タチマワリ【ガチヤグラ篇❻】
CHAPTER 5-6
エッサ・ホイサ(スイッチ)
エッサ・ホイサ

サッカーでボール保持者が味方と交差する瞬間にパス交換を行うプレーを【スイッチ】と言います。
ガチヤグラでは「ソイヤの交代」がこれにあたり、特にヤグラ上で味方のスパジャンを受けながらの「スイッチ」は、その阿吽の呼吸になぞらえて【エッサ・ホイサ】と呼ばれ、ヤグラ推しパリピの間ではぶっちゃけバイブスいとあがりけりなのです。
エッサ・ホイサは、ガチヤグラにおいて「役割変更をコントロールできる唯一の方法」なので、必ずマスターしておきたいテクニックです。
えぇ、そうです、その通りです、スパジャンで飛んでくる方が「エッサ」、受ける方が「ホイサ」です。
❶エッサ・ホイサのメリット
物事を合理的に考える人にとって、遠くへ素早く移動できる「スパジャン」は有効な手段のひとつです。
同じく、ガチマッチを戦術的に捉える人にとってのスパジャンは、「数的不利を短縮する手段」であり「攻撃フェーズを延長するアイデア」なのです。
彼らは味方の【勢い】や【勝機】を失いたくない局面では、迷わずスパジャンをチョイスします。
ガチヤグラの攻撃フェーズ中にデスした時、ヤグラの上の味方にスパジャンを試みる【エッサ】は「合理的な思考の人」と言えるかもしれません。
なぜなら、ガチヤグラの最優先事項である「ノル」と「前線への復帰」を同時に行える【エッサ】は、戦術的にみても理にかなった行動だからです。
しかし、スパジャンには「チャクチ狩り」という莫大なリスクがあり、スパジャン賛成派とスパジャン反対派の論争は永遠に終わることはなく、どっちでもいい派は『どっちでもいいから早く遊ぼうよ』と思っています。
そこで【ホイサ】は、この「チャクチ狩り」のリスクをなるべくカバーする為に、ヤグラ上で最も安全な位置でスパジャンを受ける必要があり、自身は「チャクチ狩りを防ぐ為に」速やかにヤグラを降り【ワッショイ】へと役割変更します。
そうすることで、自分の【ソイヤ】中のデス率を下げ、味方の【エッサ】へのチャクチ狩りを防ぎ、役割変更を流動的に行えるので「攻撃フェーズ延長の確率を高める」事ができるのです。
❷エッサ・ホイサのデメリット
スパジャン自体がノーリスクではない以上、エッサ・ホイサは常に有効な戦法ではありません。当然、ヤグラが囲まれた状況では安全な位置でスパジャンを受ける事は不可能ですし、【エッサ】のスパジャン完了までに【ホイサ】がデスしてしまうと「二枚落ち」がほぼ確定します。
敵陣深くでのエッサ・ホイサ失敗ならカウンターの危険は少ないですが、中央付近での失敗は「逆転リードを奪われるピンチ」に繋がる可能性があります。
エッサ・ホイサを使う判断は、味方の戦術理解度やスパジャンへの賛否を見極めて慎重に行う必要があるでしょう。
しかし、リスクがあるからと言って「スパジャンは絶対に使わない」と決めてしまうのは早計かもしれません。
それはまるで「ドアを開けたら道路の真ん中で車にひかれるかもしれないからどこでもドアは絶対に使わない」と決めてしまったのび太くんのようです。
この場合、しずかちゃんの入浴シーンに遭遇するチャンスも失ってしまうのです。のび太さんのエッチ。
【エッサ】の成功率はMAPを開いて、ヤグラ周りのインクの塗り状況で判断しましょう。また【ホイサ】は長射程の敵が【エッサ】を狙いにくい位置でスパジャンを受け、ヤグラ上に「マークが付いてから」ヤグラを降りて【ワッショイ】に移行しましょう。
❸よさこい祭り
スパジャン反対派がいる限りヤグラに誰も飛んでこない試合はあります。この時「味方のスパジャンを促すカモン」は無駄な混乱を招くので避けた方が良いかもしれません。飛べる人は呼ばなくても勝手に飛んでくるものです。
また、アナタが【エッサ】しても、味方が【ホイサ】してくれない場合もあります。カンモン以外では複数でヤグラに乗るメリットはあまりないので、【エッサ】したときに味方がヤグラを降りてなければ、自分が降りて【ワッショイ】に加わりましょう。
しかし、稀に「チーム全員がスパジャン賛成派」のマッチングになり、エッサ・ホイサが非常にスムーズに行われる事があります。
このマッチングを「よさこい祭り」と呼び、ヤグラ推しの間では、ぴえんこえてぱおん、控えめに言っていとおかしなのです。
「よさこい祭り」のマッチングでは、その他の連携もスムーズに行われるので、よほどの戦力差がない限り「勝利は確定している」と思います。
❹ガチヤグラのまとめ

画像は【ガチヤグラ篇❶〜❻】で解説した戦術だけを使用してガチヤグラを行った結果です。苦手なホットブラスターを担いだ事(ウデマエ詐欺調整)もありノックアウトが1回しかないのは説得力に欠けますが、対人能力が高くなくても(1桁キルしか取れなくても)戦術的に立ち回れば勝率を上げる事は可能です。
ガチホコはホコさえ持ってしまえば、【モツ】【ヌル】【キル】を全部できるので、誰もホコを持たないマッチングでもどうにかなります。
しかし、ガチヤグラは【ノル】をすると【ヌル】と【キル】が大幅に制限されてしまうので、オブジェクトに関与しない(乗らない)味方が多いS〜S+帯で勝率をコントロールする事は「Xで勝つより難しい」かもしれません。
マッチング事故が続くようであれば、ヤグラの上からでも【ヌル】【キル】がしやすい長射程のブキを持ったり、ボムラやアメフラシ等「攻撃フェーズを維持しやすいスペシャル」をチョイスする等の考え方を試してみる価値はありそうです。
ちなみに店長はヤグラのカンスト(旧S+50)にチャレンジする時、無印でほとんど使わなかった「ラピブラ」と「ジェットスイーパー」を練習して使いました。
「乗らない味方」にイライラしても勝率は絶対に変わらないので、自由に変える事ができる「自分自身のチョイス」を変えてみてはイカがでしょう。
また、何度【エッサ】を試みても味方がヤグラを降りてしまうなら、ヤグラの上に飛ぶ事は諦めましょう。
「故形兵之極、至於無形」
(ゆえに兵を形すの極は、無形に至る)
孫子の兵法【第六章・虚実篇】の七節にある言葉です。現代語に訳すと「究極の形とは、形が無いことなんじゃ」という程の意味です。逆に言うと「戦いが下手な人はクセがすごいんじゃ」という意味になります。自分のやり方に固執せず、マッチングされた敵と味方の個性に合わせて戦術を変える【無形】こそ、タチマワリの真髄なのです。
おや?ちょうどガチヤグラの時間ですね。どうぞ、いってらっしゃいませ、アナタのご武運をお祈りしています♪
巻末コラム
「ワッショイされないようにソイヤするのって大変だけど、ワッショイされないようにソイヤしてるってバレたら、ワッショイされちゃうよ?」
※【暮しのソイヤ】2018年11月号より(特集:時代を象徴するあのソイヤ、このワッショイ)
伝説のヤグラ乗りとして語り継がれる「ポポン氏」の名言集、最終回である今回は、総合生活雑誌【暮しのソイヤ】に掲載された、ハイカラスクエア避難訓練でのスピーチから抜粋した言葉である。
ハイカラスクエアで行われた避難訓練とあって、スピーチが終わった後にガチヤグラお悩み相談コーナーが設けられた。
しかし、学生から「人に嫌われないように生きるにはどうしたらいいですか?」と、ヤグラとまったく関係のない思春期のガチ相談を受け、どうにかヤグラに例えて上手いこと言おうとして失敗したポポン氏。もう帰りたくなったポポン氏は「そ、それでは、避難時に大切な【お・か・し】についてお話して最後にしたいと思います」と締めくくった。
【お】おしゃべりしない。
【か】かけださない。
【し】し・・・し・・・し・・・
この夜、ポポン氏は布団の中で激しくのたうち回ったという。