先日 WePC※1 のウィリアム氏が「キミが書いた ゲーミングモニターの記事 を読んだんやぜぇ〜」と連絡してくださり、「I think you have so really fantastic pieces on there.(とても素晴らしい作品が掲載されていると思うんやぜぇ〜)」とお褒めくださり、さらに製品開発プロジェクトへの参加を打診してくださったので、『あっ、これ、発売前の製品使わせてくれるやつじゃん?』とテンションが上がり、「ASUS めっちゃ好きなんやぜぇ〜!ASUS のルーターめっちゃゲットしたいんやぁ〜ぜぇ〜えぇ〜!」ってメールしたら、ぱったり返事が来なくなったので普通に Amazon で買った店長ですこんばんは。
※1 米Intel と 台湾ASUS が共同で立ち上げたPCを開発するコミュニティサイト。
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「RT-AX89X」ってなーに?
e-Sports の世界大会でもお馴染み、プロゲーマー御用達のゲーミングブランド ASUS のゲーミングルーターが「RT-AX89X」です。
ASUS といえば、機動戦士ガンダムとのコラボが大きな話題になりました。
地球連邦軍のモビルスーツ「RX-78-2 ガンダム」をモチーフにした『RT-AX82U GUNDAM EDITION』とか、
ジオン公国の赤い彗星「シャア専用ザク」をモチーフにした『RT-AX86U ZAKU II EDITION』とかあって、ルーターの性能で選ぶべきなのか、モビルスーツの性能で選ぶべきなのか、世のガンダム好きゲーマー達をいたずらに悩ませているのです。
では『RT-AX89X』はどうなんでしょうか?
そうなんです、公式のアナウンスはまだありませんが、実は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「レジェンドガンダム」のバックパックがモチーフになっているのです。(違います)
「RT-AX89X」のここがすごいよ
CPUがすごいよ
ゲーミングルーターは、オンラインゲームのマルチプレイで使用される、「すんごい量のパケット」の処理を「すんごい超高速」で行う必要があるため、「CPUの性能がゲーミングルーターの性能」といっても過言ではありません。
『RT-AX89X』は、「商用ミリ波ネットワークでの伝送距離確認試験」において、米国最長記録「7km の 5G通信」に成功した「クアルコム(Qualcomm)」社製のCPU「2.2Ghz(クアッドコア)※Q1」を採用しています。
CPUはコンピューターの「脳」にあたる部品
- 2.2Ghz:考える速さ
(数が大きいほど賢い) - クアッドコア:脳の数
(並行して複数の計算ができる)
- シングルコア:1個
- デュアルコア:2個
- トリプルコア:3個
- クアッドコア:4個
ブロードコムからクアルコムへ
これまでASUSは「ブロードコム」社製のCPUを採用していました。
- GT-AX11000:ブロードコム「1.8Ghz(クアッドコア)」
- RT-AX86U:ブロードコム「1.8Ghz(クアッドコア)」
- RT-AX82U:ブロードコム「1.5Ghz(トリプルコア)」
新しく採用された「クアルコム社」は最新テクノロジーの特許をいくつも持っていて、同社のCPUは「高性能なのに熱を出さない」という特徴から iPhone を含め、ほぼすべての5Gスマホの最新機種が クアルコム社の CPU を採用しています。通信速度が速くなればなるほど、CPUは熱を出すからなのです。
セキュリティがすごいよ
RT-AX89X に限らず ASUS のゲーミングルーターには、ウイルスバスターでおなじみのトレンドマイクロ社による「AiProtection」というセキュリティ機能が装備されています。
AiProtection はパソコンやスマホなどにインストールして使うのではなく、ルーターそのものに組み込まれている機能なので、外部からのさまざまな攻撃に対して水際対策で内部ネットワークを守り、逆に内部ネットワークから悪意のあるウェブサイトへのアクセスはブロックします。
家族の誰かがウイルスの入った添付ファイルを誤って開いてしまうケースは、どんなに高性能なセキュリティシステムでも防ぐことはできませんが、AiProtection は感染したデバイスを検知し、外部ネットワークとの通信を遮断し、「個人情報の漏洩」を防いでくれます。
AiProtection は企業も採用する「ビジネスレベルのセキュリティ」なので、会社のパソコンを持ち帰って仕事をする場合においても ASUS製 のゲーミングルーターをおすすめします。
ASUS製ゲーミングルーターを「APモード」で使用している場合、「AiProtection」や「ファイアウォール」は機能しません。なるべく「ルーターモード」で使用しましょう。
接続端子がすごいよ
LANポートが8基もあるよ
- ❶〜❷:LAN(1GbE)
※Link Aggregation 対応 - ❸〜❽:LAN(1GbE)
Link Aggregation(リンクアグリゲーション)
複数の回線を仮想的に「1本とみなす」ことで、「通信速度」や「耐故障性」を向上させる技術。RT-AX89X の場合は❶と❷のポートにそれぞれ「1GbE のLANケーブル」を接続し、「2本のLANケーブル」を使って他の Link Aggregation 対応デバイスと接続することで、「2Gbps の速度での通信が可能」になったり、「片方のLANケーブルが破損しても通信が可能」という具合です。
一昔前の Wi-Fi 5 の時代では当たり前だったのですが、Wi-Fi 6 対応のルーターに「LANポートが 8基もついている」のは、実はすごいことなのです。
ルーターが超高速通信を行う場合、「CPU」に負荷がかかって熱を発生させます。CPU(半導体)は熱に弱いので、昔のCPUは熱暴走でエラーを引き起こしたり壊れたりしていました。
最近のCPUは高温になると「頑張らないモード」になり、動作周波数や電圧を下げて「それ以上熱が発生しないように動作する」ので絶対に壊れません。責任感が強くて、ついつい頑張りすぎてしまう人にも実装してほしい機能です。
Wi-Fi 6 などの新しい規格で行う超高速通信の処理を、Wi-Fi 5 の時代の CPU で行うと、ルーターはすぐに「頑張らないモード」になり、パケットの処理に遅延が発生するので、競技性の高いオンラインゲームをまともにプレイすることができません。
そこでメーカーは、LANポートを4基に減らして、なるべくCPUに負荷がかからないようにしたり、大型冷却ファンを搭載してバカみたいに大きくなったりしているのです。そう、バカみたいに。
ちなみに、RT-AX89X の CPU は「Qualcomm(クアルコム)」社製なので熱をほとんど発生させません。なので「冷却ファンを装備」しているのに「冷却ファンを動作させない」という哲学的な設定もついています。
あと、猫転送装置としても大活躍しますよ。
10GbE の WAN / LAN もあるよ
- ❾ WAN(1GbE) x 1
- ❿ WAN / LAN(10GbE)× 1
- ⓫ SFP+(10GbE)× 1
- ⓬ USB 3.1(Gen1)× 2
2022年現在のインターネットには「10GbE で通信する用事がない」ので、今のところ❿は必須の端子ではありませんが、コロナ禍でテレワークが普及したこともあり、近い将来「一般家庭でも10GbEが当たり前の時代」が訪れそうです。
⓫ のSFP+ は主に下記のような機器を使った NAS に使用するポートなのですが、一般家庭では⓬のUSBポートに対応した機器の方が取り回しもコスパもよいと思うので、あまり需要はないかもしれません。
【NAS】(Network Attached Storage):「ナス」は、ネットワークに接続することができるハードディスクのことです。
LANケーブルを買い替えるときは、10GbE時代に備えて、なるべく「Cat.6A(6e)」のケーブルをチョイスしましょう。
「RT-AX89X」の使い方(基本編)
❶ONUに接続しよう
「家の外から来る光信号を家の中で使う電気信号に変換する機械」をONUっていいます。RT-AX89XはONUに接続して使います。
NURO光の場合
NURO光回線の人は上の画像のようなONUに接続しましょう。
フレッツ光の場合
フレッツ光回線の人は上の画像のようなONUに接続しましょう。
「v6プラス」や「光電話」を利用している場合
「v6プラス」や「光電話」を利用している人は、上の画像のようなHGW(ホームゲートウェイ)に接続しましょう。
集合住宅に備え付けの無料インターネットを利用している場合
マンションなど集合住宅に備え付けの無料インターネットを利用している人は、部屋に設置されているLANポートに接続しましょう。
※集合住宅に備え付けのインターネット回線は、中間業社の設備が邪魔でNAT越えに失敗しやすく「オンラインゲームに向いていない」のでおすすめしません。
①ONU(HGW)の電源を切る
電源アダプターを抜きます。(無料インターネットを利用している人は業者によって違うので確認してください)
②RT-AX89X と ONU(HGW)を接続する
ONU(HGW)側は「LANポート」に接続する。(無料インターネットを利用している人は部屋に設置されているLANポートに接続する)
RT-AX89X側は「WANポート」に接続する。
③ONU(HGW)の電源を入れる
電源アダプターを挿し、ONU(HGW)が完全に起動するまで待ちます。(無料インターネットを利用している人は業者によって違うので確認してください)うわ、かなりホコリがついてますねお恥ずかしい。
④RT-AX89X の電源を入れる
電源ポートとUSBポートの間に「電源ボタン」があります。ONして完全に起動するまで1分くらい待ちます。
❷初期設定をしよう(PC編)
※スマホで設定する場合は「❸初期設定をしよう(スマホ編)」へ
①PC と RT-AX89X を Wi-Fi で接続する
PC の Wi-Fi を「ASUS_XX」に接続します。(「XX」は RT-AX89X のMACアドレスの下2桁なので製品によって異なります)
②RT-AX89X にログインする
ブラウザを起動すると初期設定画面が表示されるので「はじめる」をクリック。(表示されない場合は http://router.asus.com からログイン)
③「2.4GHzと5GHzを個別に設定する」にチェックを入れる
遅いけど強い電波「2.4GHz」と、速いけど弱い電波「5GHz」を見分けやすくするため。
④「Wi-Fi の名前(SSID)」と「パスワード」を設定する
2.4GHz のフォームに入力すると 5GHz のフォームには自動で「_5G」ってついたやつが追加されます。
⑤「最新のWi-Fiのやつ使えるけど、使う?」って聞いてくる
最新規格 Wi-Fi 6(802.11ax)を利用するかどうかの確認。「使う」に決まっているのですが、対応していない機器で問題が発生する可能性もあるので念のため。
⑥「RT-AX89X」にログインするための「ログイン名」と「パスワード」を設定する
後で RT-AX89X をカスタマイズしたり、ファームウェアのアップデートをしたりするときに「忘れるとめんどくさい」ので必ずメモしておきましょう。
⑦初期設定完了
「作業④」で設定した「SSID」と「パスワード」が適用されるので Wi-Fi 接続が切断されます。インターネットに接続する端末には、新しい「SSID」と「パスワード」を設定しましょう。
❸初期設定をしよう(スマホ編)
①アプリをインストールする
ASUS Router
ASUS無料posted withアプリーチ
App Store または Google Play で「ASUS Router」をインストールする。
②スマホ と RT-AX89X を Wi-Fi で接続する
スマホの Wi-Fi を「ASUS_XX」に接続します。(「XX」は RT-AX89X のMACアドレスの下2桁なので製品によって異なります)
③「ASUS Router」を起動する
④「位置情報、使ってってもいい?」って聞いてくる
「1度だけ許可」か「Appの使用中は許可」どっちでもOKですが、[Appの使用中は許可]をおすすめします。
⑤「Bluetooth も使っていい?」って聞いてくる
「OK」をタップ。
⑥「このアプリで RT-AX89X に接続してるデバイスを管理してもいい?」って聞いてくる
「OK」をタップ。
⑦「セットアップ」をタップする
⑧「ASUS製デバイスを探して接続してもいい?」って聞いてくる
『何回聞くねん』って思いながら[設定に進む]をタップする。
⑨「ASUS Router」にアクセスを許可する
こんな感じになってたらOKなのですが[戻る]のボタンがないので、自力でアプリに戻ってください。(iPhoneの場合は[ホームボタンをダブルクリック])
⑩[ASUS無線ルーター]をタップする
⑪「作業④」で「1度だけ許可」にした人は「位置情報、使ってもいい?」ってまた聞かれる
めんどくさいと思ったら[Appの使用中は許可]をタップ。
⑫ぐるぐるぐる〜
⑬[開始]をタップする
⑭ISP 情報設定
「NURO光」とか「v6プラス」の場合
[次へ]をタップ。
PPPoEの場合
プロバイダーから送られてきた書類を漁って「ユーザー名」と「パスワード」を入力して[次へ]をタップ。
[次へ]をタップ。
⑮「2.4GHzと5GHzを個別に設定する」にチェックを入れる
遅いけど強い電波「2.4GHz」と、速いけど弱い電波「5GHz」を見分けやすくするため。
⑯「Wi-Fi の名前(SSID)」と「パスワード」を設定する
2.4GHz のフォームに入力すると 5GHz のフォームには自動で「_5G」ってついたやつが追加されます。入力したら[次へ]をタップ。
⑰RT-AX89X にログインするための「ログイン名」と「パスワード」を設定する
後で RT-AX89X をカスタマイズしたり、ファームウェアのアップデートをしたりするときに「忘れるとめんどくさい」ので必ずメモしておきましょう。
⑱ギュイーーーン……
しばらくお待ちください。
⑲初期設定完了
「作業⑯」で設定した「SSID」と「パスワード」が適用されるので Wi-Fi の接続が切断されます。インターネットに接続する端末には新しい「SSID」と「パスワード」を設定しましょう。
⑳「リモート接続を有効化する?」って聞いてくる
初期設定が完了した「ASUS Router」アプリは「リモート接続設定を続けてよろしいですか?」って聞いてきますが、セキュリティ的にぜんぜんよろしくないので、よくわからない場合は「いいえ」にしておきましょう。
❹セキュリティの設定をしよう
①「RT-AX89X」にログインする
http://router.asus.com から「RT-AX89X」にログインする。
②ネットワーク保護を選択する
サイドバーから「AiProtection」を選択し[ネットワーク保護]を選択する。
③AiProtection を[ON]にする
④トレンドマイクロライセンス利用許諾契約
[同意する]を選択。
⑤ぐるぐるぐる〜
⑥セキュリティ評価をチェックする
セキュリティ評価の「リスク」が❷になっているので[スキャン]して原因をチェックしましょう。(スマホアプリ「ASUS Router」のリモート接続を許可している場合は❸になっていると思います)
⑦WPS と UPnP を無効にする
家族以外の人が触れる場所にルーターを設置している場合は「WPS」を無効にしましょう。
「UPnP」はハッキングの対象になるので、なるべく無効にしましょう※2。
⑧セキュリティ設定完了
アプリからも設定可能
AiProtection はスマホの「ASUS Router」アプリからも設定できます。
※2 出典:160万件以上がインターネットに露出、UPnP有効の機器は攻撃を受ける可能性あり|Trend Micro is702
❺ファームウェアアップデート
①[管理]を選択
②「ファームウェア」のチェック
「ファームウェア更新」タブを選択し、「更新をチェック」の[チェック]ボタンを押します。「シグネチャーバージョン」は AiProtection(セキュリティ)のアップデートなので自動で更新されます。
③「ファームウェア」の更新
新しいバージョンが見つかった場合は[ファームウェア更新]をしましょう。
アプリからも更新可能
ファームウェアアップデートはスマホの「ASUS Router」アプリからも設定できます。
RT-AX89X|ASUS
- 有線接続数:9台
- 10Gbps×1ポート
1Gbps×8ポート - 無線接続数:90台(推奨72台)
- 無線LAN:【Wi-Fi 6】
IEEE802.11b/g/a/n/ac/ax - 転送速度
2.4GHz:1,148 Mbps
5GHz:4,804 Mbps - ストリーム数
2.4GHz:4×4
5GHz:8×8 - CPU(Qualcomm)
クアッドコア:2.2 GHz - メモリ
メインメモリ:1 GB
フラッシュメモリ:256 MB