ラグいのは「回線?」それとも「プロバイダー?」区間スピードテストのやり方

 フレッツ光でインターネットをする場合、NTT法の関係で必ず「プロバイダー」と契約しなければいけません。

 ところが、プロバイダーによって設備やサービスが異なり、インターネットの速度や通信品質を左右するため、プロバイダー選びは慎重に行う必要があります。

 例えば、2020年5月に発生したソフトバンクの設備障害では、「SoftBank 光」や「SoftBank Air」のユーザーがインターネットに接続できなくなりました。

 また、IPv6通信であっても通信量が増加した場合は、プロバイダーの設備がインターネットの速度や通信品質を左右します。

引用|@nifty会員サポート

 通信エラーやラグの原因が「フレッツ光回線(NTTの設備)」にある場合は、NURO 光auひかり など回線自体を変更する必要がありますが、問題が「プロバイダーの設備」にある場合は、プロバイダーを乗り換えることで改善するかもしれません。

 この記事では、通信エラーやラグの原因が「回線」にあるのか、「プロバイダー」にあるのかを簡単に見極められる方法を解説したいと思います。

「v6プラス」のチェック

 インターネットでデータをやり取りする方法は「IPv4通信」と「IPv6通信」の2種類あり、v6プラスは「両方」使えるフレッツ光のサービスです。

 v6プラスはオンラインゲームが使用するUDPポートの範囲が制限されるため、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)は必ず「NATタイプB」になります。(「NATタイプA」にしたい場合はv6プラスをやめるか回線を変更する必要があります)

「v6プラス」を利用しているかどうかは、プロバイダーを変更する際に必要な情報なのでチェックしておきましょう。IPv4/IPv6接続判定ツールで「試験10」の結果がOKならv6プラスです。

「速度低下区間」のテスト

「フレッツ網内区間」と「インターネット区間」

 フレッツ光環境下では「フレッツ光回線(NTTの設備)」と「プロバイダーの設備」の『2つの設備』を使ってインターネットをしているので、NTTが管理している「フレッツ網内区間」と、プロバイダーが管理している「インターネット区間」とに分かれています。

(図1)

(図1)の青いエリア「インターネット区間」はプロバイダーが管理しているので、ここで発生した「混雑」や「設備障害」に起因する速度低下や通信エラーは、「プロバイダー」を変更することで改善する可能性があります。

 ところが、赤いエリア「フレッツ網内区間」はNTTが管理しているので、ここで発生した「混雑」や「設備障害」に起因する速度低下や通信エラーは「プロバイダー」を変更しても改善することはなく、NURO 光auひかり など「回線業者」そのものを変更する必要があります。

SPEED TEST で「区間」を特定

 SPEED TEST を使って、速度低下や通信エラーが「フレッツ網内区間」と「インターネット区間」のどちらで起こっているかチェックしてみましょう。

  • フレッツ光回線しか計測できません
  • マンションなどの無料インターネット環境では、フレッツ光回線でも計測できない場合があります

テスト「結果」を分析

かもめインターネット環境)
  1. 「NTT東日本・西日本フレッツ網内」で速度低下なし
    • プロバイダーを乗り換えることで通信速度やラグが改善する可能性があります。
  2. 「NTT東日本・西日本フレッツ網内」で速度低下あり
    • プロバイダーを変更しても通信速度や通信エラーは改善しません。
    • HGW(ホームゲートウェイ)やルーターを再起動しても改善しない場合は、フレッツ光に問合せしてみましょう。
    • それでも解決しない場合は、NURO 光auひかり など「回線業者」自体を変更する必要があります。

おすすめのプロバイダー

Gaming+

ネットフォレスト系プロバイダー

ゲーミングプラス

ちょっパヤ!ネット

かもめインターネット

DetonatioN Gaming(デトネーションゲーミング)とパートナーシップ契約

 ネットフォレスト系プロバイダーは、ゲーマーの間では昔から有名ですが、国内トップレベルのプロゲーミングチーム『DetonatioN Gaming』さんのスポンサーになったことで、多くの人に認知されるようになりました。

ユニフォーム(表)
ユニフォーム(裏)

 ちなみに、「Gaming+」って名前ですが「オンラインゲームに特化した何かがプラスされている」という訳ではなく、基本的には普通のプロバイダーだったりします。

 では、なにが「オンラインゲーム向け」で、なぜに「ネットフォレスト系プロバイダー」が、プロゲーマーやオンラインゲームのガチ勢に支持されているのでしょうか?理由はたったひとつです。

「帯域制限をかけない」

一般的なプロバイダーが実施する「帯域制限」をかけない

引用|@nifty会員サポート
V6プラスも対象となる場合があります

「ネットフォレスト」の利用者は、ゲーマーなどの「通信品質にこだわっているユーザー」だけなので、プロバイダー側の設備が混雑する心配がほとんどありません。

 なので、大手プロバイダーが混雑時に実施する「帯域制限」をかけないことをはっきり明言しています。

ゲームが利用するP2P通信に「帯域制限」をかけない

 Nintendo Switch はもちろん、協力対戦プレイができるほとんどのオンラインゲームは「P2P」と呼ばれる通信方式を採用しています。

 一方、インターネットで違法動画や大容量ファイルをダウンロードする有名なアプリケーションも「P2P通信」を利用していて、このソフトウェアの通信がトラフィック増加の大きな要因のひとつになっています。

 このため、プロバイダーは「P2P通信を感知したらその通信にピンポイントで帯域制限をかけること」を法律で認められています。(P2P通信の監視はプライバシーの侵害にあたらないことになっています)

 P2P通信を行っている端末にだけ、ピンポイントで帯域制限をかけるプロバイダーも存在するそうなので、ゲーム機の通信速度だけ異常に遅い場合は、このタイプの帯域制限を受けている可能性があります。

 ネットフォレストは「ゲームのP2P通信にも帯域制限かけない」と明言しているので、イカスミカフェがオススメするプロバイダーは「ネットフォレスト系プロバイダー」というわけなのです。

でも「かもめインターネット」の方がいいと思うの

 さんざん「Gaming+」の名前を使っておいて、こんなこというのもなんですが、イカスミカフェは Gaming+ をオススメしていません。というか「v6プラスをオススメしていない」のです。

 v6プラスはオンラインゲームがマルチプレイに利用する「UDPポート」の範囲を制限しているので、Nintendo Switch などの「NATタイプ」を「A」に設定することができず、NAT越えに失敗する要因になり、「v6プラスはオンラインゲームに向いていない」という事実は常識になりつつあります。

 残念ながら Gaming+ は「v6プラスしか契約できない仕様」なので、オンラインゲームのラグ対策を紹介しているイカスミカフェとしては、オススメしかねるサービスなのです。

「v6プラス」そのものが悪いわけではありませんし、「v6プラスにしないと速度がまったく出ない」地域もあります。また、UDPポートが制限されていても、動画の視聴やネットサーフィンに影響はありませんし、競技性の高いオンラインゲームをプレイする以外では、とても素晴らしいサービスだと思います。

「かもめインターネット」をオススメする3つの理由

①帯域制限がない

 一般的なプロバイダーのように一定期間の転送量制限がなく複数タイトルで大型アップデートを行ったり、大容量ファイルを転送しても帯域制限がかかりません。

 また、P2P通信方式を含む特定の通信方式に対しても帯域制限がかからないのでオンラインゲームの通信品質の改善やラグの要因を減らす事ができます。

②「PPPoE(IPv4)」と「v6プラス」の両方が利用できる

 最初はオンラインゲームに最適な「PPPoE方式(IPv4)」で契約して、どうしても通信速度に問題があれば「v6プラス」に変更したり、やっぱり「PPPoE方式(IPv4)」に戻したりできます。

③無料お試し期間が2ヶ月ある(※クレカ限定)

 クレジットカード支払いで登録する場合、「2ヶ月無料お試し期間」があります。かもめインターネットには「長期契約縛りがない」ので、現在利用中のプロバイダーを契約したまま「2ヶ月無料お試し期間」でかもめインターネットの通信品質をチェックして、「なんだよ店長!ぜんぜんダメじゃん!」ってなったらノーリスクで元に戻せるので店長も安心です。

「2ヶ月無料お試し期間」を利用する前に

「無料お試し期間」があるとはいえ、前述の通りプロバイダーを変えても問題が改善しないケースがあるので、無駄に登録すると意味のない手続きをすることになります。

 あなたの貴重な時間とエネルギーを無駄にするだけではなく、郵送されてくる書類などの紙資源ももったいないので、必ず以下の2つをチェックしてから「無料お試し期間」に進むことをオススメします。

現在契約している「フレッツ光のサービスを確認」する

「フレッツ光」の集合住宅向けサービスで「VDSL方式」を使っている場合、集合住宅の入り口までは光ファイバーですが、そこから各戸まで電話回線を利用して通信しています。

 この「VDSL方式」の伝送速度は最大100Mbpsなのですが、1本の光ファイバーをプランに加入している全世帯でシェアするので、週末や夜間の通信速度が低下しやすく、このケースの速度低下はプロバイダーを変更しても改善しません

「VDSL方式」の光ファイバーには「1Gbpsタイプ」と「100Mbpsタイプ」の2種類あり、「100Mbpsタイプ」の場合は特に注意が必要です。

 元々「100Mbps」しかない速度を複数の世帯で分け合い、さらに家族で分け合う形になるので、テレワークやオンラインゲームはもとより一般的な動画のストリーミングさえ心許ない速度ですし、もちろんプロバイダーを変更しても改善することはありません。

 契約書類まとめて詰め込んでいるあの箱を開けて、『開通のご案内』という書類を探して下さい、そして『ご利用サービス名』の欄をチェックしましょう。

「ミニB」「プラン1B」「プラン2B」とかの【B】表記があれば『100Mbpsタイプ』です。そして「ミニ」「プラン1」「プラン2」のように【B】表記がなければ『1Gbpsタイプ』です。

『VDSL方式』の屋内配線は「電話線」なのでノイズを拾いやすく、FPS/TPS や 格ゲー等の「競技性の高いオンラインゲーム」には向きません。

 ウィズコロナ時代でインターネットの速度はこれまで以上に必要になってきますので、プロバイダーよりもなるべく早く「VDSL方式」から「光配線方式」へ切り替えることを強くオススメします。

【補足1】マンションに備え付けの回線の場合

マンションに備え付けのインターネット

 マンションに備え付けのインターネット回線のほとんどが、中間業者が契約したフレッツ光の1回線を「住んでる世帯で仲良く分け合う」というシステムです。

 オーナーが中間業者に回線料金を支払っているので、入居者は無料でインターネットを使える便利なシステムなのですが、問題は中間業者の「業務用ルーター」を必ず中継するので「二重ルーター(多段NAT)」になってしまい、オンラインゲームの協力・対戦プレイに必要な「NAT越え」が上手くできない場合があるのです。

 また、この手の業者が設置する業務用ルーターはYAMAHA製のリーズナブルなルーターが多いのですが(名機です)、このルーターはデフォルトのMTU値が低めなのでゲーム機側で調整しないと、パケットが分割されてしまいラグや同期ズレの要因になります。

 ところが、マンションに備え付けのインターネット回線は、中間業者がプロバイダーと提携しているので、プロバイダーを変更することはできません。

 ウィズコロナ時代に備える意味でも、新たに NURO 光auひかり を引くことや、通常のインターネットを利用できる物件に引っ越すことを検討してもいいかもしれません。

 イカスミカフェとしては、ここでフレッツ光の代理店さんを紹介すると美味しいのですが、「長期縛り」や「特典のトラブル」が心配なので、フレッツ光を利用したい場合は、公式サイトを検索していただくことをおすすめします。

 新規で「フレッツ光」+「かもめインターネット」をお考えの方は、フレッツ光の公式サイトか電話で「プロバイダパック」じゃない「回線のみの契約」をしてから、かもめインターネット の「2ヶ月無料お試し」に申し込んでください。

【補足2】ケーブルテレビ(CATV)回線の場合

同軸ケーブル

 CATVは映像コンテンツを視聴するためのサービスなので、映像コンテンツを視聴することに向いている技術で運用されています。

 例えば、CATVをケーブルテレビたらしめる「同軸ケーブル」は、遠い場所に映像信号を届けるのは得意なのですが、ノイズを拾いやすい性質を持っています。

 特に「上り方向ノイズ」が集まって起きる「流合雑音(りゅうごうざつおん)」は、通信エラーやラグの原因になるので競技性の高いオンラインゲームに向きません。

 ウィズコロナ時代に備える意味でも、新たに NURO 光auひかり を引くことや、通常のインターネットを利用できる物件に引っ越すことを検討してもいいかもしれません。

 新規で「フレッツ光」+「かもめインターネット」をお考えの方は、フレッツ光の公式サイトか電話で「プロバイダパック」じゃない「回線のみの契約」をしてから、かもめインターネット の「2ヶ月無料お試し」に申し込んでください。

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