CHAPTER 7-3

Switchのエラーコード「2618-051*」が出てフレンドさんと遊べない原因と対策

 先日の「お問い合わせ」に頂いた相談の中で、圧倒的に多かったNAT越え失敗によるエラーコード「2618-0513」とか「2618-0516」とか。

 プレステのオンライン対戦やSkypeの通話は問題なく出来るのに、フレンドさんとマルチプレイをしたくて購入した「スプラトゥーン」や「スマッシュブラザーズ」が謎のエラーで遊べないなんて、シャンプーしたいのに間違えてコンディショナーを出してしまい、とりあえずふとももに乗せている時より悲しいのです。

 そして、「マインクラフト」や「あつまれどうぶつの森」がフレンドさんと遊べないなんて、シャンプーした後に間違えてまたシャンプーして(以下略)

 では、さっそく解説していきたいと思いますが、事前に『エラーが出ている Switch の NATタイプ』と『契約しているインターネットの回線業者とプロバイダー』を確認してから読み進んで頂くと、アナタの通信環境に合わせた対処法をチョイスしやすいと思います。

※この記事の文章や画像を、ゲーム攻略ブログやインターネット回線紹介ブログ等、商用記事の参考にして頂く場合は「About」を読んで頂けると幸いです(強制ではありません)。
※PS3・PS4やSkypeはNAT越えの仕組みが違います(PlayStationについてはそのうち別枠で記事を書く予定なのでそちらを参考にして下さい)。

❶「NATタイプB」でも普通に起きるエラー

 図の中にある「フルコーン」とか「アドレス制限コーン」とかいう美味しそうな名前のやつは後で解説するとして、ひとまず【Switch】のエラーコード「2618-0510」〜「2618-0520」が発生する原因は『NAT越え失敗』です。

Nintendo公式サポートQ&A

【Switch】エラーコード「2618-0510
【Switch】エラーコード「2618-0511
【Switch】エラーコード「2618-0512
【Switch】エラーコード「2618-0513
【Switch】エラーコード「2618-0514
【Switch】エラーコード「2618-0515
【Switch】エラーコード「2618-0516
【Switch】エラーコード「2618-0517
【Switch】エラーコード「2618-0518
【Switch】エラーコード「2618-0519
【Switch】エラーコード「2618-0520

※原因が同じなので「Q(質問)」も「A(対処法)」も全部同じです。

【NAT越え失敗】は「Switch本体のシステム」や「ゲームソフトのバグ」が引き起こすエラーではなく『インターネットの通信技術がもともと抱えている問題』なので、今のところは完全に防ぐことは出来ません。

 完全にマスターしたと思い込んでいた透かしっ屁に音が出るのとまったく同じ理屈です(ぜんぜん違います)。

 なので『なるべくエラーが起きにくい通信環境にする』しか対処法がないのです。

 詳しくは後ほど解説しますが「Switchの回線速度テスト」でチェックできる【NATタイプ】とは、インターネット回線の「通信速度の評価」ではなく、アナタの通信環境における『NAT越えのしやすさを表す指標』なのです。

 つまり「NATタイプA」は「最もNAT越えに成功しやすい通信環境」を表し、「NATタイプF」は『最もNAT越えに失敗しやすい通信環境」を表しています(↑図❶)。

 したがってアナタの通信環境が「NATタイプB」でも『普通にNAT越えに失敗』しますし、「NATタイプC・ D」なら『まともに遊べない頻度でNAT越えに失敗』するのです。

❷自分に原因がなくても起きるエラー

『NAT越え失敗』は通信相手のNATタイプに問題がある場合にも発生します。

 例えば、アナタの通信環境が「NATタイプA」だとしても、フレンドさんの通信環境が「NATタイプB」ならば『NAT越えに失敗する可能性』はありますし、『昨日は遊べたのに今日は遊べない』なんてケースも珍しくはありません。

 また、アナタの通信環境が「NATタイプA」だとしても、フレンドさんのNATタイプが「C・D」ならば『頻繁にNAT越えに失敗』してまともに遊べないという状況になります。

 なので「NAT越え失敗」でフレンドさんと遊べなくなったときは、『お互いに通信環境をチェックする』とか『困っている人がいたら助けてあげる』等、いっしょに遊んでいる全員が協力して対処する「チームワーク」も重要になります。

 また、この記事で詳しく解説する「NAT越えのメカニズム」を理解すると「インターネット回線の混雑」と「NAT越えの失敗」に直接の関係がない事がわかってくると思います。

 回線の混雑によって起きるエラーは「2618-0201」や「2160-0202」等、エラーコードが違いますし、そもそも「エラーコードが出ないケース」がほとんどです(↓図❷)。

 スプラトゥーンやスマブラ等「不特定多数」がランダムにマッチングされるタイプのゲームでは、「週末しかプレイしないライトユーザーの通信品質に引っ張られるケース」が増えるかもしれませんが、【NAT越え失敗】はあくまでも『NATタイプに起因するエラー』であることを覚えておきましょう。

ここまでのまとめ

・通信相手のNATタイプにも左右されるので、自分のNATタイプがどうであれ『全員にNAT越え失敗の可能性』がある。
・「インターネット回線の混雑」と「NAT越えの失敗」は関係ない。
・「NATタイプD」の次がなんで「F」やねん。

❸そもそも【NAT越え】ってなーに?

【NAT越え】とは正確には『NAT traversal(ナット・トラバーサル)』って言うアルゴリズムの事を言うのですが、この記事では「NAT越え」で統一します。

 任天堂の公式サポートページには「NAT越え」についてこう書かれています。

※「NAT越え」とは、ご自宅のネットワーク機器に割り当てられているIPアドレス(プライベートIPアドレス)とインターネット通信をするためのIPアドレス(グローバルIPアドレス)を変換する処理のことです。うまく処理ができないと、インターネット経由での対戦や協力プレイができない場合があります。

 実はこれ、【NAT】(Network Address Translation)自体の説明であって【NAT越え】の説明ではありません。でも、一般ユーザー向けにわかりやすく書く事が目的なので、任天堂の公式サイトとしてはこれで正解なのです。

 これまでイカスミカフェでは「なるべく専門的な解説はしない」をモットーに記事を書いてきましたが、今回の【NAT越え失敗】については困っている人が大勢いらっしゃるようなので、誤解を恐れず「少し突っ込んだ解説」をして行こうと思っています。

 いつもより難しく感じる解説が多くなる事が予想されますが、なるべくわかりやすく、なにより「楽しく」読めるように頑張りますので、どうか皆様も頑張って最後まで読み切って頂ければと思います。

 しかし、あくまでも「一般ユーザー向けのコンテンツ」なので、詳しく説明するとかえって分かりにくくなる恐れがある場合は、あえて説明を省いたり、正式名称を使わなかったりします。

 例えば、今回解説する「NAT越え」の【NAT】とは、「IPアドレス」と「ポート番号」の両方を変換する処理のことを指しているので、正しくは【NAPT】(Network Address Port Translation)とか、【IPマスカレード】とか表現するべきなのですが、この違いを説明していると話が進まないので「NAT」で統一します。

 また【NAT越え】のプロトコル(方法)は標準化されていないので、PlayStationにも採用されている「UPnP(Universal Plug and Play)」とか「TURN(Traversal Using Relay around NAT)」とか、いくつかの技術があるのですが、これを全部説明すると本が書けるので、今回は「SwitchのNAT越え」に関係する技術や設定のみを解説したいと思います。

 逆に、普段はわかりやすく「二重ルーター 」と表現している環境を、NATの話がメインである今回は「多段NAT」とします。

※【NAT】についてはそのうちちゃんと解説した記事を書こうと思っていますが、今のところは「Nintendo Switch をNATタイプAにする方法❶【NATタイプAってなーに?】の「てかNATってなーに?」を参照してください。

1.Switch同士はNATを越えて直接通信できない

【NAT越え】を理解する上で最初に覚えておきたいことは、もともと「Switch同士はNATを越えて直接通信できない」という大前提です。

「NAT配下にあるSwitch」には『プライベートIPアドレス』と呼ばれる「識別番号(例:192.168.001.101)」が割り振られますが、インターネットは『グローバルIPアドレス』で運用されているので、『プライベートIPアドレス』しか持っていないSwitchは、【NATを越えて】(インターネットを経由して)他の「NAT配下にあるSwitch(例:192.168.010.201)」と直接通信する事はできません(↑図❸-1)。

( ˘ω˘ ) スヤァ…

 OK、わかりました、「プライベート」って言われると凄く興奮するのに、「グローバル」って言われると凄く眠くなるのは人の常です。

 今回は眠くなる話が多いので、解説ブログとかでよく見る『会話形式のやつ』でいってみたいと思います。

【第1話】プライベートIPアドレスは『部屋番号』

『グローバルIPアドレス』は「マンションの住所」、『プライベートIPアドレス』は「マンションの部屋番号」に例える事ができます。

 これら『IPアドレス』はマンションの管理人である「ルーター」が管理しているので『ルーターは住所と部屋番号を知っている』けど、ルーター配下にある『Switchは部屋番号しか知らない』というイメージ。

 では、アナタの部屋のSwitchを「スイッチくん」、フレンドさんの部屋のSwitchを「スウィッティちゃん」だと思って声に出して読んでみましょう。

 スイッチとスウィッティは大の仲良し、スイッチはいつも仲良くしてくれるスウィッティに、感謝の気持ちを込めて『本をプレゼントする事』を思いつきました。

スイッチくん
ねぇ、スウィッティ、キミに本をプレゼントしたいんだけど住所を教えてくれないかな?
スウィッティ
マジキモイアル、何の本アルか?
スイッチくん
えっとね、「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」って本なんだけど
スウィッティ
私もパフェとか食いたいアル、そうだお前パフェとか送れヨ、私が住んでるのは201号室アル
スイッチくん
えっ、201号室だけじゃわからないよ、郵送したいからスウィッティのマンションの住所を教えてよ
スウィッティ
マジキモイアル、でも私の飼い主は201号室としか言ってなかったネ
スイッチくん
あっ、そうか、ボクもご主人様から部屋番号しか聞いてないんだった、ボクが馬鹿だったね
スウィッティ
でも私、そんな馬鹿の方が好きヨ、お前は嫌いだけどな
スイッチくん
スウィッティ…それ本気で言ってるの?
スウィッティ
いや、本気で言ってたらお前と何年も楽しくフレンドやってねーヨ
スイッチくん
ヘヘヘヘヘッ!
スウィッティ
マジキモイアル、しばらく私に話しかけないで
通常NAT(スイッチ)
(図❸-2)

 以上が『Switch同士はNATを越えて直接通信できない』という理屈です。

 でも、NATを越えられないSwitchで、普段どうやってフレンドさんと遊んでいるのでしょうか?えっ・・・まさか気合いでNATを越えているのでしょうか?

 実は「NATを越える機能」は【ルーター】に搭載されていて、ルーターがSwitchの【NAT越え】を手伝ってくれているのです。ありがとうルーター。

 次は、SwitchとルーターがどうやってNATを越えているのか見てみましょう。

2.Switchは【STUN】プロトコルでNATを越える

NAT越え(STUN)
(図❸-3)

 Switchはルーターの力を借り【STUN】(Session Traversal Utilities for NATs)と呼ばれる通信プロトコルを使ってNATを越えます(↑図❸-3)。

 詳しくは後ほど解説するので、ここでは【STUNサーバー】にアクセスしたSwitch同士が、お互いの連絡先を「STUNサーバー経由で交換」し、一時的に【NATを越えられる手段】を得た後、【P2P】(Peer to Peer)と呼ばれる通信方式をつかって直接通信をするというイメージで・・・

( ˘ω˘ ) スヤァ…

 わかります、私も同じ気持ちです、ネットワーク用語の略称は正式名称の方がピンと来ないのはどうしてなんでしょうか?【BKB】(バイク川崎バイク)みたいにならないのでしょうか?

 ビックリするくらい簡単でも別に良いと思うのですが・・・「ビックリ」するくらい「簡単」でも「別にいい」B・K・B!ヒィーーーーーア!

 ではお待ちかねの『会話形式のやつ』でいってみましょう。

【第2話】STUNサーバーは『スタバ』

 部屋番号しか知らないSwitchの代わりに、住所を知っているルーター達が集まって連絡先の交換をする所が『STUNサーバー』です。そう、みんなが「マッチングサーバー」と呼んでいるアレです。

『STUN(スタン)サーバー』なので店長は「スタバ」と呼んでいます、今回はSTUNサーバーを「待ち合わせ場所(カフェ)」に例えてみましょう。

 では、さっきと同じように、アナタの部屋のSwitchを「スイッチくん」、ルーター機能の付いた機器を「マンションの管理人(ルーター)」だと思って、役になりきって読んでください。

 スイッチとスウィッティは大の仲良し、スイッチはなぜか連絡がとれなくなってしまったスウィッティに『手紙を送る事』を思いつきました。

スイッチくん
スウィッティに手紙を送りたいのに住所がわからないよ、どうしたらいいんだどうしたらいいんだ
スウィッティ
おや?【101号室】のスイッチ様ではありませんか、そんなに慌ててどうしたんですか?
スイッチくん
あ、親切な管理人さん!スウィッティに手紙を送りたいんだけど住所がわからないんです
スウィッティ
それなら私が代わりに、スウィッティさんの個人情報にあたる住所を手に入れて、本人の同意を得ないまま第三者であるスイッチさんにお教えしましょうか?
スイッチくん
えっ、言い方がアレですけど、そんな事できるんですか?
スウィッティ
実はこれからスウィッティさんのマンションの管理人さんと、スタバで待ち合わせをしているのです
スイッチくん
ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ
スウィッティ
なにそれ気持ち悪い、バグったんですか?
スイッチくん
スタバで一番ややこしい注文の仕方です
スウィッティ
そうなんですね、では早速スウィッティさんの住所を聞いてきますので失礼いたします
スイッチくん
よろしくお願いします!
傘をさした猫が「それからどーしたの?」って言ってる
スウィッティ
ただいま戻りました、スウィッティさんの住所を聞いてきましたから手紙を送れますよ
スイッチくん
ありがとうございます管理人さん!
スウィッティ
トゥーゴーパーソナルリストレットベンティツーパーセントアドエクストラソイエクストラチョコレートエクストラホワイトモカエクストラバニラエクストラキャラメルエクストラヘーゼルナッツエクストラクラシックエクストラチャイエクストラチョコレートソースエクストラキャラメルソースエクストラパウダーエクストラチョコレートチップエクストラローストエクストラアイスエクストラホイップエクストラトッピングダークモカチップクリームフラペチーノ
スイッチくん
なにそれ気持ち悪い、バグったんですか?
スウィッティ
スウィッティさんのマンションの管理人さんが泣きながら注文していました、スウィッティさんに頼まれたそうです
スイッチくん
もっとややこしい注文だ!さすがスウィッティ!でも何かのハラスメントだね!
NAT越え(スタバ)
(図❸-4)

 以上が『Switchは【STUN】プロトコルでNATを越える』という理屈です。

 STUNサーバーで「連絡先の交換」をしたルーター達は、それぞれのNAT配下にあるSwitchに通信相手の連絡先を教えます。

 この時に交換したお互いの連絡先に「問題がない」なら『NAT越え成功』、どちらかの連絡先に「問題がある」と『NAT越え失敗』です。

ここまでのまとめ

・Switch同士はNATを越えて直接通信できない。
・SwitchはSTUNサーバーを使ってNATを越える。
・『会話形式のやつ』はふざけてしまうからもうやめる。

❹【TCP】と【UDP】とダチョウ倶楽部

 SwitchのNAT越えの概要がわかったところで、【NAT越え失敗の原因】をちゃんと理解する為に、ここからは「少し突っ込んだ解説」をしていきたいと思います。

 Switchがインターネットでデータを送受信するプロトコル(方法)には、【TCP】(Transmission Control Protocol)と【UDP】(User Datagram Protocol)の2種類があり、用途によって使い分けています。

【TCP】は準備や確認を必要とする『信頼性を重視した通信』なので、Switch本体やゲームの更新データのダウンロードに向いています。

【UDP】は準備や確認を必要としない『高速性を重視した通信』なので、動画のストリーミングや遅延を抑えたいゲームの通信に向いています。

TCP

 ダチョウ倶楽部がお茶の間に笑いを発生させるプロトコル(方法)に例えると、『押すなよ!押すなよ!絶対に押すなよ!』と事前に「準備」や「確認」をしてから熱湯風呂に落ちる伝統芸能が【TCP】です(図❹-1)。

カトルを熱湯風呂に押そうとしているアフロ
(図❹-1)

 ちなみに『押すなよ!』は「確認」、『絶対に押すなよ!』は「準備完了」を表しています。

UDP

 一方、『絶対にウケるタイミング』を優先し、「準備」も「確認」も省略して一方的に熱湯風呂に突き落とす荒技が【UDP】です(図❹-2)。

カトルを熱湯風呂に蹴り落とそうとするパオ
(図❹-2)

 ちなみに「思ったよりウケなかった」としても『殺す気か!』や『つかみはOK!』で速やかにリスクヘッジをとることが可能、恐るべし絶対にすべらないダチョウ倶楽部。

SwitchのNAT越えは【UDP】を利用する

「NATタイプF」の場合
(図❹-3)

 SwitchがNAT越えに使うプロトコル「STUN」は、『UDPホールパンチング』と呼ばれる技術を応用しているので【UDP】を利用します。

 この為【UDP】が利用できない通信環境のSwitchは絶対に【NAT越え】が出来ず、「NATタイプF」の判定を受けるのです(図❹-3)。

❺ぽっぽっぽ、鳩ぽっ【ポート番号】の話

 Switchの【NAT越え失敗】に関わっている原因のほとんどが『ポート番号』なので、ポートについてもしっかり押さえておきましょう。

『ポート』は港を意味する「port」から付けられた名前で、船が港で荷物を積み降ろす様子と、端末がデータをやりとりする様子を比喩的に表現したものです。

 ルーターにはパケット(データの塊)の出入り口である『ポート』が「0番〜65535番」まであり、ルーター配下の「PC」や「スマホ」や「Switch」上で可動しているプログラム毎に『ポート番号』が与えられます。

 例えば、『パソコンのブラウザは443番ポート』、『スマホのメールは587番ポート』、『Switchのゲームは8108番ポート(※)』という具合。

※マルチプレイ時のSwitchはP2Pで通信するのでポート番号は固定されていません【8108】は適当に付けた語呂合わせ(ハトヤ)です。

 この仕組みのおかげで、「グローバルIPアドレス」は1つしかないのに、複数のプログラムが同時にパケットをやりとりする事が可能なのです。ありがとうポート番号。

 ポート番号は「グローバルIPアドレスとセット」でルーターが管理します。

 例えば、アナタのグローバルIPアドレスが【●.●.●.●】だった場合、パソコンのブラウザの通信は【●.●.●.●:443】、スマホのメールの通信は【●.●.●.●:587】、Switchのゲームの通信は【●.●.●.●:8108】というイメージ。

( ˘ω˘ ) スヤァ…

 OK、わかってます、お年玉付き年賀はがきの当選番号は全集中で見るくせに、ポート番号だけはぜんぜん頭に入ってこないのが世の習いです。

 でも大丈夫、グローバルIPアドレスが「住所」、プライベートIPアドレスが「部屋番号」に例えられるのなら、ポート番号だって身近な何かに例える事ができるはずです。

 ポート番号・・・ポッポッ・・・OK、伝書鳩です。

NAT越え成功の例

8108番の帽子をかぶった鳩が飛んでいく
(図❺-1)

 アナタのルーターは伝書鳩を65535羽くらい飼っていて、STUNサーバーで交換した「フレンドさんの連絡先(×.×.×.×:4126)」に向けて、小包(パケット)をぶら下げた伝書鳩を飛ばします(図❺-1)。

8108番の帽子をかぶった鳩が、4126番の部屋に入る
(図❺-2)

 フレンドさんのルーターはSTUNサーバーで交換した「アナタの連絡先(●.●.●.●:8108)」と、飛んできた「伝書鳩の情報」を確認し、小包(パケット)の受け取り(通過)を許可します(図❺-2)。

 素晴らしい、NAT越え成功です。

NAT越え失敗の例

4127番の帽子をかぶった鳩が飛んでいく
(図❺-3)

 同じく、フレンドさんのルーターも伝書鳩を飼っていて、STUNサーバーで交換した「アナタの連絡先(●.●.●.●:8108)」に向けて伝書鳩を飛ばします。

 でも、よく見てください、小包(パケット)をぶら下げて飛んで行った伝書鳩のポート番号が、STUNサーバーでアナタと交換した「4126」ではなく「4127」になっています(図❺-3)。

4127番の帽子をかぶった鳩を捕まえる
(図❺-4)

 STUNサーバーで交換した「フレンドさんの連絡先(×.×.×.×:4126)」と、飛んできた「伝書鳩の情報(×.×.×.×:4127)」は『ポート番号』が違うので、アナタのルーターは小包(パケット)の受け取り(通過)を拒否しました(図❺-4)。

 そうです、NAT越え失敗です(※)。

※「NATタイプA」と「NATタイプBの一部」はポート番号が違ってもパケットを通過させるのでこのパターンでのNAT越え失敗にはなりません。

❻図解「SwitchのNAT越え」

 では、ここまで解説した『プライベートIPアドレス』『グローバルIPアドレス』『STUN』『UDP』そして『ポート番号』を使って、「SwitchのNAT越え」の全貌を解説し、NATタイプ別の対処法に繋げたいと思います、あと一踏ん張りなのでがんばりましょう。

①STUNサーバーにUDPパケットを送信する

(図❻-1)

 アナタがフレンドさんとマルチプレイをするとき、Switchはまず『STUNサーバー』に『UDPパケット』を送信します。

 このときルーターの外部ポートが開きます。

 上図(❻-1)の例では、グリーンNATの『8108番ポート』と、ピンクNATの『4126番ポート』が開きました。

 Switchがマルチプレイで利用するP2P通信は、使用するポート番号が固定されていないので、この時点では何番のポートが開いたのかSwitchは知りません。

②自分の「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」を取得する

自分のグローバルIPアドレスとポート番号をサーバーから取得している図
(図❻-2)

 次にSwitchは自分の「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」を『STUNサーバー』から取得します。

 上図(❻-2)の例では、グリーンNATは【●.●.●.●:8108】、ピンクNATは【×.×.×.×:4126】、それぞれ自分の「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」をセットにした『自分の連絡先』を取得しています。

『自分の連絡先』を取得するなんて変な話ですが、自分の電話番号を忘れてしまい、STUNサーバーに電話して通知された番号を教えてもらうみたいなイメージでOKです。

③相手の「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」を取得する

相手のグローバルIPアドレスとポート番号をサーバーから取得している図
(図❻-3)

 最後にSwitchは通信相手であるフレンドさんの「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」を『STUNサーバー』から取得します。

 STUNサーバーの着信履歴からフレンドさんの番号を教えてもらうイメージでOKです。

 これでお互いのSwitchの連絡先を知る事ができました(図❻-3)。

④相手の「グローバルIPアドレス」と「ポート番号」に向けて直接通信を行う

Switch同士が直接通信をしている図
(図❻-4)

 アナタのSwitchはフレンドさんのSwitch【×.×.×.×:4126】へ直接パケットを送信、フレンドさんのSwitchはアナタのSwitch【●.●.●.●:8108】へ直接パケットを送信、『NAT越え成功』です(図❻-4)。

❼NATタイプ別「原因と対策」

    もくじ
  1. 「NATタイプA」の場合
  2. 「NATタイプB」の場合
  3. 「NATタイプC・D」の場合
  4. 「NATタイプF」の場合
  5. 「特殊なケース」の場合

1.「NATタイプA」の場合

(図❼-1)
  1. フルコーンNAT
  2. でもセキュリティはザル

1.フルコーンNAT

「NATタイプA」の判定を受けるアクセス制御方式を『フルコーンNAT』と言います。

フルコーンNATの通信方法
(図❼-2)

『フルコーンNAT』は、一度開いた外部ポートに向けて送信されたパケットを『問答無用ですべて通過』させるので、理論的にはこの通信環境が原因で「NAT越えに失敗」することはありません(図❼-2)。

 もし、特定のフレンドさんとだけ「NAT越え失敗」のエラーが発生するのであれば、フレンドさんのNATタイプを確認して根気よくフォローしてあげてください。

NATタイプの確認方法

2.でも、セキュリティはザル

NATタイプとセキュリティの関係
(図❼-3)

 上図(❼-3)はアクセス制御方式とセキュリティの関係を表しています。NAT越えしやすいNATタイプほどセキュリティが低く、逆にNAT越えしにくいNATタイプほどセキュリティが高いことがわかります。

「フルコーンNAT」は外部から届いたパケットをすべて通過させてしまうので、当然「悪意のあるパケット」も簡単に通してしまいます。

 そうです、ディオ・ブランドーを簡単に養子にしてしまったジョージ・ジョースターと同じです(違います)。

 ちょっと心配イイイイイッ!って思う人もいるかもしれませんが、Switchは組み込みOSで動いていますし、ウェブブラウザ機能もないので(※)、それほど神経質になる必要はありません(任天堂テクニカルサポートの人もそう言ってます)。

※設定をいじるとウェブブラウザを起動できますが絶対にやめましょう。

 とは言え、テレワークやリモート会議(リモート授業)で使用するデバイスを、『フルコーンNAT』の環境で使用するのは非常に危険なので絶対にやめましょう。

「アクセス制御方式」はルーターの仕様によって決まるのですが、仕様書にアクセス制御方式が記載される事はないので、実際に購入して使用するまでわかりません。

 もし、アナタの通信環境が、デフォルトで【NATタイプA】になる環境なら、『ゲーミングルーター』等を別途購入し、Switchだけ「NATタイプA」の環境で使用する事を強くオススメします。

※【中級編❹】ゲーミングルーターを使う
※【上級編❶-1】Nintendo Switch をNATタイプAにする方法❶

2.「NATタイプB」の場合

(図❼-4)

「NATタイプB」の判定を受けるアクセス制御方式は『アドレス制限コーンNAT』と『ポート制限コーンNAT』の2つです。

  1. アドレス制限コーンNAT
  2. ポート制限コーンNAT
  3. 【原因1】ポートの有効期限切れ
  4. 【原因2】通信相手が「NATタイプC・D」

1.アドレス制限コーンNAT

アドレス制限コーンNATの通信方法
(図❼-5)

 STUNサーバーで交換した通信相手の連絡先が【×.×.×.×:4126】だった場合、アドレス制限コーンNATは「グローバルIPアドレスが同じ相手」なら「ポート番号が違う」パケットでも通過させます。

 逆に「ポート番号が同じ」でも「グローバルIPアドレスが違う相手」のパケットは「NAT越え失敗」します(図❼-5)。

 しかし、このプロトコルの最中に「グローバルIPアドレスが変わる事」は考えにくいので、事実上「NAT越え失敗」する可能性は極めて低いアクセス制御方式と言えます。

2.ポート制限コーンNAT

ポート制限コーンNATの通信方法
(図❼-6)

「NATタイプB」の判定を受けるもうひとつのアクセス制御方式が『ポート制限コーンNAT』です。

 ほとんどのSwitchユーザーがこの通信環境だと思われます。

 STUNサーバーで交換した通信相手の連絡先が【×.×.×.×:4126】だった場合、ポート制限コーンNATは「グローバルIPアドレスとポート番号の両方が正しいパケットだけ」を通過させます(図❼-6)。

『グローバルIPアドレス』はDHCPというプロトコルによって「同じアドレスを出来るだけ長く使う事」になっているので、NAT越えの最中に変わることは考えにくいです。

 よって『ポート制限コーンNAT』で起きる「NAT越え失敗」のほんとんどが、「グローバルIPアドレスは合ってるけどポート番号が違う件」であると思われます。

 そうです「❺ぽっぽっぽ、鳩ぽっ【ポート番号】の話」で例に上げたアレです。

3.【原因❶】ポートの有効期限切れ

 ポート番号は「0番〜65535番」まであるので、数が足りなくなる心配は無いように思えますが、Yahoo!のトップページを開くと「60個」くらいのポートを使い、タブでもうひとつ開けば「120個」くらいのポートを使います。

 そして、YouTubeでネコの動画を観たり、ニコニコ動画でネコの動画を観たりすると200〜300個くらいのポートを使い、P2Pを利用したオンラインゲームの中には250個以上のポートを使って通信するものもあります。

 こうやってポートを開き続けていくと、そのうちポートが枯渇してしまうので、ルーターは無通信状態が続いたポートを自動で閉じる為に、「ポートの有効期限」を設けているのです。

 この「有効期限」はルーターの仕様によって違うので「数秒で閉じる機種」もあります。

 また、細かく設定できる機種やまったく変更できない機種もあるので、どのタイミングでポート番号が変わるかはルーターの仕様や設定によって異なるのです。

※【中級編❹】:ゲーミングルーターを使う

【対策①-1】「NATタイプA」にしちゃう

「NATタイプA」のアクセス制御方式は『フルコーンNAT』なので、通信相手のポート番号が変わってもNAT越えできます。

 いっしょに遊んでいる全員が『NATタイプA』ならば「NAT越え失敗」する可能性は極めて低いですし、「オンライン大会に出場するチーム」に所属しているコミュニティでは必須の通信環境と言えます。

 イカスミカフェで紹介している方法は、Switchの通信のみ「フルコーンNATと同等の環境」にする方法なので、その他のデバイス(PCやタブレットやスマホ)の通信は今までと同じ環境のまま使用できます。

※【上級編❶-1】Nintendo Switch をNATタイプAにする方法❶

 フレッツ光の【v6プラス】を契約してしまっている場合は使用ポートを240個に制限されている為、上記の方法でも「NATタイプA」にする事はできません。

※【上級編❶-5】v6プラスで Nintendo Switch をNATタイプAにする方法はない

 そもそも、SwitchはIPv6環境に対応していないので、Switchを「NATタイプA」にしつつそれ以外はIPv6環境を使いたい場合はNURO光に乗り換えることをオススメします。

※【中級編❽】回線業者とプロバイダーを替える
※【番外編】【NURO光】が導入されていないマンションに「ひとりでも」NURO光を開通させる方法

【対策①-2】「全日本ルーター再起動選手権大会」を開催する

『❶ポートの有効期限切れ』でNAT越え失敗が発生した場合、通常はしばらく待てばNAT越えできるようになりますが、ルーターの仕様やバグによっては「ずっと同じエラーを繰り返す」場合があります。

 時間をおいても改善しない場合は、ルーターを再起動して「強制的にNATテーブルをクリア」する事で改善する可能性があります。

 ルーターは定期的に再起動した方が良いですし、誰が原因かわからない場合は「全日本ルーター再起動選手権大会」を開催して原因をうやむやにしてしまいましょう。

※【初級編❷】ルーターの再起動

4.【原因❷】通信相手のNATタイプが「C・D」

相手のNATタイプが対象NAT
(図❼-7)

 もし、通信相手が「対称NAT」の場合、パケットの送信先毎にポート番号が変わるので、STUNサーバーにパケットを送信する時(4126番)と、アナタのSwitchにパケットを送信する時(4127番)とでポート番号が必ず変わり、「NAT越え失敗」します(図❼-7)。

【対策なし】

 このケースの場合、仮にアナタの通信環境が「フルコーンNAT」や「アドレス制限コーンNAT」なら、通信相手の『グローバルIPアドレス』は同じなのでパケットを受けることは出来ます。

 しかし、相手の外部ポートは「4127番」に変更されているので、「4126番」に向けて送信したアナタのパケットは破棄され「NAT越え失敗」します(図❼-7)。

 そうです、対称NATは事実上「STUNプロトコルでのNAT越えは不可能」ということになるのです。

 また、通信相手が「多段NAT」である場合も、内側のNATと外側のNATでポート番号が変わり「NAT越え失敗」します(NATタイプC・Dの場合で解説)。

3.「NATタイプC・D」の場合

(図❼-8)
  1. 対称NAT
  2. 【原因❸】多段NATになっている
  3. 【原因❹】IPv6しか使えない環境
  4. 【原因❺】集合住宅に備え付けのインターネット
  5. 【原因❻】一部のCATV回線のプラン

1.対称NAT

「NATタイプC・D」の判定になるアクセス制御方式は『対称NAT』です。

 しかし「多段NAT」「集合住宅に備え付けのインターネット」「格安プロバイダー」「IPv6環境」「一部のCATV回線業者」「UDPポート制限」「プロバイダー固有のセキュリティ」等々、様々な要因でこのNATタイプになるケースがあるので、原因や対処法が多岐にわたる「最もやっかいなNATタイプ」だと言えます。

 エラーの原因が「増設したルーターによる多段NAT」の場合や、「プロバイダー固有のセキュリティ」等によるシンプルなものであれば、適切な設定をすることで解決する事もありますが、残念ながら「回線を変える以外に方法がない」環境も多く、最悪の場合は引っ越すしかないケースもあります。

対象NATの通信方法
(図❼-9)

「対称NAT」は、パケットの送信先毎にポート番号が変わるので、STUNサーバーにパケットを送信する時(8108番)と、通信相手のSwitchにパケットを送信する時(9999番)でポート番号が「必ず」変わり「NAT越え失敗」します(図❼-9)。

 しかし、「NURO光」や「フレッツ光」等の一般的な回線業者でこのケースは考えにくいですし、そもそも専用のツールやアプリを使わないと対称NATであるかどうかを確認することはできないので今回は割愛します。

STUNner(android):ネットワークのアクセス制御方式を確認できるアプリ
(この手のアプリのiOS版はありません:2020年8月現在)

2.【原因❸】多段NATになっている

(図❼-10)

 イカスミカフェでは普段「二重ルーター」と呼んでいる環境ですが、「NAT機能を持った機器」を重ねて接続しているネットワークの事を「多段NAT(多重NAT)」と言います。

 STUNサーバーで交換した通信相手の連絡先が【×.×.×.×:4126】だった場合、まず内側の「NAT1」は外側の「NAT2」へパケットを送ります。

 次に、外側の「NAT2」は通信相手のSwitchにパケットを送ります。

 ここまでは問題ありませんが、通信相手からのパケットは内側の「NAT1」の外部ポート(8108)に向けて送信されるので、外側の「NAT2」でパケットが弾かれて「NAT越え失敗」になります。

【対策③】ブリッジモード(APモード)で接続する

(図❼-11)

 多段NATでエラーが起きる場合は、NAT機能を持つ2つの機器のうち、どちらかのNAT機能を停止して「ブリッジモード(APモード)」で運用することで、STUNプロトコルによるNAT越えが可能になります(図❼-11)。

 ちなみに、フレッツ光のHGWはNAT機能を持つ機器を接続すると自動でブリッジモードになるのでこのタイプのエラーは起きません。

※【上級編❶-4】フレッツ光のHGW(ホームゲートウェイ)に他社ルーターを接続する方法
※【上級編❷-4】NURO光のONUにゲーミングルーターを接続する方法

3.【原因❹】IPv6しか使えない環境

「NAT越え」の【NAT】(Network Address Translation)は、IPv4の為の技術なので、IPv6しか使えない環境では「NAT越え失敗」します。

【対策④】一般的な回線でIPv6しか使えないことは無い

「え?ウチはv6プラスだけどNAT越えできてますよ?ワ~オ?ワ~~オ?ワ~~~オ?」

 って思うでしょ?

『v6プラス』とは、NTT東西ネットワークにおいてIPv4とIPv6の両方を利用できる『サービスの名前』なので、IPv4も使えます。

 ちなみに、SwitchはIPv6に対応していないので、v6プラスで契約してもIPv4で通信します。

 でも、「IPv4」と「IPv6」は互換性がないので、v6プラス環境下でSwitchがNAT越えを行う場合、まず「SwitchのIPv4パケット」を「IPv6パケット」に変換します。

 次に、変換した「IPv6パケット」で「NGN(NTT東西IPv6網)」を通過させます。

 更に「NGN」を通過した「IPv6パケット」を再び「IPv4パケット」に変換して通信相手のSwitchに届けます。

 v6プラスにしたら「動画の視聴はサクサクになった!」けど「オンラインゲームは・・・よくわからなかった・・・」というあのモヤっとする感覚の正体はこれです。

 v6プラスを提供している側のアナウンスがそうであるように、IPv6の仕様そのものが速いわけではないので、v6プラスにおけるSwitchの速度は「IPv4とほぼ同じ」か「変換処理をしている分だけIPv4よりちょっと遅い」のです。

 また、v6プラスは複数のユーザーで「同じグローバルIPアドレスを共有」し、利用できるポート番号を制限することでパケットを区別しているので、「NATタイプA」にする事は絶対に不可能です。

 IPv6環境で動画をサクサク観たり大型アップデートを速攻で終わらせつつ、IPv4環境のオンラインゲームのラグを軽減したい場合は、「IPv6の通信」と「IPv4の通信」をそれぞれ独立した経路を使用する『IPv4 / v6デュアル方式』のNURO光をオススメします。【公式】NURO 光

※【中級編❽】回線業者とプロバイダーを替える
※【番外編】【NURO光】が導入されていないマンションに「ひとりでも」NURO光を開通させる方法

4.【原因❺】集合住宅に備え付けのインターネット

店長の部屋のコンセント
(店長の部屋のコンセント)

「NATタイプC・D」のほとんどが『集合住宅に備え付けのインターネット』を利用しているケースだと思われます。

 上の画像は店長の新居のコンセントなのですが、『インターネット完備の物件』には有線LANの差込口があって、ここに自前のルーターを接続すると下の(図❼-12)のようになります。

(図❼-12)

 そうです、つまり「多段NAT」の環境です。

「業者のルーター」は外から見えない共有スペースに設置されているので、この環境で「NAT越え失敗」する人の中には、『グローバルIPアドレスが無いから』と勘違いしてしまう方もいるようですが、グローバルIPアドレスが無ければ、そもそもインターネットに接続する事すらできません。

「集合住宅に備え付けのインターネット」のグローバルIPアドレスは、外側のNATである『業者のルーター』が持っていて(例:卍.卍.卍.卍)、その業者ルーターにアナタのルーターが接続されているので「多段NAT」になり「NAT越え失敗」するのです。

【対策⑤-1】多段NATを解消しても、UDPが制限されている場合が多い

 まず、集合住宅に備え付けのインターネットの「多段NAT」をどうにかする為には、

❶「業者のルーター」の設定を変える
❷「アナタのルーター」のNAT機能を停止する

 のどちらかなのですが、❶は業者にお願いするしかありませんし、セキュリティの問題で対応してくれないと思われます。

 そこで❷を実施するしかないのですが、方法としては「アナタのルーターをブリッジモード(APモード)※」に設定するだけです。

※ブリッジモード(APモード)の設定方法はルーターによって違うので、付属のマニュアルかメーカーのHPで確認してください。

【BUFFALO】:Wi-Fiルーターのルーター機能を使用しないでブリッジ(APモード)として使用する方法
【ASUS】:アクセスポイント(AP)モードの設定方法
【tp-link】:ブリッジモード(アクセスポイントモード)への動作モード切り替え方法

(図❼-13)

「アナタのルーター」をブリッジモードに設定した場合、上図(図❼-13)のように、通信相手は『業者ルーター』のポートに向かってパケットを送信し、『業者ルーター』は「アナタのルーター」へそのパケットを転送します。

 しかし、この方法でも以下の場合は必ず「NAT越え失敗」します。

・業者ルーターのアクセス制御方式が「対称NAT」
・業者ルーターがUDPポートを制限している
・業者が契約しているプロバイダーのセキュリティが干渉

【対策⑤-2】VPNサービス や 工事を必要としない回線を利用する

 アナタのルーターをブリッジモード(APモード)に設定しても「NAT越え失敗」する場合、「新たに回線を引く」という選択肢がありますが、「インターネット完備の集合住宅」は得てして「新たに回線を引く事を許可しない」傾向にあります。

 そこで、インターリンク【マイIP/マイIP ソフトイーサ版】 等の「VPNサービス(有料)」を利用する事でUDPを借りてNATを越える方法や、WiMAXや【SoftBank Air】 等の「工事の必要がない回線」をSwitch用に契約する方法があります。

 しかし、前者の【VPNサービス】はある程度のPCスキルと機材が必要でラグも気になりますし、後者の【Wi-Fi(無線LAN)】環境は「スマブラ」や「スプラトゥーン」等の競技性の高いゲームには向いていません。

【Wi-Fi(無線LAN)】がオンラインゲームに向いてない理由

【対策⑤-3】ダメ元で大家さん(管理会社)に回線を引く事をお願いしてみる

「インターネット完備」の集合住宅の回線は「特別な回線」ではありません。誰かが普通にNTTと契約した普通のフレッツ光の1回線を、集合住宅に住んでいる全員でシェアしているだけの不思議なシステムなのです。

 例えば、アナタが20人の友達と戸建てのシェアハウスに住んでいて、フレッツ光ネクスト「6,270円」を契約したとします。

 これを友達全員に月額1000円で貸します「1000×20=20000」。

 そこからフレッツ光ネクストに「6,270円」を支払い、残った『1万3,730円』で焼肉を食べれば業者の誕生です(実際は建物のオーナーが業者に支払っている)。

 店長の新居に備え付けのインターネットは優秀で、上りも下りも200Mbps前後でていて「NATタイプB」でした。

 でも、店長は引っ越してすぐにNURO光を申し込んでいます。なぜなら、業者のルーターは毎日深夜の決まった時間に再起動しますし、住民が一斉にネットをする時間帯は必ず混雑するからです。

 また、「業者のルーター」にアクセスしたら住民全員のネットワークが見れたので、セキュリティ的には絶対なしだと思いました。

店長の部屋のコンセント
(店長の部屋のコンセント)

 あと、コンセントの中を見ると(※)

※注意:NUROの工事の時に撮った写真です、電気工事士の資格が無い人はコンセントを開けてはいけません。

業者のLANケーブル
(業者のLANケーブル)

 テレワークやリモート会議が主流になっていく10Gbpsの時代に、LANケーブルが「Cat.5e 」なのも将来性を感じません。

※【中級編❷】LANケーブルを替える

 コスト的に可能であるのなら、ダメ元で大家(管理会社)さんに相談して、自分専用の回線を引くことをオススメします。【公式】NURO 光

【NURO光】が導入されていないマンションに「ひとりでも」NURO光を開通させる方法

5.【原因❻】一部のCATV回線のプラン

 一般的なCATV回線のモデムにはルーター機能が無い(ポートが開いている)ので、基本的にはフルコーンNATと同等の判定「NATタイプA」になります。

 でも、このままではセキュリティ的によろしくないですし、インターネットに接続できるデバイスも1台〜2台なので、みんなは別途ルーターを購入したりレンタルしたりします。

(図❼-14)

 しかし、一部のCATV回線業者のプランには「集合住宅に備え付けのインターネット」と同様のシステムを使ったサービスがあり、この場合は「多段NAT」と同じ理屈で「NAT越え失敗」します(図❼-14)。

【対策⑥-1】多段NATを解消しても、UDPが制限されている場合が多い

 このケースは「集合住宅に備え付けのインターネット」と状況が同じなので、対策もほぼ同じです。

 一部のCATV回線業者のプランにおける「多段NAT」をどうにかする為には、

❶「CATV回線業者のルーター」の設定を変える
❷「アナタのルーター」のNAT機能を停止する

 のどれかですが、❶はセキュリティの問題でCATV回線業者は対応してくれないと思われます。

 そこで❷を実施するしかないのですが、方法としては「アナタのルーターをブリッジモード(APモード)※」に設定するだけです。

※ブリッジモード(APモード)の設定方法はルーターによって違うので、付属のマニュアルかメーカーのHPで確認してください。

【BUFFALO】:Wi-Fiルーターのルーター機能を使用しないでブリッジ(APモード)として使用する方法
【ASUS】:アクセスポイント(AP)モードの設定方法
【tp-link】:ブリッジモード(アクセスポイントモード)への動作モード切り替え方法

(図❼-15)

「アナタのルーター」をブリッジモードに設定した場合、上図(図❼-15)のように、通信相手は『CATV回線業者のルーター』のポートに向かってパケットを送信し、『CATV回線業者ルーター』は「アナタのルーター」へそのパケットを転送します(図❼-15)。

 しかし、この方法でも以下の場合は必ず「NAT越え失敗」します。

・CATV回線業者ルーターのアクセス制御方式が「対称NAT」
・CATV回線業者ルーターが利用できるUDPポートを制限している

【対策⑥-2】「グローバルIPアドレス割り当てのプラン」に変更する

 CATV回線業者に連絡して「現在契約しているインターネットは、モデムに『グローバルIPアドレス』が割り当てられるプランですか?」と聞いてみましょう。

 もし「いいえ『プライベートIPアドレス』が割り当てられるプランです」と言われたら「『グローバルIPアドレス』が割り当てられるプランに変更できますか?」と聞いてみましょう。

 変更が可能であればプランを変更を検討してみてください

【対策⑥-3】インターネットだけCATV回線をやめる

 CATVは映像コンテンツを視聴する為のサービスなので、映像コンテンツを視聴する事に向いている技術で運用されています。

 例えば、CATVをケーブルテレビたらしめる「同軸ケーブル」は、遠い場所に映像信号を届けるのは得意なのですがノイズを拾いやすい性質を持っています。

 特に「上り方向ノイズ」が集まって起きる「流合雑音(りゅうごうざつおん)」は有名で、通信エラーやラグの原因になるので競技性の高いオンラインゲームには向きません。

 CATVはNetflixやDAZNとの提携で益々充実したサービスになりましたが、インターネットはインターネットに向いた技術で運用されているサービスを選ぶ方が良いのかもしれません。

※【中級編❽】回線業者とプロバイダーを替える
【NURO光】が導入されていないマンションに「ひとりでも」NURO光を開通させる方法

4.「NATタイプF」の場合

  1. 【原因❼】UDPが使えない

1.【原因❼】UDPが使えない

 SwitchのNAT越えは「UDPホールパンチング」という技術を応用したものなので、UDPが使えない環境では必ず「NAT越え失敗」します。

【対策⑦-1】VPNサービス や 工事を必要としない回線を利用する

 インターリンク【マイIP/マイIP ソフトイーサ版】 等の「VPNサービス(有料)」を利用する事でUDPを借りてNATを越える方法がありますが、ある程度のPCスキルと機材が必要です。

 または、WiMAXや【SoftBank Air】 等の「工事の必要がない回線」をSwitch用に契約する方法もありますが、「スマブラ」や「スプラトゥーン」等の競技性の高いゲームには向いていません。

【Wi-Fi(無線LAN)】がオンラインゲームに向いてない理由

【対策⑦-2】インターネット回線を替える

 コスト的に可能であるのなら、ダメ元で大家(管理会社)さんに相談して、自分専用の回線を引くことをオススメします。【公式】NURO 光

※【中級編❽】回線業者とプロバイダーを替える
【NURO光】が導入されていないマンションに「ひとりでも」NURO光を開通させる方法

5.「特殊なケース」の場合

  1. 【原因❽】プロバイダーが「ぷらら」
  2. 【原因❾】同じ部屋のSwitchと「NAT越え失敗」する

1.【原因❽】プロバイダーが「ぷらら」

ぷらら
(ぷらら)

 大手プロバイダーは契約者が多いのでインターネットの出入り口が混雑し、速度の低下や通信障害が発生するのですが、これを改善するには「設備投資」が必要なのでコストがかかります。

 でも、企業はなるべくコストを削減して利益を生まなければいけません、そこで、みんなの通信に制限をかける事を思いつきました。

 契約しているプロバイダーが「ぷらら」の場合、オプションサービスの『ネットバリアベーシック(有害サイトブロック)』がONになっていると「NAT越え失敗」します。

 ネットバリアベーシックのパケットフィルタによって、本来オンラインゲーム等のプログラムが自由に使う事ができるエフェメラルポート「1024番〜65535番」に制限をかけるからなのです。

 これらのポートは、Switchがおもいっきり使用するポート番号なので「NAT越え」失敗します。

【対策⑧-1】ネットバリアベーシックを解除する

「ネットバリアベーシック」を解除することで、制限されていたポートは「普通」に使用できるようになりますが、セキュリティも「普通」になるので自己責任で行ってください。

ログイン画面を開く
(https://web1.plala.or.jp/cgi-bin/netbarrier/basic/agent_sso.cgi)

ぷららのログイン画面
(ぷららのログイン画面)

❷ぷららの契約書に記載されている「ログインID」と「パスワード」を入力してログインする。

❸「サービスメニューの変更」をクリックする。

❹「有害サイトフィルタ」「パケットフィルタ」「Winnyフィルタ」の3つのフィルタ全てを『レベル0(OFF)』に変更する。

ネットバリアベーシックのサービス変更画面

❺『確認画面』をクリックする。

確認画面へのボタン位置

❻確認画面の『登録』をクリックして完了です。

登録ボタンの位置

 設定の反映まで30分程かかるので、よろしければ時間潰しに「About(イカスミカフェについて)」でも読みながらお待ちください。

【対策⑧-2】オンラインゲームに向いているプロバイダーに替える

ゲーミングプラス

 ぷららに限らず知名度の高い大手プロバイダーは、なんらかの方法でP2P通信への制限をかけている場合があります。

 フレッツ光の導入やプロバイダーの変更を検討している方には「オンラインゲームに向いたプロバイダー」のチョイスをオススメします。

店長おすすめ
かもめインターネット

 イカスミカフェでは「SwitchのP2P通信にいっさいの制限をかけない」そして「v6プラス以外も選べる」ゲーミングプロバイダーとしても有名な『かもめインターネット』をオススメします(ゲーミングプラスと同じ会社で同じ設備を使用しています)。

※【中級編❼】【v6プラス】についての注意
※【中級編❽】回線業者とプロバイダーを替える

2.【原因❾】同じ部屋のSwitchと「NAT越え失敗」する

ヘアピン
(図❼-16)

 STUNプロトコルでNATを越える場合、使用しているルーターの仕様によっては、同一NAT配下のSwitchとの通信で必ず「NAT越え失敗」が起きるケースがあります。

【対策⑨】ルーターを替える

「ヘアピニング機能」が搭載されたルーターであれば、外部ポートの間でパケットを処理する事ができるので、同一NAT配下のSwitchとも直接通信する事が可能です。

※【中級編❹】ゲーミングルーターを使う

❽まとめ

 今回の記事は内容が内容だけに、長文が多いイカスミカフェの記事の中でもダントツにボリューミーになりました。

 なので、今まさにこの「まとめ」を読んで下さっているアナタは、きっと何でも最後までやりぬく方なのだと思います。

 たとえば、レンゲでチャーハンを食べる時も、きっと最後のひと粒まで指を使わない……あ、使いますかそうですか。

 願わくはアナタの「NAT越え失敗」が無事に改善していますように、そして環境的に改善が不可能であったとしたなら、1日でも早く可能な環境になる事を祈っています。

 また、なるべく分かりやすく書いたつもりなのですが、難しくて読み進められないフレンドさんがいたなら、アナタのインテリジェンスと噛み砕いた解説でフォローして頂ければと思います。

 最後までお付き合い下さってありがとうございます。それでは、素晴らしいゲームライフを♪

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