Nintendo Switch を【NATタイプA】にする方法❶「NATタイプAってなーに?」

 普通に「オンラインゲームを楽しむだけ」ならば、【NATタイプB】でもまったく問題ありません。

 しかし、今まさに上級編を読み進もうとしているアナタに、そんな気休めの言葉はまったく聞こえていないでしょう。

 そして、アナタはきっとこう思っているはずです。

『良い通信環境を持っている人が【NATタイプA】にしなくてどうするんですか、設定するのがめんどくさいって言うなら力を貸してくださいよ…。この…腰抜けどもめ…いいから黙って全部オレのNATタイプに投資しろ!』

 OK、頑張って解説しますので落ち着いてくだ…痛い痛いちょ、やめて、、

 今回は、内容が多いので「NATタイプAにする方法❶」「NATタイプAにする方法❷」「NATタイプAにする方法❸」の、全3部作でいってみたいと思います。

・NAT越え失敗でフレンドさんとマルチプレイが出来ない場合は「Switchのエラーコード「2618-051*」が出てフレンドさんと遊べない原因と対策」をお読み下さい。
・v6プラス環境ではUDPポートを制限されている為「NATタイプA」に出来ません。参考:v6プラスで Nintendo Switch をNATタイプAにする方法はない

NATタイプAってなーに?

 まず、はじめに申し上げておきますと、【NATタイプA】にしても「通信速度が上がる」ということはありません。通信速度とは関係のない設定だからです。

 通信速度を改善したくてこのページに迷い込んでしまった方は、「ラグの対策」の【初級編】と【中級編】を読んでサクっと改善してから、またここに戻って頂ければと思います。

戻ってくるまでずっと待っています。

 詳しくは後ほど解説しますが、【NATタイプA】とは、通信速度がすごく速い状態を指すものではなく、「Switchがオンライン対戦に必要とする通信」に対して「ルーターが制限をかけていない状態」を指すものだと思って下さい。

 なので、ルーターを使用しないで「ONUにSwitchを直接接続」すれば簡単に【NATタイプA】になります※1

 でも、その方法だと他のデバイスがインターネットに接続できなくなるので、同居している家族が発狂します。だから、プロゲーマーやガチ勢はルーターの設定をカスタマイズして、「Switchにだけ制限をかけない状態」にして、家族の精神状態を保っているのです。

※1 ルーター機能を持つONUには「Switchを直接接続」しても【NATタイプA】になりませんが、この記事で解説している設定をすることで【NATタイプA】になります。

てか、NATってなーに?

【NAT】
Network Address Translation

 日本語では「ネットワークアドレスの変換」って程の意味で、具体的にはアナタの自宅のルーターに接続されている「ルーターの内側の世界のアドレス(SwitchやPCやスマホ等の識別番号)」を、ルーターの外側の世界(インターネット)でのアドレスに変換する技術の事を言います。

 ルーターの内側の世界で使う識別番号を【プライベートIPアドレス】と言い、ルーターの外側の世界で使う識別番号を【グローバルIPアドレス】と言うのですが、

( ˘ω˘ ) スヤァ…

 OK、わかりました。それでは「全日本例え話選手権3位」の店長が分かりやすく例えてみましょう。

 そもそも、なぜインターネットの外側と内側で識別番号を分ける必要があるのでしょうか?これはマンション等の「集合住宅」に置き換えて考えると分かりやすいのです。

 マンションには所在地を示す「住所」があって、これを使って郵便物の配達員さんが手紙を運んでくれたり、ちょっとポッチャリした友人が唐揚げを持って遊びに来たりします。

 インターネットにおける「マンションの住所」が【グローバルIPアドレス】にあたり、誰がどこから通信しているのかを識別するものなのです。

 では、アナタのマンションにたどり着いた配達員さんや、ちょっとポッチャリした友人は次に何をするでしょうか?

 そうです、配達員さんは「アナタの部屋番号のポスト」に手紙を投函しますし、ちょっとポッチャリした友人は、唐揚げの油がついた指を舐めてから、「アナタの部屋番号のチャイム」を鳴らします。

 インターネットにおける「マンションの部屋番号」が【プライベートIPアドレス】にあたり、マンション(グローバルIPアドレス)に住んでいるのが、「パソコンさん」なのか「スマホちゃん」なのか「Switchくん」なのかを識別するためのものなのです。

 ここから少しややこしくなるので、一回、お水を飲みましょう。

(/◎\)ゴクゴクッ

 さて、Switchくんは、インターネットの世界の誰かと通信するとき、自分の番号である【プライベートIPアドレス】ではなく、【グローバルIPアドレス】を使います。

 ラーメン屋さんへの出前の電話に例えると、

「もしもし、ラーメン2つと餃子を1つお願いします。はい、○○マンションに届けてください。え?部屋番号?ちょっと…何んでそんな事聞くんですか?いやらしい…」

 って感じになるので、永遠にラーメンは届きませんし、営業妨害で通報されます。

 でも、Switchくんは毎日ちゃんとインターネットに接続できています。どうしてなんでしょうか?

 実は【グローバルIPアドレス】はルーターが管理してくれていて、Switchくんがインターネットの世界の誰かと通信するときは「ルーターにお願いしている」のです。

 お願いされたルーターは『ウチのSwitchくんが○○さんと付き合いたいって言ってるんだけど、どうかな?』と代わりに気持ちを伝えてくれて、戻ってきたら『プロコンの粉が無理って言われたwww』と返事を教えてくれるのです。どんまいSwitchくん。

 さっきのラーメン屋さんの出前に例えるなら、マンションの管理人さんがラーメン屋さんに電話をしてくれて、ラーメン屋さんは管理人室へラーメンを運んでくれて、マンションの管理人さんが部屋までラーメンを運んでくれるシステムになります。なにそれめんどくさい。

 そして、このめんどくさいシステムの事をNAT(ネットワークのアドレスの変換)と呼びます。

 もっと詳しく知りたい人は本を読んでみましょう。(CCNA:ネットワークエンジニアの資格)

 どうしてNATなんていうややこしい方法を使うのでしょうか?この仕組みのせいで、ルーターがネットワークアドレス変換作業に失敗すると、「NAT越え失敗」となり、モニターにはエラーコード「2618-0513」が表示されたりするのです。

 もう、Switchが直接通信したらいいじゃない、ラーメンは自分で頼んだらいいじゃない、と誰もが思うでしょう。

 でも、これには阿部寛の眉間のシワよりも深い理由があるのです。

 1990年代前半、インターネットが普及し始め、団塊の世代が「エッチな画像を見るんだもん!」という、恐ろしく高いモチベーションでWindowsを勉強していたあの頃、ほぼ全てのインターネット通信は「NATを使わずに」行われていました。

 しかし、インターネットの利用者数が増加して「俺も見るんだもん!」「ワシも見るんじゃもん!」となった事で、インターネットの住所にあたる【グローバルIPアドレス】の数はあっという間に枯渇しました。

 IPv4方式でつくるアドレスは約43億通りしかないので、当時の世界人口(約60億人)より少なかったのです。

 なぜ数が合わない事に誰も気がつかなかったのでしょうか?おじさん達のモチベーションをなめていたのでしょうか?

 そこで、NATという技術が採用されたのです。【グローバルIPアドレス】をデバイス単位ではなく、ルーター単位で割り振る事で、使用アドレスを大幅に減らす事に成功したのです。

NATタイプAにするまでの流れ

 Nintendo Switch を【NATタイプA】にするためには、Switch本体の設定に加えて、PCを使ったルーターの設定が必要です。作業に入る前にここで簡単に流れを確認しておきましょう。

 作業は大きく分けて以下の2つです。

【作業1】IPアドレスの固定

・Switch本体に任意のIPアドレスを設定する。

【作業2】ポートの開放

・ルーターにSwitchの通信に対してポート開放を設定する。

【作業1】と【作業2】の具体的な手順は、NATタイプAにする方法❷と、NATタイプAにする方法❸で解説します。

IPアドレスの固定ってなーに?

 Switchに「専用のプライベートIPアドレスを与えること」をIPアドレスの固定と言います。

 一般的な家庭で使用する小規模ネットワークの場合、ルーターの内側の世界にあるSwitchやスマホやPCに割り振られる【プライベートIPアドレス】は、必ず「192.168.0.0」~「192.168.255.255」の数字で出来ています。

 このうち「192.168.」は共通の番号ですが、その後に続く「192.168.○○○.×××」は各ネットワークによって違います。

 ちなみに「192.168.○○○」の部分を【ネットワーク部】、「×××」の部分を【ホスト部】と言いますが、覚えなくて大丈夫です。

 ルーターをデフォルトの設定で使用している場合、「○○○」の数字はルーターのメーカーによって違い、SwitchやPCやスマホに割り当てられる「×××」の数字はランダムに変化します。

 これは、ユーザーが新しいデバイスをインターネットに接続する度に「IPアドレスを手動で設定する手間」を省く為の便利な機能なのですが、「ポートの開放」をするためには、ルーターがSwitchの識別番号を覚える必要があるので、この機能がちょっと邪魔になります。

 そこで、手動で【プライベートIPアドレス】を設定してアドレスを固定する必要があるのです。

 次回の「Nintendo Switch をNATタイプAにする方法❷」で手順を解説していきます。

ポートの開放ってなーに?

 ルーターは外側の世界からの不正なアクセスを遮断するためにFirewall(ファイアウォール)等のパケットフィルタリング機能を使ってセキュリティを高めてくれています。ありがとうルーター。

 しかし、このパケットフィルタリング機能は、オンラインゲームの対戦や協力プレイに必要な通信も遮断してしまうことがあるので、ある条件下では突然通信エラーが起きたり、特定のフレンドさんとだけ通信できない(同じ部屋に入れない)などの現象が起きたりします。

 ポートは港を意味する【port】から付けられた名前で、船が港で荷物を積み降ろす様子と、端末がデータをやりとりする様子を比喩的に表現したものです。

 ルーターには0番〜65535番までのポートがあります。

 パケットフィルタリング機能は、ポートを通過する通信を1つずつ確認して、あらかじめフィルタリングテーブルに指定されている「条件に一致するパケットを許可する」作業と、「条件に一致しないパケットは破棄または遮断する」作業を行います。

 数あるフィルタリングシステムの中ではシンプルな仕組みなので、高速に処理を行いますが、「ポートを通過する通信を1つずつ確認して処理する」以上、当然ラグの原因になります。

 つまり、ルーターに「Switchに対しての通信にはフィルタリング機能を使わなくていいよー」と、設定することを「ポート開放(ポートフォワーディング)」といいます。

※【パケット】データの塊
※ 正しくは「ポート転送設定」って言うのですが、掃除道具の「コロコロ」を「粘着カーペットクリーナー」って呼ぶ人以外は、ポート開放でOKです。

やばくね?セキュリティ的にマジやばくね?

 PC等の汎用OSとは違い、Nintendo Switch は組み込みOSなので「必要最小限に限定された機能」しか持っていないのでマジやばくないです。

 Nintendoの公式サポートでも、エラーの改善方法として「DMZ(全ポート開放)をルーターに設定」を提案しているくらいマジやばくないです。

まとめ

 冒頭でも書きましたが、NATタイプA(ポートを開放した状態)は、回線速度が速くなる設定ではありません。

 また、「【NATタイプA】がオンラインゲームに適している」と考えるよりは、「パケットフィルタが必要な通信も遮断する可能性がある【NATタイプB】はオンラインゲームの対戦や協力プレイに適していない」と考える方が個人的には正しい気がしています。

 しかし、我らがNintendoには社是も社訓もなく、新しいソフトを開発する時の企画書もないそうです。

「社是・社訓の通り動いていたら人々は飽きてしまう」と、元代表取締役社長(岩田聡)は語り、「社員の考え方を縛らない」というスタンスがスプラトゥーンという名作を生み出したのでしょう。

 NATタイプなんかBでもいいんです。そもそも楽しむ為に作られたタイトルなのですし、「エラーが起きるかどうかは運を天に任せる」というスタンスも、任天堂の「任天」に込められたイズムなのですから…。

 でも、勝ちたい人は問答無用でポートを開放しましょう。

スミス店長

スミス店長

店長のウデマエ

■スプラトゥーン:カンスト(エリア)
■スプラトゥーン2
・エリア、ホコ、ヤグラ:カンスト(旧S+50)
・アサリ:X
【尊敬するイカ】:あとばるさん

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