フレッツ光の「v6プラス」は、週末や夜間のインターネットを快適にしてくれました。しかし、P2P通信を利用したオンラインゲームにとっては、恩恵ばかりではないようです。
※動画の視聴やリモートワークなど「v6プラス」のメリットはたくさんあります。この記事は「v6プラス」自体を否定するためのものではありません。
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Nintendo Switch は「IPv4」で動作する
Nintendo Switch は「IPv6」通信に対応していないので、「v6プラス環境」でマルチプレイをするときは、「MAP-E(Mapping of Address and Port Encapsulation)」という技術を使って IPv4 通信を行います。
MAP-E は「ひとつのグローバルIPアドレス」を「複数のユーザーで共有」する仕組みなので、「同じグローバールIPアドレスが同時に存在する矛盾」を解消するために、使用できるポートを240個に制限されてしまいます。
このため、v6プラス環境の「HGW(ホームゲートウェイ )」は、Nintendo Switch を【NATタイプA】にするために必要な、「全ポートの開放」を設定できなくなります。
グローバルIPアドレスを買ってみました
グローバルIPアドレスを共有しているから「全ポートの開放」ができないのなら「自分専用のグローバルIPアドレスを用意すればいいのでは?」
と、思ったので、グローバルIPアドレスを買って検証することにしました。
イカスミカフェ推奨プロバイダーのうち、「固定グローバルIPアドレス」のサービスがあるのは「かもめインターネット」と「ゲーミングプラス」だけだったので、今回は「かもめインターネット」をチョイスしました。
こんなふうに、いつもちゃんと宣伝しているイカスミカフェなので、かもめインターネットに電話をしたら、「あっ、スミス店長!いつもお世話になっています!なるほど!また記事に必要な検証をするんですね!ヒマなんですね!はいっ、はいっ!そんなぁ〜もちろん無料で提供させて頂きますよぉ〜」ってなると思っていたのですが、普通に請求がきました。
【NATタイプA】にできない流れ
※【注意】最終的に失敗する話なのでマネしないでください。v6プラスはグローバルIPアドレスを買っても「DMZ(全ポート開放)」が出来ないという確認です。
①【IPv4設定】にログイン
ブラウザからログインする
ブラウザを開いて「http://ntt.setup:8888/t/」 または「http://192.168.1.1:8888/t/」を入力して、設定画面を開きます。
利用可能ポート
TOPページには、プロバイダーから割り当てられた「利用可能ポート」の一覧が表示されています。数えてみましょう、1、2、3、4……たぶん240個あります。
②【固定グローバルIPアドレス】を設定
[高度な設定]を選択する
[固定アドレス設定]を編集する
- [固定アドレス設定]のIPv4アドレスに、かもめインターネットから郵送された「レンタルIPオプション登録情報」に記載されているIPアドレスを入力します。
- [設定]をクリックして完了。
[利用可能ポート]を確認する
Topページで「全ポート利用可能」になっていることが確認できました。
[IPv4パケットフィルタ設定]を選択する
[未設定のエントリNo.]を選択する
エントリを編集する
- 【種別】:通過
- 【送信元アドレス】:any
- 【宛先アドレス】:Switchに固定したIPアドレス
- 【プロトコル】:Switchのマルチプレイは「UDP」
- 【送信元ポート】:any
- 【宛先ポート】:any
- 【方向】:WAN=>LAN
- 【設定】をクリックして完了
※any:「どれでも」とか「全ての」ってほどの意味
③ポート解放(ポートフォワーディング)設定
[静的NAPT設定]を選択する
[未設定のエントリNo.]を選択する
エントリを編集する
Nintendo Switch のマルチプレイはP2Pなので【対象プロトコル】は「UDP」が正解なのですが、そんなことはどうでもいい問題が発覚します。
- 【公開対象ポート】:any
- 【宛先アドレス】:Switchに固定したIPアドレス
- 【宛先ポート】:any
- 【設定】をクリックして完了
本来は、上記のように設定したいのですが、なんと❶と❸に「any」が設定できません。なぜなら、この入力フォームには半角の「数字」しか入力できないのです。
しかも「5桁」までしか入力できないので、「0-65535」の形式もNGです。
ひょっとすると、0番から65535番までのポート番号を1つ1つ設定すればいけるかもしれませんが、そんなにエントリ数があるわけないし、あってもやるわけないし。
まとめ
後で分かったことなのですが、v6プラス環境のHGW(ホームゲートウェイ)は、遠隔でソフトウェアが書き換えられ、特定ポートの開放しかできなくなるそうです。
というわけで「固定グローバールIPアドレス」を買うと、全てのUDPポートを利用できるようになりますが、ソフトウェアの都合で全ポートを解放する設定ができないので、Nintendo Switch を【NATタイプA】にすることはできないという結果になりました。
普通にオンラインゲームを楽しむだけなら【NATタイプB】で問題ありませんが、どうしても【NATタイプA】にしたい場合は、回線業者やプロバイダーの変更を検討する必要があるようです。