チックレートってなーに?

【Tick Rate】チックレート

サーバーやクライアント側で「1秒間に行う処理の回数」のこと

【Tick】とは、英語圏で時計の秒針の音を表す文化「ティクティク」とか「ティクトク」が語源なので、正しくは『ティックレート』っていいます。

 なので、時計の秒針の音を「チクタク」と表現する日本人のほとんどが『チックレート』っていいますし、かなり高い確率で平井堅はチックレート派だと思います。 

 ゲームに限らず、株式や為替、音楽(DTM)でも「最小単位」を表す時に使われる、とっても便利な言葉なのです。

チックレートは高い方がいい

 オンラインゲームでのチックレートの単位は「Hz(ヘルツ)」で、チックレートが30Hzなら「1秒間に30回の処理」、チックレートが60Hzなら「1秒間に60回の処理」をサーバーやクライアント側で行うという意味になります。

 ( ˘ω˘ ) スヤァ…

 晩酌中のパパさん数名がバタピーを落としそうになったのでザックリいきましょう。

 例えば、1秒間に60個のメロンパンを作る機械があったとして、60個全部の品質をチェックするなら60Hz、半分だけチェックするなら30Hzというイメージ。

 スプラトゥーンに例えると、マッチングで集まった8人の現在地や行動、ヤグラやホコの移動など、ゲームの進行に必要な情報の処理を、「1秒間に何回するか」を表すのがチックレートなので、この値が大きいほど「同期ズレ」が起こりにくくなります。

 イギリスのソフトウェアエンジニア Oliver Brammer(Octobyte)氏の記事※1によると、スプラトゥーンのチックレートは25Hz、スプラトゥーン2のチックレートは16Hzだそうです。

 公式の情報ではないので参考までにしていただきたいのですが、たぶん、きっと、おそらく、そんな感じです。

 少し前に話題になった「チックショット(傘を開いたまま攻撃する技)」もこの低チックレートを利用する技でした。(ver.1.4.1のアップデートで修正済)

※1)Oliver Brammer(Octobyto)氏の記事は消滅してしまいました。しかし、ゲーム好きの鳩"YON"さんが、とても丁寧に日本語に訳されている記事が残っていたので、リンクを貼らせて頂きます。YONさんはチックレートについてもgifアニメを使って、とても分かり易く解説されています。 YONの土鳩ブログ

スプラトゥーン2のチックレート

 多くのプロゲーマーがプレイするその他のFPS/TPSのタイトルが、30Hzや60Hzで処理されていることに比べると、スプラトゥーン2のチックレートは低すぎます。

 これは、スプラトゥーンの同期が、専用サーバーを使った「サーバー集中処理型」ではなく、マッチングされたプレイヤーの Switch 同士が、それぞれ直接通信を行う「P2P通信型」なので、処理能力を Switch 本体のスペックと、ユーザーの通信環境に委ねているためなのかもしれません。

(図1)

(図1)は、通常 4vs4 のガチマのP2P通信を 2vs2 に簡略化した図です。

 マッチングサーバーから選ばれた「ホストプレイヤーの Switch」は、ゲームの主軸となるプログラムの同期を担当します。(赤い矢印)

 このため、ホストプレイヤーの回線がラグいと、ホコやアサリに触れてから獲得するまでがラグかったり、ヤグラに乗ってから動き出すまでがラグかったり、スポンジやインクレールの反応がラグかったりと、プレイヤーが共有する情報(通信)の全てがラグくなります。

 イカ単体の行動はそれぞれの Switch が同期します。(黒い矢印)

 ここでもマッチアップしたプレイヤーの回線がラグいと、相手の情報が遅れて届くので、画面上の位置と実際の位置がズレる「同期ズレ」が起こりやすくなります。

 ルーターやONUの再起動をしても、ラグや同期ズレが改善しない場合は、回線業者やプロバイダーの乗り換えも検討してみましょう。

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