スプラトゥーンや Apex など、競技性の高いオンラインゲームでは、「敵が移動する音」にラグがあれば対応が遅れキルレに大きく影響します。
また、ヘッドセットの「音の分解能力」が低くいと、「サウンドプレイ」に必要な音の情報が他の音に紛れてしまい勝率に大きく影響します。
プロゲーマーやガチ勢は音にもこだわっています。
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ゲーミングヘッドセットってなーに?
競技性の高いオンラインゲームの音声を聞き取りやすくチューニングした、「ゲーム専用のヘッドセット※1」をゲーミングヘッドセットといいます。
※1)ヘッドセット:ヘッドフォンにマイクが付いてるやつ。
音楽用ヘッドフォンとどこが違うの?
音楽用ヘッドフォンは「音楽を楽しむため」に設計されていて、主に『ドンシャリ系』と呼ばれる「低音」と「高音」を強調したタイプと、『かまぼこ系』と呼ばれる「中音」を強調したタイプがあります。
ゲーミングヘッドセットは「ゲームに勝つため」に設計されているので、『フラット系※2』と呼ばれる「低音・中音・高音」の全てを聞き分けられるようにチューニングされています。
また、『音の分解能力』が非常に高いので、プレイ中に聞こえる「BGM」や「効果音」などの様々な音が「別々の音」としてはっきり分離して聞こえ、さらに「音の定位」もハッキリしているので「音が聞こえる方向や位置」を把握しやすくなります。
レストランの料理に例えると「シェフの意図した通りに味わい楽しむ」のが音楽用ヘッドフォン、「素材や調味料の味が全部分離して何が入ってるか分かる」のがゲーミングヘッドセットなのですおぇぇ…。
※2)音楽用ヘッドフォンにも、レコーディングなどに使用する「フラット型」がありますが、マイクが付いてないのでマルチプレイに向いていません。
ゲーミングヘッドセットのメリット
ゲームの音声が聞き取りやすい
あっ…ほとんど上に書いちゃった。
長時間使用しても快適
プロゲーマーは毎日10時間以上もゲームの練習をするそうなのですが、それでも耳や頭が痛くならない位に「軽くて柔らかくて頭の形にフィットする」ように設計されています。
マイクの性能がすごい
e-Sports の会場の声援や雑音を拾わず自分の声だけを拾い、味方が聞き取りやすい音質で聞こえるように設計されています。
「ご飯できたわよ!いつまでゲームやってるの!」ってお母さんの声をカットして、「あ!ちょっと彼女と約束があるから落ちるね!」って自分の声だけを伝えてくれるのです。
ゲーミングヘッドセットのデメリット
聴き疲れする
ゲーミングヘッドセットの「音声の分解能力の高さ」は、今まで聞こえていなかった音がいっぱい聞こえるので、耳が「聴き疲れ」を起こしやすくなります。
アナタの豊かな想像力を使ってイメージしてみましょう。渋谷の交差点で信号待ちしてるときに、周りにいる人の会話が全部ハッキリ聞こえたとしたらどうでしょうか?耳が疲れて「パンケーキ食べたいパンケーキ食べたいパンケーキ食べたい」ってなりますよね。
遮音性は諸刃の剣
密閉型のゲーミングヘッドセットは「外部の音をカット」するので、ゲームの音声以外は聞こえにくくなります。
外出時の使用は、思わぬ事故に繋がる可能性があるので絶対にやめましょう。また、密閉型のヘッドセットで、秘密の動画を観るときは、頻繁に後方の安全を確認したり、片耳だけ外すなどの工夫が必要ですグッドラック。
ゲーミングヘッドセットの選び方
入出力端子(プラグ)で選ぶ
先端に黒い線が3本入ったミニプラグ。「3本なら3極じゃね?」って思ったアナタ、今日から友達です。
プラグの先端から「❶左音声」「❷右音声」「❸GND※3」「❹マイク」の4つの信号が使用するので4極ミニプラグです。
ちなみに普通の「ヘッドフォン」や「イヤフォン」はマイク機能がないので「2本線(3極ミニプラグ)」なのです。
Nintendo Switch 本体の端子は「4極(3.5mm)ミニプラグ」なので、必ずこのプラグが使用できる製品をチョイスしましょう。
※3)GND:電気が帰って来る所。
先端に2本線が入った3極ミニプラグが二股になっているタイプ。ボイスチャットを Windows PC で使用するときにはこの形状が便利です。
「マイクの線はピンクで、ステレオ音声の線はグリーンだよー♪」って賢い人が決めました。4極ミニプラグのゲーミングヘッドセットを買うと、だいたい3極ミニプラグの変換ケーブルが付属しています。(要確認)
Nintendo Switch 本体のアップデート(ver.4.0)で、USB端子のヘッドセットも使えるようになりました。
これにより、USB受信機を使った「無線ヘッドセット」も使えるようになったのですが、公式の「USBヘッドセットも使えるようになりました」ってアナウンスは無く、一部の製品は本体がフリーズするバグが報告されているので導入には注意が必要です。
また、USB端子のヘッドセットは、Nintendo Switch Online や、Skype を併用したボイスチャットに向いていないのでオススメしません。
ハウジング(構造型)で選ぶ
ヘッドセットのハウジング(耳の部分の構造)は、大きく分けて2種類あります。ハウジングが開放されていて空気が出入りできる「オープンエアー型(開放型)」と、ハウジングが密閉されていて空気が出入り出来ない「クローズド型(密閉型)」です。
メリット
- 音を発生させる「振動板」と「耳」の間に空気が出入り出来るので、開放的な音響になる。
- 長時間の視聴に適している。
- 音がこもらないので、高音がクリアに聞こえる。
- 周囲の音が聞こえるので、外出時の使用に適している。
デメリット
- 音が抜けるので低音の再生が苦手。
- 周囲の音が入るため、音量を上げて使用する人が多く、鼓膜を痛める原因になる。
- 音漏れが大きいので満員電車で使用すると迷惑になる。
メリット
- 音を発生させる「振動板」の背面も密閉されているので遮音性が高く、ゲーム内の音声に集中できる。
- 音量を上げなくても良く聞こえるので鼓膜に優しい。
- ハウジング内の空気を利用した力強い重低音を再生するのが得意。
デメリット
- 密閉されているので夏場は蒸れる。
- 周囲の音が聞こえないので外出時の使用に不向き。
クローズド型がオススメ
FPSのプロゲーマーは「クローズド型(密閉型)」を使用しているので、競技性の高いオンラインゲームに使用するヘッドセットは「クローズド型」をオススメします。
音質で選ぶ
えらそうに「音質で選ぶ」とかいっていますが、スペック表の情報はメーカー独自の測定方法なので、他社製品との比較に使うのはあまり意味がないかもしれません。
好みの音質であるかどうかは、「お店に行って実際に視聴する」のが一番良い方法なので、ここではスペック表の簡単な見方を紹介します。迷ったときの「参考」にしてみてください。
近所にゲーミングデバイスの専門店があるなら、絶対に視聴させてもらうのが一番です。ちなみに店長はヨドバシカメラに行くと、「視聴コーナーのヘッドフォンを全部視聴する」という習慣があります。
ドライバーユニットの口径
ヘッドセットの音を出すパーツを「ドライバーユニット」といいます。
駆動方式は何種類かありますが、ほぼほぼ「ダイナミック型」なのでこれは気にしなくて大丈夫です。
大事なのは「口径」つまりドライバーの大きさです。
ヘッドセットはダイアフラム(振動板)の大きさに比例して音質が向上します(スペック表のドライバー口径はその大きさを表しています)。ゲーミングヘッドセットは30mm〜53mmのドライバーが中心ですが、なるべく50mm以上の製品をオススメします。
マグネットの材質
ドライバーユニットの磁気回路にはマグネット(永久磁石)が使用されているのですが、このマグネットの品質に比例してヘッドセットの音質が向上します。
格安ヘッドセットには、安価なフェライト磁石やコバルト磁石などが採用されていますが、ゲーミングブランドのヘッドセットのほとんどが、高級スピーカーにも使用される「ネオジム磁石」を採用しています。
因みに、ネオジム磁石は世界一強力な磁石なので、大きなネオジム磁石を間違って飲み込んでしまった場合は、金属に近づかないように気をつけながら病院に行きましょう。
再生周波数帯域(Hz)
スペック表に「50Hz〜20kHz(20,000Hz)」とか書いてあるアレが再生周波数です。ドライバーユニットが再生できる低音の下限値と高音の上限値を表していて、この範囲が広いほど音の表現力が豊かであるといえます。
音域が広くても良い声とは限らないように、再生周波数帯域が広くても良い音とは限りませんが、人間が聞き取れる周波数の範囲は「20Hz〜20kHZ(20,000Hz)」ほどなので、この範囲の音がちゃんと出せる製品をオススメします。
操作性で選ぶ
フレンドさんや所属チームとのマルチプレイで「音声チャットをよく使う場合」は、緊急時に手元でマイクのミュート機能が使えると安心なので、「インラインコントロール」の機能を持った製品をオススメします。
また、音声チャットは時々使用する程度という人は、普段はマイクを取り外したり収納できるタイプのヘッドセットがオススメです。
サラウンドシステムで選ぶ?
Nintendo Switch は5.1chのサラウンドに対応しています。
でも、それは「HDMI出力」での話なので、4極ピンプラグで接続したヘッドセットやヘッドフォンは5.1サラウンドになりません。
なぜなら、ピンプラグは「左右のステレオ信号しか出力できない構造」になっているので、どんな高価な5.1ch対応ヘッドセットを買っても、ピンプラグに接続しているなら2ch(右と左)の音しか出ません。
どうしてもヘッドセットで5.1chを実現したい場合は、
こういう機械を使ってアナログ信号に変換してから、
同じくアナログ信号の入力に対応している Razer Tiamat 7.1 などを使用すると、ヘッドセットでも5.1chで再生されるそうです。※4、5
イカスミカフェでは2ch(ステレオ)のヘッドセットをオススメしていますが、サラウンドに興味がある方は、下記の文献が非常に参考になるので、ぜひチャレンジしてみてください。
※4 Nintendo Switch 5.1ch化 その1|「スバルくま」さん
※5 Nintendo Switchで5.1ch音響出力の沼に嵌まる。|「虚ろぐ」さん
どちらも画像付きで分かりやすく解説してくださっています。
オススメのゲーミングヘッドセット
スペック
- 入力端子:4極(3.5mm)ミニプラグ
- ハウジング:クローズド(密閉型)
- ドライバー口径:50mm
- マグネット材質:ネオジム磁石
- 再生周波数帯域:12Hz - 28,000Hz
- コントローラー:右イヤーカップ
ポイント
現在一番売れている「Razer」の製品。愛用の Kraken のイヤーパッドが破れてきたので、この子に買い換えようかと思っています。
スペック
- 入力端子:USB(有線)/ 4極(3.5mm)ミニプラグ
- ハウジング:クローズド(密閉型)
- ドライバー口径:40mm
- マグネット材質:ネオジム磁石
- 再生周波数帯域:20Hz - 22,000Hz
- コントローラー:イヤーカップ
ポイント
世界で初めてハイレゾ認証を取得したゲーミングヘッドセット「ARCTIC PRO シリーズ」を作った「SteelSeries社」の製品。
音質はいうまでもありませんが、SteelSeries社のマイクは空母のデッキクルーが使用するマイクと同じClearCastを採用。
また、ヘッドアームにはスキーのゴーグルなどに採用される技術が使われていて、長時間使用しても痛くなりません。
スペック
- 入力端子:4極(3.5mm)ミニプラグ
- ハウジング:クローズド(密閉型)
- ドライバー口径:50mm
- マグネット材質:ネオジム磁石
- 再生周波数帯域:12Hz - 28,000Hz
- コントローラー:インライン
ポイント
ジョージ・ルーカスによって創業されたTHX社を買収し、一気にトップブランドの地位を揺るぎないものにした「Razer」の名作。Razerは、大きなネオジム磁石をいち早く採用したブランドでもあります。
「Kraken:クラーケン(巨大なイカまたはタコ)」の名を冠しているので完全にイカ専用機です。
低音がかなり強く再生されるので、スプラトゥーンのBGMには最適です。解像度も定位もしっかりしているので、ゲーム中の音が聞こえづらくなることもありません。
また、イヤークッションがフカフカなので、メガネのまま長時間プレイしてもまったく違和感がありません。
本体に収納できるタイプのマイク、よくモノを失くす人にオススメ。
緊急時には素早くマイクをミュート。
スペック
- 入力端子:4極(3.5mm)ミニプラグ
- ハウジング:クローズド(密閉型)
- ドライバー口径:50mm
- マグネット材質:ネオジム磁石
- 再生周波数帯域:13Hz - 27,000Hz
- コントローラー:インライン
ポイント
Razer と覇権を争うゲーミングヘッドセット業界のトップブランド「HyperX(Kingston)」、いわずと知れたFPSプロゲーマー御用達のメーカーです。
海外の有名選手達のほとんどが「HyperX」の製品を愛用しているだけあって、音の分解能力に定評があります。
インラインコントローラーが採用されている「Cloud Alpha」をオススメします。
音質はまさに「FPSのためのチューニング」、デュアルチャンバーが「低音」と「中高音」を独立して鳴らしてくれるので、密閉型特有の「音のこもり」を感じさせないクリアな音質です。
「誇張せず、必要な音の情報を正確に届ける」まさに勝つためのゲーミングギア、つけ心地も軽やかで、もちろんメガネを付けたまま長時間プレイしても痛くなりませんし、小柄なガールの頭にもフィットします。
マイクは着脱式です。よくモノを失くす人は鼻とかに挿して、失くさないように工夫して下さい。
緊急時にも安心のミュート。
照明が反射していますが、実物はフラットな黒です。
スペック
- 入力端子:4極(3.5mm)ミニプラグ
- ハウジング:クローズド(密閉型)
- ドライバー口径:記載なし
- マグネット材質:記載なし
- 再生周波数帯域:10Hz - 30,000Hz
- コントローラー:右側イヤーカップ
ポイント
ドイツの一流音響メーカーSENNHEISER(ゼンハイザー)から、「ゲーミングデバイス事業」として独立した「EPOS(イーポス)」の製品で、かつてFPS最強といわれた「GAME ZERO」の後継機にあたります。
ドライバーユニットの情報は公開されていませんが、数々のヘッドフォンの名機を世に送り出した「SENNHEISER」の名を冠する最後の製品なので問題はないでしょう。
航空機用のヘッドセットを製造しているノウハウも生かされていて、この子のマイクは上に跳ね上げるとミュート、下ろすとマイクONになります。