッセーラ(チョイ乗り)
  6. エッサ・ホイサ(スイッチ)

CHAPTER 6
タチマワリ【ガチアサリ篇】

  1. ガチアサリの4つの役割
  2. ガチアサリの基本戦術
  3. ガチアサリのオフェンス
  4. ガチアサリのディフェンス
  5. ガチアサリのプチ戦術
  6. ガチアサリのフォーメーション
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